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ジャンヌ・ダルクが聖人になった理由
自国フランスを守るため神からの啓示を受けたジャンヌ・ダルク。神様はフランスだけ守るのか?まぁ現在伝わる史実というものは、勝者が歪曲して残し、史実として伝わっているというのが東洋、西洋関わらず実際のところでしょう。 歴史の検証はおいといて、なぜ数百年たった今、今頃になってキリスト教殉教者として聖人扱いされるのでしょうか?憶測ですがジャンヌ・ダルクの研究も未だ完全ではないでしょう。なのに何故?政治的な問題でも介入しているのでしょうか?
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激しく政治的理由が大きいです。 まず列聖(カトリック教会による聖人&聖女認定)は普通に数十年かかります。 亡くなってそんなに経たない人は証言者から直接話し聞いたり行った奇跡の数や種類や本人の言動その他諸々が審査の対象になります。 時間が経過した人は文献なども加味されるようです。 さてジャンヌ・ダルクが列聖されたのは20世紀初頭です。その間にも彼女の扱いは時代によってまったく異なります。 聖女(存命中) ↓ 魔女(存命中) ↓ 忘却の彼方&地元住民のみ知ってる人物(ナポレオン出現以前) ↓ 歴史的英雄(ナポレオン時代) ↓ 聖女 協会認定Ver(20世紀以後) とまぁこれだけ違いますが、見ての通り分岐点はナポレオンです。現在の彼女の評価の土台は彼による宣伝が大きいのです。 では何故ナポレオンは国威発揚の為にそうしたのか? それには様々な理由がありますが、その最たるものとして周辺諸国との戦争にあります。彼女の生きた時代は後に百年戦争という戦乱の最中にありました。一方でナポレオンの時代もまた革命直後の周辺諸国との戦争状態です。 一般に軍隊は・・・特に徴兵制の軍隊が強いのは国民が「戦争は正しい」とか「祖国を守れ!!」だとかそう言った大義名分が国民自身に近ければ近い程凄まじい力を発揮します。その為の宣伝として彼女が持ち出されたというわけです。そうした流れが続いた結果としてジャンヌの列聖は実現したようです。 余談ですが、彼女の時代「フランス」という国は地球上に存在しませんでした。というよりも「イギリス」や「神聖ローマ帝国(現在のドイツ+周辺地域)」も存在しなかったんです。 当時の意識としては、○○王や○○王国の家臣という意識はあったけれど、現在の様に○○国の国民という意識では無かったんです。そういった国民意識を持つ国民国家の概念はナポレオンが作った物だったからそれ以前には無かったのです。だから「フランス」という国はありませんでした。 そう考えると、神様がジャンヌに「フランスの為に戦え」とは言いませんよね?
お礼
御礼遅くなりました。非情に興味深いお話ありがとうございました。