まず、道徳と倫理を区別する必要があると思います。
何かあなたの言っていることを聞いていると、道徳と倫理を混同していると思います。
道徳は主観的・個人的なもので、私の「内面」の義務感によるもの、それに対して倫理は社会的なもので、社会の規範・ルールに基づくもの。いわば、習俗・習慣、生活様式・エートスによるもの、「外面」的なものです。
良く「罪」と「罰」と言いますが、「罪」は己の義務感に反した場合を言い、「罰」は社会の規範・ルールに反した場合を言います。
道徳と倫理の区別はそれと同じです。
倫理は教えられますが、道徳は教えられません。
なぜならば道徳は自発的・自律的でなければならず、他人がそれをしろと言われてするものではないからです。
それに対して倫理の場合は、だいたい他人のすることを真似していれば倫理に外れることはありません。
そしてカントの定言命法は道徳です、倫理ではありません。
「汝の行為の格率を普遍的な道徳法則に適うよう行為せよ」というのが定言命法ですが、それは自分の自分に対する命令だから、道徳です。
道徳について知りたかったら、カントの「道徳形而上学の基礎付け」というのが、光文社・古典文庫から、訳者・中山元の解説付きで出ています。
そして私は道徳については関心がありますが、倫理については関心がありませんので、倫理学の本なら、いっぱいありますのでそっちを読んでください。
お礼
ありがとうございます、確かに道徳と倫理は違いますね。