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商法 介入取引(つけ商売)について
介入取引(つけ商売)・環状取引の意味がよく分かりません。特に百選59事件でXのしていることが理解不能です。教えていただけませんでしょうか??
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百選にどのような事件が取り上げられているのか分かりませんので,何ともいえませんが・・・ (百選がこんなものを取り上げるというのも・・・) 勘定取引が成り立つ前提として,伝票売買という取引が世の中で結構広く行われているということがあります。普通売買というと,売主の在庫商品を買主が代金を払って買い受けるという取引をイメージします。同時履行の抗弁とか,瑕疵担保などというのも,このような取引が前提です。 ところが,企業間売買では,何かの商品を注文すると,商品は工場や大卸から直接に届くが,実際には,末端の販売店までの間にいくつもの商社が介在して,その間で,伝票だけが回って,少しずつ利益を上乗せしていくという取引です。日本の流通制度が複雑怪奇で不透明だということの一部をなしているものです。 これを利用して,大きな商社が,2,3の商社などを巻き込んで,自分が在庫として抱え込んでいる商品をある会社に売り,その商品を直接,または別の会社を介在させて買い戻すという取引が行われます。これが環状取引といわれるものです。 元の商社としては,在庫商品の仕入れ単価が上がるだけで,表面上は何のメリットもないものです。 しかし,一つには,これを資金繰りの手段として,系列会社を救済するために使われることがあります。商品を売るときには長期のサイトで売り(例えば代金支払時期を6か月先とする。),買い戻すときには即金とすると,系列会社はマイナス金利の金を6か月間運用することができるわけです。これは比較的ましな目的です。 これに対して,大手商社の担当者が,売り先と共謀して,売り先のマージンを自分にバックしてもらい,自分の儲けにするということもあります。勘定取引に組み込まれている会社は,伝票を回すだけで利益が落ちてくる仕組みですから,そのいくらかをバックマージンとしても大して痛くないことですので,勘定取引のスタート地点となる商社の担当者が,自分の借金を返す金を作るために,このような取引を企図することがあるわけです。 こうなると,背任か横領の犯罪行為になります。 さらに,大手商社としては,在庫調整のために行うこともあります。すなわち,期末に過剰な在庫があるときには,これを他の会社に売ったことにして在庫を減らしたように見せかけるということです。 この他にもいろいろの動機があると思いますが,とりあえず思いつくのはこのようなところです。
お礼
ご丁寧にありがとうございます。 どのような意味があるのかさっぱり分からなかったのですが、理解致しました。