- 締切済み
グリーン関数、フーリエ変換、複素積分について質問です。
グリーン関数、フーリエ変換、複素積分について質問です。 非斉次波動方程式のグリーン関数を求める過程でフーリエ積分、 int[-∞、∞] e^iωt/(ω^2-(ck)^2) を求めるのですが計算の仕方が分かりません。 特異点を迂回するような経路をとって複素積分、留数の利用だと思うのですが、 考えられる4つの経路のどれで計算しても物理的要請の因果律(t<0でゼロ) を満たす解が得られません。 http://www4.atpages.jp/redmagic/appliedmathematics/green%27s%20function.pdf ↑のサイトを参考にしてみたのですが、私の計算では迂回した小半円での積分の 寄与が残ってしまいゼロになる解が出てきません。例えば参考サイトの11頁のx-x'<0 の場合を私は↓のpdfファイルのように計算したのですが参考サイトの場合のように http://cid-026bc8e4dd63562a.office.live.com/self.aspx/.Public/green.pdf ゼロになりませんでした。どこか計算か考え方が間違っているのでしょうが分かりません。 どこが間違っているのか教えていただきたいです。 また他の参考書には特異点を+ia(a>0)などとずらして経路から特異点を外して、複素積分の 後a→0の極限をとる方法も途中式なしでのっていたのですが、こちらを自分でやってみると 小半円は出てこないためゼロになる解を得ました。特異点をずらす方法も経路をずらす方法も 本質的には同じように思うのですが、答えが違ってしまうのはなぜでしょうか。それともやはり 私の計算が間違っているのでしょうか。 よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- rabbit_cat
- ベストアンサー率40% (829/2062)
添付のgreen.pdfでどこが間違っているかを端的に言えば、式(5)がおかしいです。 えーと、そもそも ∫[-∞、∞] exp(iz(x-x'))/(z^2-k^2) dz は普通の意味では定義できないわけです。なぜなら、実軸上に極がありますから。 実際、この積分を区分求積法(リーマン積分)で求めることを考えてみてください。 極では、非積分関数が∞になるわけですから積分できるわけがないですよね。 (5)式は、 つまり、 ∫[-∞→∞]f(z)dz = ∫[-R→-k-r]f(z)dz + ∫[-k-r→k+r]f(z)dz + ∫[k+r→R]f(z)dz としているわけですが、これは成り立ちませんね。 なぜなら、 ∫[-k-r→-k+r]f(z)dz や ∫[k-r→k+r]f(z)dz はr→+0の極限でもゼロになりませんから。 というわけで、 ∫[-∞→∞]f(z)dz は普通の意味(リーマン積分)では積分できませんから、 積分の意味というか定義自体を普通とは変えてしまっています。 つまり、積分経路を実軸上ではなくて、±k では小円を通る経路にしてしまう、ということです。 で、このとき、小円の上下どちら側を通るかで、全部で4通りの積分結果ができてしまいます。 これが、参考にしたという green%27s%20function.pdf のp.13の表1.2ですね。
お礼
回答ありがとうございます。すみませんがまだ少し分かりません。 普通の積分(リーマン積分)はできないのでいわゆるコーシーの主値積分を とっているといると考えました。主値積分なら極を左右同じ幅rで領域を除外して r→0で近づく積分が主値積分と定義されるので(5)式の意味は、R→∞、r→0の極限で、 ∫[-∞→∞]f(z)dz =lim(r→0,R→∞)∫[-R→-k-r]f(z)dz + ∫[-k+r→k-r]f(z)dz + ∫[k+r→R]f(z)dz =閉曲線の積分(=0) - 小半円の積分の極限 になる(主値積分として定義される)と考えて計算したつもりです。 例えば↓の110ページ例43 ∫[0→∞]sin(x)/x dx =π/2 の積分も同じように考えて計算していると思うのですが 極が複数あると違ってくるのでしょうか。
補足
自分なりになんとなく答えが出た気がします。 添付ファイルで求めた答えはいわゆるコーシーの主値積分としての超関数で例えば、 int[-∞,∞]f(x)/x dx = lim(r→0) (int[-∞,r]f(x)/x dx + int[r,∞]f(x)/x dx ) のように定義されます。もう一つの解釈として次のような超関数、 int[-∞,∞]f(x)/x±i0 = lim(e→0) (int[-∞,∞]f(x)/x±ie dx) が定義できます。 この辺のことは超関数・フーリエ変換入門 : 基礎から偏微分方程式への応用まで / 磯崎洋著に 書いてあることから自分なりに理解しました。 求めたい積分はいわゆるリーマン和としての積分としては積分できないので、 物理的に解釈するにはおそらく超関数としてこの積分を定義する必要があります。 その定義は超関数論としてはいくつか定義できると思いますが、この場合は 後者の場合の定義がいわゆる因果律を満たす結果を与えます。この定義での計算は 経路を迂回して小半円部分を無視した(おそらく間違った)計算の場合と答えは 一致します。ここが私の疑問に感じた部分のように思います。 これは物理の問題なので数学としてはではなくて、数学の枠組みのなかで(超関数のように) 物理に合う定義を使えばいい、ということだと思います。ここではフーリエ変換の性質(逆変換で もとにもどるとか)が成り立てばそれでよい、ということなのでしょうか。 このように考えると、納得のような気がします。計算どうこうではなくてあくまで定義の問題。 しかし数学的枠組みからは脱しない(数学を拡張してる?)。超関数とか積分とか厳密な意味まで 理解してないことがつっかえる原因のような気もします。 このような理解でいいのかどなたかご意見くださるとうれしいです。初めに回答くださった rabbit_cat様ありがとうございました。