- ベストアンサー
資本コスト(有利子負債)
資本コストのひとつである有利子負債に関して質問します。幾つか本で調べて見ましたが、どの本にも有利子負債=借入金の金利コストは損益計算書で費用になるので税金分だけ実質上割安になるという説明があります。例えば借り入れ利率が4%で税率が40%の場合、実質金利は4%x(1-40%)=2.4%となるとのこと。これがどうもよく分かりません。確かに税金の計算上は金利分が損金の一部となり節税効果があることは分かりますが実際は4%の金利は金利として払うわけですから、加重平均資本コストを計算する際に有利子負債において節税分を控除した形で資本コスト(の一部)とするというのがピンときません。どなたか分かりやすく説明頂ければ助かります。宜しくお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
例えば、2000万円の売上高の増加が見込まれる投資に対する資金調達を考えてみましょう。 必要投資額は、1000万円とします。 資金調達の方法は、1)借入の場合、2)増資の場合、の2つを考えます。 借入の利率は4%、法人税率は40%とします。 1)借入の場合 売上高増 2000万円 負債利子 40万円 営業利益 1960万円 法人税 784万円 2)増資の場合 売上高増 2000万円 負債利子 0万円 営業利益 2000万円 法人税 800万円 上記のとおり、法人税の支払額は、1)借入の場合の方が、16万円少なくなってます。 つまり、40万円利子を払ったが、16万円分は逆に支払を免れた、と考えます。 従って、実質的なキャッシュアウトは40万円-16万円=24万円です。 つまり、2.4%ということになります。 このように、支払を免れた分(節税分)を差し引くわけです。
その他の回答 (3)
- mfuku
- ベストアンサー率50% (173/345)
お返事が遅くなりまして、すみません。 補足部分への回答です。 > となりキャッシュアウトの合計は824万円(40+784)となる。損金算入されない場合は法人税は800万円となりキャッシュアウトの合計は840万円(40+800)となる。 > 損金算入されない場合と比較しているので(つまり法人税額が800万円の場合と比較しているので)実質金利額は824-800=24万円となり、2.4%となる。 そうですね、その解釈でも問題ないと思います。 もしも利子が損金として認められない場合は、法人税+利子=840万円となり、それと比較すると16万円節税できたことになります。 従って、実質的な負債コストは2.4%となります。
お礼
ありがとうございます。お蔭様ですっきりしました。
- Chuck_GOO
- ベストアンサー率64% (1018/1586)
mfukuさん(No.1&2)のご回答に補足です; katokomさんは実際の支払(キャッシュアウト)に注目されて疑念を呈してらっしゃるかに思われますが、 資本コストの片一方である株主資本コストについては、実支払という意味では更にヴァーチャルなものといってよいと思われます。 コスト、といっても、実際の支払配当額のみを指すのではなく、「リスクプレミアム」という概念を用いて、株価の上昇含めて、投資家から見た「キャピタルゲイン」全体を指してコストとしているわけですから・・・ あくまでも資本コストは、資金調達にあたってのコスト算定の1つの概念、として捉えるのがより妥当かと思われますが、いかがでしょうか? ----- なお、このあたりを含めた、資本コスト全般に関する説明を、1つ1つ噛み砕くが如く丁寧にしている本として、「企業価値入門」(渡辺康夫・松村広志著、東洋経済)が参考になると思われます。もしよろしければお目とおしください・・・。
お礼
Chuckさん、どうもありがとうございます。早速ご紹介頂いた本を探して読んでみます。
- mfuku
- ベストアンサー率50% (173/345)
#1の者です。 たわいもないことですが、一部訂正します。 【誤】営業利益 ↓ 【正】経常利益 もしくは 【正】税引き前利益 です。 本論には関係ありません。
お礼
どうもありがとうございます。大変参考になりました。可能であれば補足の部分への回答もお願いします。
補足
mfukuさん、どうもありがとうございます。私なりに次のように解釈してみましたがいかがでしょうか。 借り入れの場合の例において、 損金算入される場合(mfukuさんの例と全く同じです) 売上高増 2000万円 負債利子 40万円 税引前利益 1960万円 法人税 784万円 となりキャッシュアウトの合計は824万円(40+784)となる。損金算入されない場合は法人税は800万円となりキャッシュアウトの合計は840万円(40+800)となる。 損金算入されない場合と比較しているので(つまり法人税額が800万円の場合と比較しているので)実質金利額は824-800=24万円となり、2.4%となる。 こんな解釈でよろしいでしょうか。