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『白鯨』
この作品のテーマ(主題)は何なのでしょう?白鯨とは何の象徴なのでしょう? 歴史に残るような作品に対しては、いろんな解釈があってしかるべきで、正解はないと思いますが、それを承知の上で、みなさんのご意見をお聞きしたいと思います。 私自身は、「運命に対する人間の敗北」を描いた作品だと思っているのですが(簡単に言えば、ですが)、みなさんはこの作品、どう読みますか?
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- sophia35
- ベストアンサー率54% (637/1163)
こんばんは。 私見は、「体制への挑戦と敗北」ですかね。 抑圧的社会ルール・道徳観・倫理感と言ったもの(概ね父性にも通じるかもしれませんが)、それがモビーディックであり、それに対して、打ち破るべく戦いを挑み、結局は飲まれていってしまう「挑戦者」の哀しさを描いているのだと感じました。 ある意味、白鯨は「父親」そのものかも知れないかも・・・
- sci-fi
- ベストアンサー率45% (11/24)
テーマは「人は神を克服できるのか?」ではないでしょうか。 白鯨は強大な神、エイハブは神に楯突く者の象徴に思えます。 冒頭に集められた鯨に関する膨大な記述の羅列には、 神格化された鯨が見え隠れしますし、 白という色には正義、潔白、超然としたものといったイメージがあります。 それに、船出前の教会での神父の説教は無意味とは思えないですし・・・
- hanpty
- ベストアンサー率13% (12/88)
『時代に後れた男』かな。 陸の獣であれば銃を使えば簡単に狩る事ができる。 また、人を襲う類の獣ならエイハブはただの正義の味方になってしまう。 そこであえて狩りにいかなくてもよい海の生き物、銃が通用せずに銛をぶち込むしかない野蛮な狩の獲物として白鯨が選ばれたのではと思っています。
- kaitaradou
- ベストアンサー率8% (102/1147)
人間は,元来無意味である、そとの世界に自分の頭の中の世界を重ねることによって、外の世界にいかにも意味があるように(意図的に)錯覚しようとします。このことによって,自分の存在理由を見出したと(これも意図的に)錯覚しようと試みます。この錯覚が虚妄であることを外の世界から知らされるのははじめからわかっているわけですが、人間には,この錯覚によってのみ存在できるという原理的な宿命があります。エイハブにはただの鯨が白くも巨大にも見えたのではないでしょうか?ちょうどドンキホーテにとって風車が怪物に見えたのと同じように。恐らく生きている人は誰でも、そのひとにとっての白鯨を見ているのではないでしょうか。競馬新聞が白鯨である人だって沢山います。私にはこのサイトが白鯨かもしれません。く
- 安房 与太郎(@bilda)
- ベストアンサー率27% (228/822)
わたしは、中学のころに《自伝》を書く決意をして以来、いくつかの 書物を下敷きにしました。かくして《白鯨》冒頭の“百科全書”ふうの 引用形式を模倣して、全体の構想を示すことができたのです。 masa-yu さんの質問には、うまく答えられませんが、つぎの一節が、 この作品を象徴的に語っていると思います。ただし、どの部分に書かれ てあったか、なかなか再発見できないでいます。 ── 大きなもの、真正なものは、仕上げの笠石を後世にのこす。神よ、 私が何事も片づけてしまいませぬように。 ── 紀田 順一朗《世界の書物 19890320 朝日文庫》P285 わたしは、すぐれた文学作品は、論じるために書かれたのではなく、 ひとりで考えるために書かれたと思います。エイハブは、われわれ自身 の心の中にある深い謎のまま、存在しつづけるのではないでしょうか。
- apple-man
- ベストアンサー率31% (923/2913)
パトリック・スチュワートっていうアメリカの 俳優さんが、白鯨が好きみたいで、 映画版の白鯨のリメイク版でエイハブ船長を 演じています。因みにグレゴリーペックも 特別出演してるんですが。 パトリック・スチュワートさんは アメリカのSFテレビシリーズ スタートレック・ネクスト・ジェネレーション シリーズで、宇宙船エンタープライズ号の ピカード艦長役として有名なんですが、 その映画版、ファースト・コンタクト でも白鯨の例え話が出てきます。 ここでは鯨ではなく、異星人ボーグと ピカード艦長の戦いとして描かれて いるのですが、彼の演技、引用の 仕方を見ていると、 ★復讐心はどんなに優れた知性の持ち主の 判断も狂わせてしまう。 ★退却することが真の勝利である場合もある。 ★勝利以上に大切なものがあることを 絶対忘れてはならない。 という事のように思えます。 >白鯨とは何の象徴なのでしょう? 人生最大の敵、ライバル、あるいは 人生最大の夢 全てを捨てて、戦いを挑んでしまう ような極限状態全てを、白という 漠然とした色の、ある意味まれな 白鯨という形で登場させているように 思えます。 勝利しか心に無かったので、結局全てを 失うことになった。
お礼
みなさん、ご回答ありがとうございます。 私は最近、この小説を読みました。たいへんにすぐれた作品だと思ったのですが、まわりに読んだという友人があまりいませんし、いても文学云々の話はほとんどしませんので、こちらでみなさんのご意見をお聞きしたいと思い、質問した次第です。 私がお聞きしたいのは、繰り返しになりますが、この作品のテーマ(主題)は何なのか、ということです。ですから、ワンフレーズで「これだ」とスパッと言い切れるのでしたら、長文の回答でなくてもかまいません。もちろん長文も歓迎ですが。 これぐらいの作品になると、いろんな見方があってしかるべきですので、当然ですが、正解のようなものを期待しているわけではありません。「あ、そういう見方もあるんだ」と目をひらかせてくれるような回答を期待しつつ、いましばらくこのボードをあけて置きたいと思います。