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冠詞・不定冠詞・それらが付かない場合の区別
とある作品の題について、ふと気になったことがあります。 題名は「In Library」なのですが、 Libraryは可算名詞で、辞書の用例を見ても Peter is studying in the library.(ピーターは図書館で勉強をしている。) と、theがついています。 In Library というのは文法の面からして特に問題はないのでしょうか。あるいは何か別の意味合いが出てくるのでしょうか。
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また少し考えてみたので書かせてください。ただ、ご質問の趣旨からそれるかもしれませんが、専門家ではないので、文法的な正確さはあまり期せません。感覚的レベルの回答です。以下、よろしければお読みください。 前回ご紹介したサイトページを一通り読んで感じたことなのですが、英単語は基本的に、日本語単語より抽象性が高く意味が多様だと思います。例えば、日本語の「図書館」という言葉(この言葉自体「図」「書」「館」という複合語で、" a building which holds drawings and writings "ということなのですが)は、それ自体でかなり意味を特定していますが、英語のlibrary は、その言葉自体の意味としては「本のあるところ」で、具体的な意味内容としては以下の如く実に多様です。 図書館、図書室、(個人の)書庫、書斎。 資料室、調査部。 蔵書、収集図書、文庫。 知識の宝庫、情報源。 (図書に限らず、情報媒体の)収集、コレクション。 双書(シリーズ)。 (コンピュータの)データやプログラムのファイル。 《英》チケット取扱店。 (以上、Yahoo!辞書を参照) このような多様な意味を具体的な内容に結びつけるのが、冠詞・無冠詞・複数形といった指標であり、形容詞をはじめとする様々な修飾語であり、文の構造、ひいては文脈といったものだと思います。 ですから、"in the library"ということばが、前回述べたような理由により定冠詞を省略され、"In Library"になったのだとしたも、それが実際どんな意味を指しているのかは「謎」です。今の語義を振り返ってみるだけでも、次のような意味が想像されます。 「(いつもの、おなじみの)図書館で」 「図書館につとめつつ」(アルクに"activity in library”という用例あり) 「書斎にて」「本にかこまれて」「蔵書から」「資料室より」などなど。 いずれにしろ、多様な解釈を許す、はだかの原型としての言葉が、冠詞をまとって具体的な意味内容に結び付けられていくという過程が第一にあり、次いで「慣用」「日常」「親密さ」の圏内において、定冠詞をつけるまでもない関係性から(ですから、定冠詞が省かれる関係性というのは、深い信頼関係だと思います)冠詞が省かれ、言葉がはだかの原型にもどりつつも特定の意味を担い続けるという過程が第二にあるように思います。 もう一つ思うことは、はだかの原型の言葉を用いることで、特化される前の、その言葉の原義に立ち返る効果があるのではないかということです。例えば、amphipolis さんが「働き」という言葉で説明されていることにそういうものを感じてしまうのです。"the church"は特定の教会という「建物」、客観的な形を持った「場所や施設」を意味しますが、"go to church"というと、「礼拝」というその本来の働きの方へ内容が帰っているとも表現できます(たぶん「建物」の無い church の時代もあったのでしょうから)。("the job of firefighter"についても、同じようなことが言えないでしょうか?「職業」「地位」「役職」という意味は、"the job"が肩代わりしてくれているので、firefighter はその「消火」という仕事の内容そのものを指しているように感じます) "the library"も、「建物」「施設」としての形を持った「図書館」を意味するように思いますが、建物がなくても本と職員と利用する人があればそれは立派な"library"だとも言えます。十分にそこで「はたらき」が為されているからです。そう考えると、"In Library"は「本の森の中で」みたいなニュアンスでも有るのかなと考えたくなりました。 冠詞を省いた形は、映画のタイトルなどでもよく見ることがあります。最後に、その例を少し見てみたいと思います(某サイトからランダムにタイトルを拾わせてもらいました)。まず、定冠詞を伴ったタイトルから。 THE PIANO THE PELICAN BRIEF THE HOUSE OF THE SPIRITS THE CLIENT THE RIVER WILD THE AMERICAN PRESIDENT THE TRUTH ABOUT CATS & DOGS THE FAN THE ARRIVAL THE ISLAND OF DR. MOREAU THE FIFTH ELEMENT THE RING 次に冠詞の省かれた形のタイトル例です。 CLIFFHANGER ON DEADLY GROUND TOMBSTONE WOLF CLEAR AND PRESENT DANGER DISCLOSURE OUTBREAK LITTLE WOMEN CITY HALL COURAGE UNDER FIRE INDEPENDENCE DAY AMERICAN BEAUTY 個々のタイトルのニュアンスはもちろん、百種百様だと思いますが、一見して、上段のグループのタイトルは明確さが感じられませんか?(もっとも総称用法的な使い方も多いのですが) それに比すと下段のグループは、意味の範囲が曖昧な代わりにその言葉の原義を訴えてくるようなニュアンスが私には感じられました。例えば、"Wolf"は"The wolf","The wolfman"でも内容と矛盾しないと思うのですが、"Wolf"となっていることで何か「狼の血」や「血筋」のようなものを私は感じます(文法的に私の感覚が正しいのかどうかは分かりませんが)。また、"Little Women"(若草物語)は原作のタイトルですが、"the little women"である四人姉妹を指すとともに、「若き乙女たち」と、より広い表現を当てているような気がいたしました。 「冠詞を外すことの効果というものも、タイトルにはあるのではないか」ということです。 おじゃましました!
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- tomo_bu
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英語圏でも、出版物のタイトルは、目に入る印象を優先に、デザイン的やスペース確保の理由で、冠詞を付けないようです。 おそらく、題名は「In Library」で、その作品の本文には、冠詞が付けられていると思います。
お礼
そういう事情もあるのですね。
- amphipolis
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in libraryと言う表現に問題が有るか無いかと言えば、無いと思います。ただ、なぜこの場合冠詞が使われていないのかを特定するには情報が少なすぎてできませんが…(No.3さんが仰っているように地名かもしれません)。 しかし基本的にはNo.2さんの説明に私も同意します。話者が名詞の指す内容と何らかの関係を持つ場合(身近に感じている場合)に冠詞は使われません。これはin townやin classなどの表現からも分かります。 I went to town yesterday.(町の付近に話者が住んでいる) We arrived at a town toward evening.(話者の知らないある町) Sharp heeled shoes are not permitted in house. (話者にとっては身近な自分の家。No.2さんの言う「前提」) またgo to schoolやlate for schoolのように「働き」を表した場合には冠詞は使われませんし、「the job of ~」や「the position of ~」などの表現と一緒に使われた場合も、後続する名詞が「働き」を表すのは明らかなので、冠詞は不要です。 the job of firefighter the position of commander 他にも冠詞が用いられない場合はたくさんありますが、今回のin libraryに関しては図書館を身近なものとして話者が捕らえているという解釈が一番妥当だと思います。 この「働き」という概念を、日本語の「場所」と「場」の違いに当てはめることがあります。 [働き] 討論会は議論の場だ [位置] 討論会はこの場所で行われる これと同じような働きを冠詞の有無が行っていると考えても良いでしょう。 a house(生活の場所) house(生活の場)⇒ keep house(「所帯をもつ」の意)
お礼
なるほど。。分かりやすい例をありがとうございます。
- Shimo-py
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どういう文のタイトルなのでしょうか。 普通に考えれば、間違いです。 No. 2さんのご回答は非常に参考になります。 興味深く読みました。 実情として、そういう英語が出てきているんですね。 ただ、出版物としては失格のレッテルを貼られる英語であることも確かです。go to school や at school や in church、 by boat などは確立していますが、in library という表現は確立していないからです。 どういう文のタイトルなのか、と私が冒頭に書いたのは、次の理由にあります。 (1)どこかで見つけた英文を利用した日本の出版社の編集者がタイトルをつけた場合。こういう場合におかしな英語が出てくることは多いです。 (2)寓意物語である場合に(たとえば Goodman という人物が出てきたり、Evil という人物が出てきたりする)、Library が地名・国名として用いられている場合は、In Library というタイトルはあり得ます。(※Library が地名として出てくる寓意物語があるのかどうかは知りませんが…) (3)インターネットなどカジュアルな環境で出会う英語の場合。 インターネットや、チェーンメールなどは、冠詞などの使い方がいい加減です。(その意味でインターネットを使った英語学習は好悪両面がある) (4)事務的な英語。 事務的な英語では、「こいつ大丈夫か」と思われる英語をネイティブの人が使うことがあります。イギリスの古本屋と連絡をとったとき、"Book is available" という返事が来たことがあります。(言うまでもなく、The book is available. が正しい。) これらのどれにも該当しない場合、つまり通常の出版物で「図書館にて」とか「図書館内で」という意味のタイトルである場合、文法としてアウトです。 タイトルを見て、「あれっ?」と思ったkistuneさんの文法力(あるいは英語的勘)は、とてもしっかりしたものだと思います。
お礼
うーむ。出版側、書く側の事情もあるのですね。内容は小説のようです。
グーグルで検索すると、"in a library"で197件、"in the library"で1100件、"in library"で729件のヒットがありました。"in a library"という言い方は、例えば、図書館の望ましいあり方を考えた場合に「あるひとつの図書館で…」と言った仮定表現をするように、使い方が限られていることが想像されます。また、"in library" のページから "in the library" のページに移ると、がらっと印象が変わるように感じましたが、それはやはり「建物」や「施設」という意識が強くなるからではないかと思いました。"in library"で見られる例は、ほとんどが「図書館」というのは前提条件で、その業務やサービス内容の詳細について述べたものが大半のようです。"library"は前提であり、日常であると言うことだと思います。 以前にも書いたことがあるのですが、定冠詞の"the"は、対象を「特定」「指定」する代わりに、対象とのある程度の「距離感」を示していると思います。ですから、日課や職業のように、日常のものとなり、「指定」のしるしを付すまでもなく「前提」になって来たときに、"the"は消えていく傾向にあるのではないかと思っています。 tokoさんの書かれていることに、なるほどなあと思わせられたのですが、よく知られた似た例として、go to school, go to church, go to bed, be in hospital, play piano(ピアニストが自分で話す時に)と言った慣用表現が挙げられると思います。 ですから、"In Library"というタイトルから想像されるのは、(1)図書館関係者が図書館での業務や経験、日常を語る内容。(2)主人公は一般者であるけれど、話者や登場人物にとって、おなじみの親しみのある図書館が舞台となっているストーリー。と言ったことです。 同じ理由から、そのlibrary が話し手にも聞き手にもおなじみのものになっている場合、日常会話の中でも"in library"という言い方はあるのだろうと思います。 その人の生活の中で当たり前で疑い得ない前提となっているものについては、the は消えていく傾向にあるのではないかというのが主旨でした。始終呼ぶ名前にtheが付いているというのは、わずらわしいことでもありますものね。 以下サイトページの後半部分、よろしければご参考に。 http://homepage1.nifty.com/eigogakushu/eigo7.htm
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 奥が深いですねぇ。そうそう一義的に決まるものではなく、話し手などとの距離感も表現されたものなのですね。
- toko0503
- ベストアンサー率36% (886/2437)
こんばんは 可算名詞がしばしば大文字表記で 固有名詞のように扱われるものがあります。 father や mother も a father , my mother 等が一般的ですが 自分の親のことや、家庭内での会話には、しばしば Father told Mother about me. などのように書かれる場合があります。 物語の中で、どこにでもある(どこでもいい)一般の図書館というのではなく、 何か意味的にある種の重要性を持つ(例の/その)「図書館」にて…… ということなのではないでしょうか?
お礼
迅速な回答ありがとうございます。 Father,Motherの例は、どこかで見たことがあるような気がします。なるほどです。
お礼
すごく納得できました。題名にも、具体的な図書館の他に個人の蔵書など、多様な意味合いを含ませているのかもしれませんね。 …皆様、ありがとうございます。