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量子テレポーテーションと私の運動の違いは?
私は、量子の世界では、自分が物体としてみているものも量子が点滅(エネルギー状態の変化)している映像のようなもの(現象:水の波紋や水中の泡)にすぎないとイメージしていました。 だから、私がこっちからあっちに動くのも、こっちの量子の点滅があっちの量子の点滅にかわっただけ(パソコン画面上のアイコンや電光掲示板のように)だとイメージしていました。 自分という物体があって実際に動くのではなくて・・。 だから、最近の量子テレポーテーション実験に成功というニュースを聞いて、あっちの点滅がこっちの点滅に変わるなら、私が毎日やってるよ、と思ってしまいました。 どこに間違いがあるのか教えてください。
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テレポーテーションという言葉のせいでSF的なものを連想させてしまうのですが、量子テレポーテーションは多分みなさんの想像とかなり違うものです。 きちんと理解するにはどうしても量子力学の知識(それもいわゆる波動関数だけではなく、行列形式の知識)が必要なのですが、イメージだけでもつかんでいただくために、例え話をします。 まず、白黒の画素が並んでいるディスプレイを想像してください。各画素は、見た場合、点灯している白か、消灯している黒のどちらかの状態だけが観測されるものとします。(つまり、グレーを見ることはない)この白と黒が量子力学でいうところの固有状態というものに対応します。量子力学では、これを|白>および、|黒>と表現します。 量子力学では、この実際に見ることのできる固有状態の他に、重ね合わせ状態というものがあります。重ね合せ状態にある画素を見ると、白か黒、必ずどちらかを見ることになりますが、どちらを見るかは確率的で、その時々で違います。ただ、同じ重ねあわせ状態にある画素をいくつも用意して、見てみると、白を見る場合の割合(つまり1から黒を見る割りあいを引いたもの)が一定していることがわかります。この重ね合せ状態は、量子力学では |重ね合せ状態>=a|白> + b|黒> と表現します。ただし、aとbは確率に関係する量です。このaとbは一回の測定で決定することができません。画素を見てしまい、白だったとわかると、その瞬間に画素の状態は|白>に、黒だったとわかるとその|黒>に変化してしまいます。また、たとえば白だったとわかったとして、もともと、100%の|白>だったのか、白と黒の重ね合せだったのかを知ることは不可能です。 量子テレポーテーションとは、画素を見ずにAさんからBさんに重ね合せの情報、aとbを伝える技術です。 Aさんが画素を見てaとbを決めることは不可能ですから、見た結果を電話で伝えることはできません。 量子テレポーテーションでは、まず、あらかじめ2台のディスプレイ(白と黒を表現できるもの)を準備しておきます。また、この2台の間にエンタングルメントという関係をあらかじめつけておきます。言ってみれば量子の糸でつないでおくようなものです。 そうしておいて、AさんとBさんがそのひもがついたディスプレイをあらかじめ一台ずつ持っておきます。 次にAさんはBさんに送りたい画素を表示しているディスプレイとAさんが持っているディスプレイを量子の糸でつなぎます。そしてこの状態でAさんはディスプレイの画素を見ます。この時点で、すべての量子の糸が切れます。また、白、黒の結果を得るのですが、これはもともと送りたかった情報そのものではありません。 次にAさんはBさんにその見た結果を普通の電話で伝えます。Bさんは電話で教えてもらった結果をもとに、自分の持っているディスプレイを見ずに、ある操作をします。この操作にはいくつかの種類があり、Aさんに教えてもらった情報に対応した正しい操作をする場合に限り、Aさんが送ろうとした画素がBさんのディスプレイ上に再現します。これでテレポーテーションは完了です。 ---- このたとえ話で伝えたいこととして ・量子テレポーテーションをしたければ、あらかじめ量子の糸でつながれたもの(エンタングルした状態)を準備しておく必要がある ・画素そのものを送るのではなく、あくまで状態のみを送るということ ・Bさんのディスプレイで表示できないようなもの、たとえば青色などはテレポーテートできません(準備しておいたエンタングルメントした量子状態で表現できるもののみ転送できる) でしょうか。二つの箱を用意しておいて、一方に人を入れてテレポートさせれば、空気しか入ってなかったもう一方の箱から人が出てくるというようなものではないということです。
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- nzw
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人間のような巨視的な存在も、基本的に量子力学的原理に従って運動しているでしょうから、あなたが歩くという行為も重ね合せや、波束の収縮、場合によってはエンタングルメントといった量子力学的現象が関与しているのは間違いないでしょう。 でも、人の運動というのは上記量子力学でないと現れない概念を持ち出さなくても、基本的には古典力学の範疇で説明できてしまいます。 ところが、量子テレポーテーションというのは、エンタングルメントや観測による波束の収縮といった量子力学でないと説明できない現象である点がもっとも異なるわけです。 なお、量子力学でないと説明できない現象は従来から多々観測されてきたわけですが、量子テレポーテーションでは、それを人為的に、しかも人類に許されている範囲内でもっとも精密に近い制御をしている(状態ベクトルのユニタリー発展の制御と、観測)という点も重要です。この点、同じく量子力学でないと説明できない半導体トランジスターやレーザーダイオードの制御とも異なるわけです。
量子テレポーテーションというのは、少なくとも質量エネルギーや、運動エネルギーなどが移動するのとはワケが違います。 量子テレポーテーションが、エネルギーの移動であるならば、「光速を超えられる」というあの説明は筋が通りません。 よって、量子テレポーテーションと、エネルギーが移動することはちょっと違うのです。
- fd3s_love
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同じだと思うのなら、1mでも100mでも良いので、ある程度離れた距離へと一瞬で移動してみてください。
お礼
ありがとうございます。 知識がないので補足質問したいのですが、 右に傾けていた体を一瞬で左に傾ける(30cmくらい)のではだめでしょうか。 それくらいの距離なら、筋肉の力と物理法則にしたがってできます。 ということは、量子テレポーテーションというのは、物理法則(光の速さ未満で伝わる、因果関係が連続した現象)では不可能な場所とのテレポーテーションということでしょうか。
お礼
ありがとうございます。 さらに補足質問したいのですが、 私が次の瞬間に、同じ場所にいる確率と、別の全然離れた場所にいる確率は、どちらもゼロではないけれど、宇宙の時間の中では後者の実現はありえないほど確率が低いので、私は次の瞬間もここにいる、とイメージしています。 量子テレポーテーションは、確率を操作した(変えた)のでしょうか。 (知識がないので素人イメージで語っています。ご了承ください)