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ハミルトニアンの用途について
ハミルトンの正準方程式は、古典力学の分野において、具体的にどのような使い道があるのでしょうか? ハミルトンは保存量であり、運動エネルギーと位置エネルギーの和を示すということは分かるのですが、だったら何なのでしょうか?物体の運動を考察する時にどのように役立つのでしょうか?もしくはそれについて書かれている専門書などを教えて頂ければ幸いです。 ご教授のほどよろしくお願いします。
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- ereserve67
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回答No.1
小出昭一郎「解析力学」(物理入門コース2)岩波書店(1983)に記述のある説明より。 「正準形式は、量子力学の定式化に重要な役割を果たしたのですが、もともと天体力学において開発された数学的技術です。2体問題のような厳密に解けるモデルではケプラーの法則のような綺麗な法則に従いますが、実際の天体運動では、他の惑星の影響を受けてこのような法則からずれた観測結果が得られます。これを理論的に調べる道具立てとして、作用変数や角変数を用いたのです。これらは天文学者だけが用いる古典力学の奥義のようになっていました。 標準的な専門書としては、次のようなものがあります。 ・H.Goldstein(野間進・瀬川富士訳)「古典力学」(物理学叢書11)吉岡書店(1959) ・E.T.Whittaker(多田政忠・藪下信訳)「解析力学」(上・下)講談社(1973) なお、専門書として、前期量子論に関連する古典解析力学の名著としてはは、次のようなものがあります。 ・ボルン(M.Born)の「原子力学」 ・ゾンマーフェルト(A.Sommerfeld)の「原子構造とスペクトル線」 しかし、これらは量子力学が完成した後は全く時代遅れのものです。」