へえ。それは存じませんが池上彰さんともあろうお方が「日本神道はそもそも宗教ではない」ということも分かってないのでしょうかね。
宗教には必要な三種の神器があります。それが「教祖」「経典」「儀式」です。仏教におけるブッダ、キリスト教のイエス、イスラム教のムハンマドといったように宗教には教祖というカリスマが必要です。創価学会は教祖ではないですが、池田大作というカリスマがいます。そのカリスマ(教祖)の存在が信者の求心力になります。
「経典」は、その宗教の教えを説くものですね。お経、聖書、コーランです。
また宗教を権威づけるために「儀式」は必要ですよね。儀式を行うことで我々は神聖な気持ちになれます。
神道はこのうち「儀式」しか存在しません。経典も教祖もないのです。で、明治国家神道では教祖代わりのカリスマとして天皇を担ぎました。これは軍隊の忠誠心の対象としても必要でした。江戸時代の武士はそれぞれの「お殿様」に忠誠を誓っていたので、それを天皇に変えなければいけなかったのです。
だから国家神道を復活させたいと思ったら、今現在は存在しないカリスマが必要となってきます。そもそも教祖がいませんからね。それは誰かというと、天皇しか考えられません。でもまた「天皇を神様にする」のはどう考えても不可能です。21世紀の先進国で現人神なんてのは通用しないです。
ですからその本を読んでいないのですが、もし本当に池上彰さんがそんなことをいったのだとしたら、池上さんの宗教に対する知識は私以下なんだなと思わずにはいられないのが正直なところです。
佐藤優氏は、最近はやたらと創価学会と距離が近いので、創価学会が国家神道の復活を防いでいるというのは、学会員に対して肯定的な意味合いでいっているような気がします。「あなたがた(学会員)のおかげでそうなっているんですよ」というニュアンスでね。
私は彼は「とても優秀なWスパイ」だと思っているので、純粋な信仰心でそういっているのではなくて、何か裏の思惑があるのではないかと思わず勘繰ってしまいますが。