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遺伝子の検査で、
例えば、あるDNA配列の分かっている病気があるとして、その保因者かどうか調べるにはどんな検査・実験をすればよいのでしょうか? できるだけ具体的に知りたいです。
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まず調べる人から組織を採取し、DNAを取り出します。私が使ったことがあるのはAGPC法という方法です。次にPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法という方法を用いて目的のDNA断片のみを増幅させます。これは短時間で効率よく目的のDNAのみを増やす方法です。増幅したDNA断片をプラスミドベクターに組み込み(ライゲーション)、作製した環状プラスミドベクターを大腸菌に組み込みます(トランスフォーメーション)。大腸菌は培養液中に入れておくとどんどん増えていくのですが、このとき同時に組み込んだプラスミドベクターを極めて正確にコピーしていきます(約一億個に一個のミスコピーができるといわれています)。そして大量に増やした大腸菌を遠心機で集め、アルカリミニプレップ法という方法を用いて大腸菌を溶かし、中にあるプラスミドベクターのみを回収します。そしてダイターミネーション法という方法を用いてDNAを処理した後、シークエンサーと呼ばれるDNAの配列を決定する装置を用いると目的のDNA断片の配列が決定されます。 すでにわかっているDNAの配列と決定したDNAの配列が異なっているか比べれば疾患の有無がわかるでしょう。しかしながらDNAはタンパクにおけるアミノ酸の並び方を示した設計図であり、DNAの配列が異なっているからといって必ずしも疾患があるとは限りません。これはDNAの三つの並びでアミノ酸一つの並びを決定しているためで例えばメチオニンというアミノ酸は一種類のDNAの並び方で示されるのですが、セリンというアミノ酸は六種類のDNAの並び方で示されます。よってDNAの並びをアミノ酸のならびに置き換え比較しなければなりません。 長くなってしまいましたがこの方法を用いれば一週間あればわかるでしょう。 さらに詳しく知りたい場合はお知らせください。
お礼
詳細な説明どうもありがとうございました。 難しい用語もちゃんと丁寧に説明して下ったので、 だいたい分かりました。 あとはシークエンサーの装置について、 自分で調べたら解決出来そうです。 参考になりました。ありがとうございますっ!