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繊維の燃焼
ポリエステルを高温で加熱すると、まず軟化、次に液化、気化(熱分解?)、が起こりましたが、綿はいきなり焦げます。この違いはどこから来るものなのでしょうか? ポリエステルが液化していくのは、熱運動によるエネルギーが分子間力より強くなっていくからですよね?で、さらにエネルギーを与えると、共有結合がきれる熱分解が起こる。なぜ綿の加熱ではこの順番どおりに進まないのでしょうか?
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#2です。 基本的にはおっしゃっている内容で正しいと思います。 で、ご存知の通り、通常は結合エネルギーと分子間力を比較した場合、明らかに前者のほうが高いですね。ですから通常は融点<熱分解温度です。 ただ綿の場合は、非常に規則性が高い構造をしているのに加え、分子間水素結合も形成できますから、一般の樹脂(例えばポリスチレンなど)に比べて、分子間力はかなり高くなっています。加えて、分子そのものもでかい(=分子鎖一本の重量もでかい)ですからね。 このように、ポリマの主鎖構造の規則性が高いポリマで、かつポリマ鎖間で相互作用可能な基をもつポリマは、概して融点>熱分解温度となることが多いです。代表例としては全芳香族ポリアミド(アラミド)やポリアクリロニトリルあたりでしょうか。 高分子では、分子鎖一本一本という捉え方ではなくて、分子鎖の集合体という捉え方も必要になってきますよ。そのあたりが、また高分子の複雑なところです(^^;
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- koji59
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基本的には#1の方が書かれている通りです。 綿がいきなり焦げるのは、基本的には 融点(≒液化温度)>熱分解温度だからです。詳細にいえば、ポリエステルなどに比べ、綿はその構造から、熱分解開始温度が低いことも起因します。 注)固体の燃焼は、熱によって結合が切れ可燃性のガスを発生する過程(熱分解)と、そのガスが燃焼する過程(燃焼)とに分かれますので、ここでは、熱分解温度という表現にします。 低分子で分かりやすい例では、過酸化物やアゾ化合物ですね。これらは分解開始温度が非常に低いため、加熱すると固形のまま分解します。 高分子の世界では、融点が熱分解温度よりも高く、同様な現象がおこる物質は沢山ありますよ。
お礼
回答ありがとうございます。熱分解は共有結合がきれて酸化される現象で、融解は分子間力より熱運動のエネルギーが大きくなりつつある現象だと理解しているのですがこれでよろしいでしょうか? 一般的に分子間力と共有結合を比べたら共有結合のほうが強い→まずは軟化が起こるのが普通?と疑問に思ったんですが。
- freegeo
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燃焼とは熱エネルギーによる連続的な酸化反応と定義できます。酸素のない状態であれば、液体→気体となるでしょうが、周辺に酸素のある状態では先に燃焼反応が起こります。 発火点が、軟化点、融点よりも低ければそのようになるのではないでしょうか。 ポリエステルも繊維(固体)の状態で燃えますが、これは「引火点」以上の温度で周辺に炎があった場合です。
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回答ありがとうございます。熱分解は共有結合がきれて酸化される現象で、融解は分子間力より熱運動のエネルギーが大きくなりつつある現象だと理解しているのですがこれでよろしいでしょうか? 一般的に分子間力と共有結合を比べたら共有結合のほうが強い→まずは軟化が起こるのが普通?と疑問に思ったんですが。
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再び回答ありがとうございます。よくわかりました。