無限領域での波動方程式の計算に出てくる偏微分方程式
波動方程式の計算に出てくる、偏微分方程式の解の計算方法が分かりません。
本から引用します:
ここで、弦を伝わる波の問題などで使われる波動方程式
{ (∂^2) u(x,t) } / (∂t^2) - c^2 * { (∂^2) u(x,t) } / (∂x^2) = 0 (式7.33)
を考えてみよう。ここで、u(x,t)は座標xの位置での時刻tにおける弦の変位を表わし、cは正の定数とする。そして、∞に長い弦を考え(すなわち、-∞<x<∞の範囲で考え)、境界条件は、すべての
t>=0
に対して
u(x,t)→0 (式7.34)
(x→±∞)
を満たすとする。つまり、無限遠では波が存在しないとする。更に初期条件は
u(x,0) = f(x)
{ ∂u(x,t) } / ∂t |t=0 = 0 (式7.35)
とし、ここでf(x)は
x→±∞
で0に近付く絶対可積分な関数であるとする。また、上式の縦棒(|)の後のt=0は、「t=0での偏微分の値」という意味である。(式7.35)のように初期条件として2つの式を与えるのは、(式7.33)がtについて2階の微分方程式だからである。今の場合、xの無限領域での関数u(x,t)を取り扱うので、フーリエ変換を使った解法を用いればよい。
例題
初期条件(式7.35)と境界条件(式7.34)を満たす(式7.33)の解を求めよ。
[解] u(x,t)のxについてのフーリエ変換を
F(k,t) = ∫[-∞,∞] u(x,t) e^(-ikx) dx (式7.36)
と表す。(式7.33)にe^(-ikx)を掛け、xについて-∞から∞まで積分すると、熱伝導方程式(式7.20)を導いたときと同様な考え方から、
{ (∂^2)F(k,t) } / (∂t^2) + (c^2) * (k^2) * F(k,t) = 0 (式7.37) ←質問箇所
を得る。この微分方程式の解は、
F(k,t) = C[1](k) e^(ickt) + C[2](k) e^(-ickt) (式7.38) ←これをどう導いたのかが不明
であることが、代入すれば確かめられる。ここで、C[1](k)、C[2](k)は任意のkの関数で
ある。
・・・以上、引用終わり。
私は偏微分方程式自体、変数分離とかいう方法でサラッとやっただけで、上記の方法は見たことがありません。ネットで検索しましたが、同様の式を見つけることが出来ませんでした。そんな私が敢えて解こうとすると:
{ (∂^2)F(k,t) } / (∂t^2) + (c^2) * (k^2) * F(k,t) = 0
第2項を右辺に移項する
{ (∂^2)F(k,t) } / (∂t^2) = - (c^2) * (k^2) * F(k,t)
左辺の(∂t^2)と右辺のF(k,t)を交換する
{ (∂^2)F(k,t) } / F(k,t) = - (c^2) * (k^2) * (∂t^2)
両辺をtで積分する(もう既に未知の領域…きっと2乗が減って1乗になるのでしょう…)
ln{F(k,t)} * {∂F(k,t)} / F(k,t) = - (c^2) * (k^2) * ∫(1)(∂t^2)
ln{F(k,t)} * {∂F(k,t)} / F(k,t) = - (c^2) * (k^2) * t (∂t) + C[1](k)
もう一度両辺をtで積分するだろう雰囲気を漂わせたところでやめておきます。
もしかしたらln{F(k,t)}を積分しなければならないのでは、と思ったら思考が停止しました。多分、既に間違っているのでしょう。
…ということで、この偏微分方程式の解き方を教えて下さい。お願いします。
お礼
ご回答ありがとうございます。よく知られているように波動方程式の解は不変デルタ関数で表わされます。これが場の理論の摂動的方法の基礎です。これと異なる方法を考えることは非摂動的解法の基礎になるかもしれません。