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軌道角運動量0のラザフォード散乱

クーロン型ポテンシャルでの粒子の散乱を考える時、ポテンシャルが斥力型なら散乱されることは分かりやすいですが、ポテンシャルが引力型でも微分断面積(ラザフォードの公式)は全く同じです。引力が働いているのになぜ中心に落ち込まずに散乱されてしまうのかについて私は動径方向には遠心力ポテンシャルL^2/(2mr^2)があり、r →0 ではクーロンポテンシャルより優勢になるからという説明を考えました。しかしこの説明も何だか怪しいように思います。軌道角運動量が0でない場合は良いとして軌道角運動量が0の場合はどうなるのでしょう。S波についても少なくとも低エネルギーでは  e + p → n + ν + ν-  (ν-は反ニュートリノ) のような反応が起こるのではなく、ラザフォードの公式に従って散乱されると思います。S波はなぜ原子核に吸収されないと考えたら良いのでしょうか。

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  • shkwta
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回答No.1

このページの真ん中あたりにあるQ&Aは役に立ちますでしょうか? http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/qa_a65.htm

grothendieck
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。ページの真ん中あたりにあるQ&Aというのは軌道電子が原子核に落ち込まないとか、電子と陽子の反応が起きないというあたりでしょうか。エネルギーの低い束縛状態でも原子核に落ち込まないのだから、エネルギーのより高い散乱状態ならなおさら落ち込まないと思いますが、引力しか働いてないのに斥力が働いている場合と全く同じ様に跳ね返されてしまうのはなぜなのでしょうか。

grothendieck
質問者

補足

前期量子論と後期量子論の違いの一つは前期量子論では基底状態に軌道角運動量1が割り当てられていたのにたいし、後期量子論では基底状態の軌道角運動量は0となっていることです。そのため、前期量子論では「電子はなぜ電磁放射でエネルギーを失わないのか」ということになるのですが、後期量子論では基底状態の電子はそもそも原子核の周りを回っていません。遠心力が全然働かないのになぜ落ち込まないのかと言えば、不確定静原理によりr=0の位置に留まることができないからだと思います。紹介して頂いたサイトで  「  p + e → n + ν では、質量のエネルギーだけで比較すると、右辺の方が左辺より   Δmc2 = 0.78 × 10^6 [eV] だけエネルギーが大きくなっています。水素原子の基底状態のエネルギーは -13.5[eV] ですから、陽子と電子を中性子に変えるには5桁も不足することがわかります。」 とありますが、この説明は少々おかしいように思います。もし束縛状態のエネルギーの絶対値がもっと大きければ左辺のエネルギーはより小さくなり、反応はよけい起らないように思います。散乱状態であれば自由に高いエネルギーを与えることができるので、上記の反応を起こすことができると思います。なお、原子核の種類によってはK electron capture が起きることが知られています。

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