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複素数と平方根の問題(パラドックス?)
突然ですが、高校数学IIの問題です。(a/b=a÷b) (1) √(-2)×√(-3)=? (2) √(-27)/√9=? 教科書を見ると、以下のように解いています。(i:純虚数) (1) √(-2)×√(-3)=(i√2)×(i√3)=-√6 (2) √(-27)/√9=(i3√3) / 3=+i√3 しかし、次のような解き方を行ったとします。 (1') √(-2)×√(-3)=√[(-2)×(-3)]=+√6 (2') √(-27)/√9=√[27/(-9)]=√[3/(-1)]=√3/i=-i√3 教科書で書いてある方法と比べると、最後の答えの符号が違っているので、これは間違っているのでしょうね。 何をやったかというと、正の数に限らないaとbに対して、 (☆) √a × √b = √(a × b) , √a / √b = √(a / b) を実行したのです。分数で、負符号は分母にあっても分子にあっても良い筈[27/(-9)=(-27)/9]です。(2')ではこのことを利用して、分子にあった負符号を分母に移動させました。 どうして、下の方法はダメなのでしょうか? 負の数a、bに対しては(☆)は成立しないのでしょうか?
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この疑問は、大学1年になって複素関数を勉強するまでは、解決のしようがないですね。 高校範囲では、「そういうものだ」、と思うしか仕方がないです。 先生に質問して困らせるというのも面白いかもしれません。といっても高校範囲では納得いく答えは絶対に得られないですが。 上の質問 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1093455 を見てもらえれば分かりますが、 本当は、複素数の範囲まで考えると√xは、 「2つの値を同時に取る」 というちょっと変な関数なんです。 そこでは、(☆)も問題なく成立します。 普通は、実数関数は、 「同じ形の複素関数の定義域と値域を実数に制限したもの」 なのが普通です。 実際、整関数(n次関数)、e^x、log(x)なんかはみんなそうです。 ところが、実数関数の√x (x>0)は、 「xの平方根のうちの正のほう」 という定義になっています。 これは、 「複素関数√zの定義を実数に制限したもの」 になっていません。これが問題の原因です。 つまり、実数関数√xを、値域が実数に収まるx>0の範囲だけを考えているうちは、 「xの平方根のうちの正のほう」 という定義で矛盾は生じないのですが、 √xでx<0を考えると、もはや実数関数ではなくて複素関数と考えざるおえません。そうすると、たとえば √(-4) は、{2i,-2i}という2つの値を同時に取ることになります。
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- yaksa
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いわずもがなな気もしますが、つまり、 (1) √(-2)×√(-3)=? を、 (1') √(-2)×√(-3)=√[(-2)×(-3)]=+√6 と計算するのが駄目なのは、 (-2)×(-3)=6としている(つまり普通の複素平面を考えている)のに、複素関数√zを1価の関数と考えているからです。 http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=1093455 の#10さんの言葉を借りれば、 ・点r*exp(iθ)とr*exp(i(θ+2nπ))を同一の点だとする代わりに、多値関数という気持ち悪いものを許容する ・点r*exp(iθ)とr*exp(i(θ+2nπ))が異なる点だと考える のどちらかしかないと思います。
- yaksa
- ベストアンサー率42% (84/197)
#10の補足について。 リーマン面で考えれば、(☆)は成立します。 たとえば、 (1) √(-2)×√(-3) については、 -2=2exp(iπ)、-3=3exp(iπ)なんで、 (☆)の左辺 √(-2)×√(-3)=√2exp(iπ/2)×√3exp(iπ/2)=√6exp(iπ)=i√6 (☆)の右辺 √(-2)×√(-3)=√((-2)×(-3))=√(2exp(iπ)×3exp(iπ))=√(6exp(2πi))=√6exp(iπ)=i√6 です。 リーマン面では、 (-2)×(-3)=6exp(2πi)≠6 です。つまり 負数×負数=正数 というのが成り立ちません。 高校では、なんとなく 『高校の時はk=0すなわち,主値として√(-1)=iと定義している』 としているのだと思いますが、これでは、どうやってもどこかに矛盾が生じると思います。
お礼
なるほど、ありがとうございました。
- Rossana
- ベストアンサー率33% (131/394)
#10の補足について どうやらお礼,補足の欄を拝見した所,高校生の方ではないようですね.大学数学レベルの知識を持った方とお見受けします. 僕もmtnohrさんの意見になるほどと思いました. #5最後の方で定義したn√zについて 『argzの主値(-π<θ≦π)をとり,かつk=0にとったときのn√zの値をその主値』とするようですが, √(-1)=cos(π/2+kπ)+isin(π/2+kπ) はi,-iの2つの値をとりますが,『高校の時はk=0すなわち,主値として√(-1)=iと定義している』ということになるのでしょうかね.みなさんどう思われますか.
- bttf2003
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#4です。「補足」の >そもそも、右辺がベクトルで左辺がスカラー量で書いてある時点で違和感がありませんか。 ベクトルをすでに勉強しているんですね。 それだったら、おかしいと思ってしまいますよね! 私の √(-2)=(√(+2),i) は、正式な数学の記述法ではありません。だから、右辺はベクトルを意味していません。 他の方も書いているように、複素数が2価関数であるということを言いたいだけで、Y軸は、0か、+i、-i の3つの値しか取らないと仮定しているのです。(これは高校数学では、「複素数は2価関数」とは教えてくれないと思っているからです) その点では、右辺と左辺を=で表示するのは、「インチキ=うそ」を回答したかもしれません。お詫びいたします。 しかし、私の狙いは質問者さんに伝わったようですので、結果オーライ(これは死語かも)だとも感じてます。 また他の回答者の方々への「補足」や「お礼」を読んでいると、数学上で、難しいこともご存知のようなので、「もっとまともに回答を、していたほうがよかったな」と後悔しています。
お礼
いえいえ、とんでもございません。有り難うございます。 >「もっとまともに回答をしていたほうがよかったな」と後悔しています こちらで努力しますので、どうぞ「まともな」回答をご寄せ下さい。お願い致します。
- gonic
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確かにこの計算は矛盾です。 そしてそういった矛盾が生じないように計算方法・規則を決めおり、その計算方法・規則が教科書に書いてあるはずです。 なぜ(1')、(2')のやり方がダメかと言えば、その計算方法・規則に(1')、(2')は従っていないから。 こういう回答に納得がいかないからこそこの質問をしてるのだと思いますが、こういうことは虚数・複素数以前にもあったはずです。 例えば、次のような関数f1、g1を考えてみます。 f1(x)=√x g1(x,y)=x・y これを使うと、 (a、bを正数とする) {√(-a)}・{√(-b)} = g1(f1(-a),f1(-b)) ――(*1) √{(-a)・(-b)} = f1(g1(-a,-b)) ――(*2) と書け、質問は g1(f1(-a),f1(-b)) = f1(g1(-a,-b)) は一般に成り立つとは言えないのか? なぜダメなのか? ということになります。 ここで、ちょっと別の関数f2、g2を見てみます。 f2(x)=1/x g2(x,y)=x+y これを使って(*1)、(*2)と見掛けがそっくりな形を考えてみます。 (f1→f2、g1→g2と置き換え) g2(f2(-a),f2(-b)) = 1/(-a)+1/(-b) ――(*3) f2(g2(-a,-b)) = 1/{(-a)+(-b)} ――(*4) この(*3)、(*4)に対して g2(f2(-a),f2(-b)) = f2(g2(-a,-b)) ――(**) は一般に成り立たない と言われたら、やはり納得がいきませんか? そんなことはないでしょう。 ((**)は分数を習いたての頃によくやる失敗ですよね。) いずれも計算方法・規則は矛盾が生じないように天下り的に与えられており、それに必ず従わなくてはならないという点では同じなのに、f2、g2のときは納得できるが、f1、g1のときは納得できない……。 それこそ不合理じゃないでしょうか?
お礼
ありがとうございました。 分数の場合、(1/a)+(1/b)=1/(a+b)をやってはいけないのは、天下り的に与えられた規則に反しているからではなく、分数というものの正しい理解に至っていないことが原因ですよね。この場合、直ぐに矛盾点を指摘することができ、(1/a)+(1/b)≠1/(a+b)が誰にでも納得できる筈です。 今回の質問も、結局は自分の理解不足が原因なんですけど、こういう逆説的なことを考えることで、理解が深まるものと思っています。 だから、分数の場合は理解できて今回の場合が理解できないことは、不合理だとは思えませんし、「計算の規則がそうなっているから」では『深い理解』は期待できません。
- Rossana
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ここの議論も参考にして下さいね.
- bttf2003
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#4です。(2)の問題で計算途中を省略したため、答えが間違っています。申し訳ありません。 √(-27)=(√(27),1*i) √(9)=(√(9),0*i) √(-27)/√(9)=)=√(27/9)*(+i)=+i√(3) が正解です。 しかし、この場合は素直に √(-27)/√(9)=)=(√(27)*√(-1)/√(9)=(3√(3)*i) / 3=+i√(3) と、した方が分かりやすいと思います。
- Rossana
- ベストアンサー率33% (131/394)
√の中身がプラスでも複素関数としてとらえると 2価の関数になり, √2=√2, -√2 √3=√3, -√3 となりうるので(なんか変な感じだけど), √2√3=√6, -√6という2通りの結果になります. 実数関数なら1価なので, √2√3=√6と一通りに決まります. ですから, (☆) √a×√b=√(a×b) , √a/√b=√(a/b) は実数関数のみについては常に成り立ち,複素関数では常に成り立つとは限らないということになるのでしょうか.
- Rossana
- ベストアンサー率33% (131/394)
#1です.結論から答えましたが,大学で習う複素関数を導入して何故かということを考えてみましょう.なんとなくは分かると思いますので. α=|α|{cos(a+2kπ)+isin(a+2kπ)} β=|β|{cos(b+2kπ)+isin(b+2kπ)} √α=√|α|・{cos(a/2+kπ)+isin(a/2+kπ)} √β=√|β|・{cos(b/2+kπ)+isin(b/2+kπ)} ここで,k=0,1です. よって, √α√β=√|αβ|・[cos{(a+b)/2}+isin{(a+b)/2}] (注;2kπはあってもなくても等価なので省略しました.) 一方, √(αβ)=√[|αβ|{cos(a+b)+isin(a+b)}] (4kπは無視) √(αβ)=√[|αβ|{cos(a+b+2nπ)+isin(a+b+2nπ)}] √(αβ)=√|αβ|・[cos{(a+b)/2+nπ}+isin{(a+b)/2+nπ}] (n=0, 1) n=0のときは√(αβ)=√α√βですが,n=1のときはそうはなりませんね. 例えば, √(-2):|α|=2,a=π √(-3):|β|=3,b=π として √(-2)√(-3)=√6・[cos{(π+π)/2}+isin{(π+π)/2}] =√6・(cosπ+isinπ)=-√6 √{(-2)(-3)}=√6・[cos{(π+π)/2+nπ}+isin{(π+π)/2+nπ}] =√6・{cos(π+nπ)+isin(π+nπ)} =√6, -√6 このように√6は実数関数では1価でしたが,複素関数では2価になってしまいます. 一般に,複素関数として n√z=n√r[cos{(θ+2kπ)/n}+isin{(θ+2kπ)/n}] (k=0, 1, 2, …, n-1) となります. 今,一度説明してみたのですが,なぜかの説明にあんまりなっていない気が….
- bttf2003
- ベストアンサー率37% (230/614)
高校数学IIでは、複素数の正確な定義を教えてくれなかったと思います。 大学の数学の教科書を見るとすぐに分かるのですが、複素数は、一次元ではなく二次元で表現されます。これを複素平面といいます。X軸が実数の直線、Y軸が虚数の直線です。 だから、複素数は必ず、2つの数の組み合わせで表します。 例えば √(-2)=(√(+2),i) √(-3)=(√(+3),i) とあらわされ √(-2)×√(-3)計算は、X軸の数同士を掛け算し、 Y軸の数同士を掛け算します。するとX軸の計算は √(2*3)=√(6) Y軸の計算は i*i=i^2=-1 (なぜならば、定義による。なお-1はX軸上にあることに注意すること)よって √(-2)×√(-3)=(√(6)*(-1),0)=-√(6) となります。 同様に(2)の問題も、X軸の数同士を割り算し、Y軸の数同士を割り算すると √(-27)/√9=(√(3),-i)=-i√(3) となります。(この計算で(0,0i)以外は、割り算が可能なことに注意すること) もっと、詳しいことは「大学生用教科書」の複素数平面に関する説明を読んでください。 なお、この計算方法を高校のテストに書くと0点をもらいますから、注意して下さい。 (私は、高校の先生と論争をして、正解の○をもらいましたけれど)
お礼
ありがとうございました。
補足
しかし、√(-2)=(√2,i)というのは、変な気がします。そもそも、右辺がベクトルで左辺がスカラー量で書いてある時点で違和感がありませんか。√(-2)を複素平面上の点と見なそうと思うならば、(X,Y)=(0,√2)となる気がします。実軸どうし虚軸どうしを書けるというのもピンと来ません。 しかし、積√(-2)×√(-3)の「意味」を複素平面上(X,Y)で考えることには、はっとさせられました。正しい計算(1)では何をやっているかというと、i=exp{+iπ/2}なので、虚軸上にある点(X,Y)=(0,√2)を√3倍して伸ばし、純虚数iを掛けることで、複素平面上を正の向き(反時計回り)にπ/2だけ回転させる、そうすると(-√6,0)という実軸上に来る。そういうことなんですよね。
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お礼
ありがとうございました。
補足
z:複素数、w(z)=√z 多価関数というのは扱いにくく、きちんとした数学的取り扱いができるのは1価関数だけですよね。だから普通はどうするかというと、リーマン面を用意して複素平面を拡張するか、あるいは簡単な対処法としては、複素平面に切断を入れることで、複素数zの偏角を制限して、このzが分岐点の周りをぐるぐる回るのを止めさせる。そうすれば1個のzに対して1個の関数値w(z)が対応するから1価関数で扱える筈です。 つまり、√(-1)を+iで定義しているのは、偏角を制限していることになる訳ですよね。 一度、偏角を制限したら、その後で「 √(-4) が、{2i,-2i}という2つの値を同時に取ること」はできないと思うのですが...