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サラリーマンの確定申告
年収2000万円を超えたサラリーマンには確定申告の義務があるとのことですが、なぜ2000万円を超えると会社で年末調整をしてもらえず、自分で確定申告をしなければならないのでしょうか。 また、その際、通常会社の年末調整に申請する扶養控除等々の他、経費として申請できる科目はあるのでしょうか。
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もう一つのご質問を忘れてました。すいません。 >その際、通常会社の年末調整に申請する扶養控除等々の他、経費として申請できる科目はあるのでしょうか。 原則としてありません。普通は給与所得控除のみです。逆に所得が高いばかりに認められない控除もあります。例えば、 寡婦(夫)控除 所得合計500万円以下 http://www.taxanser.nta.go.jp/1170.htm http://www.taxanser.nta.go.jp/1172.htm 老年者控除(平成17年分より廃止) 所得合計1000万円以下 http://www.taxanser.nta.go.jp/1165.htm 配偶者特別控除 所得合計1000万円以下 http://www.taxanser.nta.go.jp/1195.htm などです。なお給与による年収2000万円である場合の所得金額は、1,730万円です。 http://www.taxanser.nta.go.jp/1410.htm それとは別に給与所得の金額とは関係なく、給与所得者の特定支出控除という制度があります。 http://www.taxanser.nta.go.jp/1415.htm このページに限定列挙された経費項目に関してその合計が給与所得控除の額を超えた場合、超えた分だけ控除の上乗せを認めましょう、という制度です。この制度を利用して節税に成功したのは10年間で数十人といいますから、ほとんど当てにはなりません。昭和41年に提起された、いわゆる大島訴訟の第二審ではサラリーマンの必要経費たる概念が認められなかったことから考えれば、このような制度の創設は大きな進歩と言えなくもありませんが。
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- poor_Quark
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現代の税制は自己決定権の考えのもと、納税者ごとの申告納税制度の概念がその根底にあります。戦前(第二次世界大戦以前)は、所得税に関しては賦課課税制度が一般的でした。税額は業種業態規模などもとに「お上」が決めていたと言いますが、戦後、いわゆるシャウプ税制が開始されると状況は一転します。サラリーマンであろうとなかろうと、所得税の税額は納税者が自分で計算し申告し納税することが当たり前になりました。 ただしサラリーマンの場合は源泉徴収制度や年末調整制度があり、勤め先が本人のかわりに所得税に関する税務の完遂をすることが求められています。シャウプ氏が来日した折りには、税務当局は世界にも希なこの年末調整を含めた源泉徴収制度の存続に腐心した事実をなにかの書物で読んだ記憶があります。考えてみれば税理士でもなんでもない、下手すれば昨日入社した新入社員に、たいした守秘義務の徹底もなく、他人の申告書をさわらせるようなもので、むしろ現在の年末調整制度のありかたがおかしいと言えなくもありません。 話が横道にそれましたが、ことほど左様に所得税に関しては自分の申告は自分で行うことが本来のあり方で、源泉徴収義務者がすべてやってしまうことの方が例外的だとも言えます。 給与所得が他の所得と違う大きな特徴は、それが「勤労」によってもたらされたということです。例えば事業所得は事業主の「資産」と「勤労」によって得られたと考えることができますが、給与でもある程度所得の金額が大きくなれば、勤労によるものという概念から少々はずれてきます。 例えば時給600円程度で働いていた私のようなものの労働は管理者の監督のもと、だれでもできる簡単な作業の繰り返しによってもたらされます。一方大金を「給料」としてもらう人の場合は、管理者の監督よりも本人の特殊で秀でた能力のもとに行われる価値生産の果物(かぶつ)であり、給料の形をとってはいるが、生産の結果の分け前という実態が強くなるという性質があります。 今の税制ではそのボーダーラインを2000万円と定め、前段で申しましたように、本来の申告納税制度に従って自己申告することを要求しているのだと考えます。
お礼
歴史的な背景を含めての原則的な考え方、大変勉強になりました。ありがとうございます!
お礼
追加のご回答、本当にありがとうございます! 年収2000万円を超えたら、個人開業して会社と契約したほうが節税になるかもしれませんね...。もっとも会社員としての利点は他にも多々あるとは思いますが。このようなシュミレーションはFPの方の専門になるのでしょうか。しかし税制度は複雑ですね。