- ベストアンサー
量子化学計算_対称な分子構造を作るには
- 量子化学計算用の入力ファイルを、左右対称な形でつくる方法を教えて下さい。
- 非対称ということは最適化がうまくできていないと考えていいでしょうか?
- 計算条件で、対称になるように条件を制限することはできるのでしょうか?できるならその方法(chem3Dなどのソフトの操作方法)を教えて頂けないでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
左右対称な安定構造(?)を求めるのは、あまり簡単ではないと思います。 というのも、構造式(平面に描いたもの)が対称でも、実際の安定構造は非対称ということはよくあるためです。 得られた構造が安定構造か否かを確かめる場合、まずは振動計算をして虚数振動がないことを確認するのが良いと思います。 Gaussianならキーワードfreqで計算し、出力ファイルをテキストエディタで開いて"frequencies"で検索すると振動数(FT-IRのwave number)が出力されている部分が見つかります。 そこに ****** 1 imaginary frequencies (negative Signs) ****** といったメッセージがあれば安定構造ではないです(上の例では虚数振動が1つあります)。 その場合は再度、構造最適化してください。 わりと多くの場合、もう一度optを実行すればうまくいきます。 それで駄目なら、一部の結合長をわざとずらしてから、再度optで最適化すれば安定構造が見つかることがあります。 何度やっても駄目ならopt(CalcAll)を使うと、かなりの長時間を要しますが、安定構造が見つかることもあります。 計算結果の信頼性に関しては、実測値が手に入る分子に関して計算・比較するしかないと思います。 (目的物質の実測値が無いようなので、それに近い物質で計算・比較し、そこから推測) ただ、有機化合物に関しては、B3LYP/6-31+G(d,p)で無難な値が出るように感じています。 (すべての分子に関して最善の手法というわけではないですが、逆に大外れすることもありません) なお、Gaussianに関しては以下の資料がとても参考になると思います(ネット上で公開されています)。 和佐田祐子、和佐田裕昭「分子軌道法計算プログラムGaussian03」その1~その10 阿部孝俊「Gaussian03を用いた31P-NMR化学シフトの計算」 http://www.aspronc.org/pdf/jisedai_3-ippan/CCWS3_2-03-01.pdf ChemStation「有機化学者のための計算化学」 http://www.chem-station.com/yukitopics/keisan.htm 書籍だと 平尾公彦「すぐできる量子科学計算ビギナーズマニュアル」講談社サイエンティフィック(2006)
お礼
ご回答ありがとうございました。 お礼が遅れて、大変申し訳ありませんでした。 すぐできる量子科学計算ビギナーズマニュアルは大学の図書館にありました。