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2体問題
クーロンポテンシャルが存在する場で 2質点が衝突解を持つとき、衝突時に限りなく近づくとき、 引力と作用・反作用力が無限大に発散していくと思います。 このような場合、衝突前後の近辺でどのような挙動が起きるのでしょうか? また、このような場合におけるはねかえり係数について、 運動量保存 についてもご教授ください。 また、このような状況を考えるのは古典力学では限界で、 相対論や量子力学を使わなければならないということにもなってくるのでしょうか? 後、このようなことを考えると高校物理の運動量保存を使って衝突の問題を解くとき、 暗黙で万有引力が存在しないことを仮定していることに気づきました。
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点電荷のクーロンポテンシャル(というより電場)が距離0で発散するため、点電荷の自分自身に及ぼす作用を計算すると、種々の矛盾が生じます。これは量子論と繰り込み理論によって改善しましたが実は現在においても完全な解決に至っていない問題なのです。しかし他の粒子との相互作用を考えるときはクーロンポテンシャルが発散してもあまり問題はないように思います。2粒子の電荷の符号が同じ時、反発力である程度以上近付けないというのは分かりやすいと思いますが、実は電荷の符号が異なる時にもある程度以上近付けないのです。これは直感的には、速度が大きくなると遠心力で2粒子を引き離す力が働くと考えれば良いのではないかと思います。それでクーロン力が働く2粒子の衝突を表わす式は電荷の符号が同じでも異なる場合も同じ式(ラザフォードの公式)になります。また量子力学でも古典論と全く同じ微分断面積になることはよく知られています。ランダウの量子力学には粒子が落ち込んでしまうためにはポテンシャルはクーロンポテンシャルより特異性が強くなければならないことが示されていたと思います。クーロンポテンシャルは近距離よりは遠距離で問題を起こすポテンシャルとして知られていると思います。重力が電磁相互作用と同程度の強さになるのはプランク長さ10^-33 cm 程度と言われています。現在の加速器では到底この距離まで近付けることはできません。しかし場の量子論では、荷電粒子の周りではvirtualな粒子の対生成が起っています。そのため電磁相互作用が古典論と違ってくるだけでなく、強い相互作用でハドロンを生成することもできます。実際強い相互作用をしないレプトンの衝突がクオークジェットの研究に用いられています。(つまり重力は考慮しなくて良いが強い相互作用は考慮しなければならないことになります)
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- grothendieck
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量子力学と繰り込み理論で全てが解決と言うわけではありません。ランダウ学派は量子電気力学の限界についても論じています(正しいかどうかは分からない)。個人的にはこちらの方が趣味ですが、ご質問の趣旨から離れ過ぎてしまうので二つの点電荷の間の相互作用の問題に戻りましょう。参考書を調べた所、相対論的量子力学のディラック方程式を電荷-Zeの作るクーロン場の下で解くと、Z<137でなければ矛盾が生じることが分かりました。したがって前回の回答で「他の粒子との相互作用を考えるときはクーロンポテンシャルが発散してもあまり問題はない」と書いた部分は訂正させて頂きます。またポテンシャルの大きな較差があるとクラインのパラドックスが生じることは昔から知られています。ここではそれより易しいが不思議にも見えることについてお話ししましょう。No1 の方は「同じ符号を持った電荷なら反発して跳ね返ります。」とお書きになっていますが、異なる符号の電荷だって反発して跳ね返ります。簡単のため、電荷-Zeを持つ原子核は動かないとし、電荷e、エネルギーεをもつ電子が衝突パラメーターbで入射するとします。散乱角θを古典力学で求めると b = Zα/(2εtan(θ/2)) (α=e^2) また微分断面積は dσ/dΩ = (Zα/2ε)^2 /(4sin^4(θ/2)) となりますが、これは量子力学でも全く同じ結果です(ラザフォードの公式)。この式はZの符号を変えても不変です。つまり散乱を見て電荷の符号が同じか異なるかは分からないのです。b→0とするとθ→πとなります。すなわち真正面からぶつかったものは真後ろに散乱されるのです。2粒子間に引力が働くからと言ってくっついたりはしないのです。
お礼
この問題は、相当難しい問題だったのですね なんと言っても、(物理的に意味あるものとして扱うことも視野に入れると、)相対論も量子論も関わってくるのですから、 当初の問題自体は、(解ける解けない別として、実際、一意に解けないようですが)純数学的には、成り立つでしょうけど、 古典論で対応できない以上、古典論 → 相対論、量子論 にパラダイムシフトを迫られるのだから、 物理的に意味ある問題として扱うために、問題の設定自体もパラダイムシフトする必要があるのでないかと思いました。 そういった意味で考えれると、この問題は、Rutherford散乱に引き継がれるべき問題と見ることができるでしょうか? もし、そうでしたら、この問題を打ち切り、そのようなRutherford scatteringの問題に継承させたいと思います。
- onakyuu
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同じ符号の電荷をもった質点なら反発して途中ではね 返ります。エネルギーが保存しているのではね返り係 数は1です。 ちなみに運動量は常に保存します。 違う符合の電荷の場合は有限時間で衝突します。 衝突した場合何が起きるかは力学の知るところでなく 質点として近似した粒子の性質によります。 仮に質点同士が衝突せずに通りぬけるとするとどうな るでしょうか。それを特には微分方程式を立てて計算 する必要があります。 微分方程式で書くとすると (d^2x)/(dt^2)∝-1/x となるのですがx=0でリプッシツ条件を満たさないの で数学的には一意に解けないように見えます。 これは質問者も指摘している発散によるためにです。 物理ではその辺の数学的な厳密性にはこだわらない でエネルギーの保存の原理を用いて通り過ぎた後の 軌道を計算するような気がします。 また、電磁気の問題で万有引力(重力)を考慮しない のはそれが電磁気力に比べてかなり小さいからです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 1つ勘違いしていたことがありました。 クーロンポテンシャルと言う言葉の意味は電磁気による ポテンシャルのことをさしているというが正しくて ニュートンの万有引力によるポテンシャルのことまで 一般的に指しているわけではなかったのですね。 ですが、これについては、本質的な違いとまでならず, この問題に関しては,差し支えないのですね? ご回答者様からは接近距離の極小値を0に近づけた場合の極限として理解しようとする考えが伺えます。 それは、数学的には 一意に解けない と思われることに 現実的には,考えなくても上手くやっていけること と 捉えておれられるのだと理解できました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 1つ勘違いしていたことがありました。 クーロンポテンシャルと言う言葉の意味は電磁気による ポテンシャルのことをさしているというが正しくて ニュートンの万有引力によるポテンシャルのことまで 一般的に指しているわけではなかったのですね。 ですが、これについては、本質的な違いとまでならず, この問題に関しては,差し支えないのですね? 一応、インターネットで調べたら「クーロン型ポテンシャル」と言う言葉を見つけました。 ご回答に関しては、 数学的には 量子論と繰り込み理論というものを使えば 一応解ける問題にできる、しかし完全な解決には至っていないことに、 現実的には,やはりミクロの世界になることから量子力学や 統一理論の枠組みで考えるとそのような発散の状況自体 回避されるものと理解することができました。 また、むしろ自己相互作用という別の問題の方が重要であることを理解しましたが,詳細は理解できませんでした。 これからも勉強していきたいと思います。 高校生の段階でこのような事を疑問に思い追求しようとすると土壺にはまってしまいそうです。 むやみやたらに、興味を持ちすぎるのも考えた方がよろしいでしょうね? 気をつけたいと思います。