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冷陰極蛍光管のスローリークについて
- 冷陰極蛍光管のスローリークについて悩まされております。
- どこから漏れているかを特定する方法やスローリーク品の検出方法について詳しく教えてください。
- また、冷陰極蛍光管の品質管理方法についてもアドバイスがありましたらお聞かせください。
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>2の原因でスローリークをしている場合も、 >ヘリウムディテクタを使用すれば判定できる >ということで理解してよろしいのでしょうか? あくまでも石英ガラスとモリブデンのシールに関してとしてお受け取りください。 ヘリウムディテクタを使用すれば判定できるということはもう既にクラックが入っていると言うことです。 クラックが入る前に歪の大きな場所、特性を見極め、クラックが入らないことを保証しなければなりませんよね。これは非常に大変なことでした。 結局完全には無理でした。(石英の場合私には) 旭テクノガラスさんでは私の使っていた歪計より良い物もあるようです。(数値化ができるもの) クラックも気になるようでしたら歪計の検討もされてみては? 私のほうでクラックについても言及したのは以下の理由からです。例陰極管にも当てはまると思ったので触れてみました。 私の経験では製品が出来上がったばかりの時は非常に良い特性を示していても、熱衝撃が何度か加わるうちに何時の間にかクラックが入っている事がありました。 熱衝撃を加えなくても入っていることもあります。 更にそのクラックが入っている場所に口金が接着されていたりすると、封着部の密着不足なのかそれとも歪応力によるクラックなのか見分けがつかなくなることがあります。 口金を壊してみてクラックを見つけても口金を壊す時にクラックが入ったのではないかとも思えます。 ただ単にクラックを見つけることができずに封着部の密着不足と勘違いしたこともありました。
スローリークならば冷陰極蛍光管の電極とガラスの接合部が一番疑わしいのではないかと思います。しかしながら、スローリークの場所探しは専門の漏れ試験機をもってしても非常に難しい技術です。 漏れ試験機は、微小漏れにも対応できるヘリウムリークディテクターがあります。原理は、ヘリウムに特化した質量分析計で、被試験物を真空ラインに接続し、真空ライン内部の残留ガスの質量分析を行ないます。このとき、外部からヘリウムガスを吹きかけ、もし漏れがあればそれを検知します。漏れ量は標準リークとの比較によって算出します。ULVACなど、真空装置メーカーで作っています。 次にスローリークの判断ですが、おおよそ以下のことを考慮に入れて漏れ試験を行ないます。 ・スローリークと同様の振る舞いをするOリングや真空コンパウンドのヘリウム透過特性を十分調べておく。できればこうした物を使わないことが望ましい。 ・ヘリウムガスを吹きかける前に真空度を十分に確保する。真空層の壁からガス放出があるので、それらが十分少なくなるまで真空排気する。 ・漏れ試験機の出力を時間軸の長いペンレコーダーで記録し、バックグランドとの変化の違いを見つけやすくする。 おおよそ以上のようなものですが、これらを徹底しても、なかなかスローリークを判断することは難しいようです。できれば典型的なスローリークのものがあれば特徴がよくつかめると思います。 最後に、品質管理に関連してですが、ガラスと金属の製品ではスローリークの原因がほとんどガラスと電極の封じ部分で生じることから、この部分を組立てる前に別に漏れ試験にかけておくことをお勧めします。 研究室レベルではここで紹介した徹底した漏れ探しも成立ちますが、量産品として品質管理を行なうには費用と時間(人件費)がかさむので、それらのバランスをどう取るかは別次元の判断が必要だと考えます。
お礼
ご回答誠に有難うございます。 早速ヘリウムリークディテクタについてULVACに問い合わせてみます。
当方は石英ガラスとモリブデンの気密シールについて経験があります。 冷陰極管ですとシール方法が多少異なりますが、共通点は多いと思います。 スローリークの原因としては以下の二つが考えられると思います。 1.ガラスと金属の密着不足 ?加圧容器に被検査体を入れヘリウムガスで加圧し、数分放置します。 ?被検査体と取り出します。 ?分圧真空計又はヘリウムディテクタのついた真空容器に被検査体を入れ、ヘリウムの検出量を観察します。 上記の事を何個か行えば良品・不良品について行えば判定が出来るようになると思います。 ?→?はなるべく手早くやりましょう。 実験が終わったら自動化を考えた方がいいと思います。 2.ガラスの歪による微細なクラック 歪によるクラックの場合はかなり見つけるのが困難だと思いますが、「ガラス用歪計」という物が旭テクノガラスさんが商品化しています。 私には今ひとつ使いこなすことが出来ませんでした。 異なる膨張率の物をあわせれば温度変化によって歪が出るのは当たり前ですが、良い歪の出方と悪い歪の出方があるようです。 アニール条件・歪・クラックの3つの関係をうまく見つけることが出来ればよい検査方法が見つかるのではないかと思います。
お礼
ご回答誠に有難うございます。 ヘリウムディテクタについて調査してみます。 2の原因でスローリークをしている場合も、ヘリウムディテクタを使用すれば判定できるということで理解してよろしいのでしょうか?
お礼
再度ご回答誠に有難うございます。 saito様のご説明を受けて、スローリークによる不良品を省く検査はかなり大変であると感じました。まず先にスローリークの原因を徹底的に解明することから始めます。 歪計については大変参考になりました。 有難うございます。