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記述の限界と文学について
卒論で「記述に還元できない領域を作家がどう扱ってきたか」というテーマを設定しました。今のところプルーストとドゥルーズとブランショなどを中心に書きたいなあと思っているのですが、参考になる本を薦めていただけたらすごく助かります。フランスでなくても構いません。
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『プルーストとシーニョ』をご存知なら話は早いです。 お書きになられている記述に還元できない領域について もっともドゥルーズが詳しく書いているのは『意味の論理学』 です。表層と深層を区別して、深層についての文学すなわち あなたのおっしゃられる記述に還元できないものの文学として アルトーを論じています。ナンセンスの構造やパラドックスの 構造で、さらにこの記述領域の形式を論じています。 『プルースト~』では、シーニョがこの表層(記述)と深層を とりむすぶ蝶番のようなものでしたよね。だからプルーストの テキストは、たんなる事件の記述と深層の時間がたえず交互に あわわれていますよね。『カフカ」ではこのシーニョの概念が もっと性格づけられて、ブラックボックスのような 働きだけをうみだす機械になっていきました。 晩年の『消尽』はベケットによるまさに「記述の限界まで 表現を消尽する」様子が描かれていますよ。 とても面白いテーマだと思うので、頑張ってくださいね。
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- opqtaro
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ブランショについてでしたら、M・フーコーの『外の思考』(朝日出版社)などはいかがでしょう。記述に還元できない領域、言語の「外」について書かれています。ドゥルーズは『フーコー』という著作で「文言」について書いてます。「文言」に関してまとまったものとしては、『ジル・ドゥルーズの試み』市倉宏祐 他(北樹出版)があります。ドゥルーズの「言語」や「文言」に関する思想にはフーコーの影響が強いと思いますので、挙げときました。
お礼
遅れてすみません。アドバイスをありがとうございます。大変参考になりました。挙げてくださった本は知らなかったものばかりなので全部読んでみようと思います。ドゥルーズを研究しようと思ったのは彼の「プルーストとシーニュ」にすごく感銘を受けたのからなのですが、この「シーニュ」という発想はドゥルーズのオリジナルなんでしょうか?気合の入った卒論にしたいと思っているので、また何かありましたらアドバイスいただけるとすごく助かります。ありがとうございました。
- nekomusume
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記述に還元できない領域?? それをもう少しご説明定義してくださいね
補足
遅くなってしまいすみません。例えば人間を一人描写しようとして、その人の属性とか特徴とかさまざまなことを書き尽くしても、それは「情報の束」になってしまいますよね。でも一人の人間は情報の集まりだけでは表しきれない部分、(ここが記述に還元できない領域)を持っているはずで、それをなんとかして言葉で表現しようというのが文学の一大テーマだと思うのです。でももちろんそれは不可能なものの探求ですから「書けない」と言い出す人も出てきます。例えばバタイユは言葉が無能力だから書けない、みたいなことを言ってました。プルーストのすごいところは「書けない」ことを言葉のせいにせず、人間の感受性や能力に原因を持っていって、もっと豊かに感じることが出来たらきっと書けるはずだと信じて探求を続けたところなのだと思います。
お礼
ありがとうございます。とても参考になりました。薦めていただいた本全部読んでみようと思います。