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金属酸化物の気体
どんな物体にも沸点というものがあって、金属酸化物も一定以上の温度になると蒸発していくと思うのですが、気化したセラミックスや金属酸化物は空気中でどのような形態で存在しているのでしょう。 蒸発とは即ち固体の結晶構造は分解されているがMgとOの結合は残っていて、MgO分子が熱運動している状態へと変化する、という認識で正しいでしょうか。 どなたかお答えしていただけたら幸いです。
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MgOという分子は確かに知られていますが、Mgのガスを何らかの酸化剤(N2Oとか)と反応させて気相で生成させるといった、非常に特殊な条件で発生させたものです。質問者さんが書かれているような、マグネシアを単純に昇華・蒸発させたようなものではありません。 なので、こうした特殊な分子を、”気化したセラミックスや金属酸化物”というのはおかしな表現と思います。 例↓ http://casey.brown.edu/chemistry/research/LSWang/publications/119.pdf ただし、私個人としては、質問者さんの発想自体はおもしろいものと感じます。 金属を細切れにしていくとどうなるか?セラミックスのような金属-非金属が無限につながったものを切り出していくとどうなるか?ということは興味深い問題だと思います。
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- phosphole
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>補足への回答(?) 固体状態の、酸化マグネシウムという化合物とは全く異なる結合・電子状態・性質を持ったものになります。 他の先生方がお書きになっていますが、NaClの固体と水溶液中のNaCl、あるいはプラズマになったNaClは全く違いますよね。それと同様です。 単結晶のシリコンと、分子状の”Si_n"(n:1~10程度)といったクラスターと呼ばれる化合物群は、組成の上では同じ"Si"になってしまいますが、モノとしては全く別ものですし、金属の固体と金属蒸気も全く異なる電子状態・構造・性質を持っています。 ただ、繰り返しますが、質問者さんのお感じになっている疑問はたいへん興味深いものと思いますよ。
補足
NaClの例で少し腑に落ちました。 完全に理解したわけではありませんが、こちらでももう少し勉強してみようと思います。 ありがとうございました!
- doc_somday
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>金属酸化物も一定以上の温度になると蒸発していく 大間違い、あなたは温度が意味することを誤解している。物質の安定状態は温度によって異なる。 早い話結合強度だ、だから金属酸化物も「分子に近いもの」と「イオン結晶に近いもの」がある、 前者には沸点があるが後者には無くイオンに分かれてしまう。 残念ながらMgOは知らない。非常に面倒だ、あなたは気圧を無視したが、気圧が低ければ「分子」 に近い行動が起る可能性が上がる。 いずれにせよあなたは余りに「勉強不足」だ、部厚い無機化学(上、下)読んでいないらしい、 どれでも良いから読みなさい、それからで無いと「相図」さえ議論出来ない。
補足
回答ありがとうございます。 そうですね、専門外ということもあって確かに勉強不足です。 あなたのおっしゃる通りMgOが蒸発というものに違和感を感じたため本質問をさせていただきました。具体的には 「MgOの沸点が4000KであるのにMgOの解離反応が3700K(エリンガムダイアグラムから得られた値)ということは、気体となった段階で全ての結合が切断され、MgとOの混合気体に過ぎず、もはや酸化マグネシウムという気体ですらなく、そのような相の変化(還元反応)にも蒸発と言っても良いのだろうか」。 ということです。ちなみに私は全て真空を想定していました。
- leo-ultra
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このことを考える前に、次のことは正しく理解されていますでしょうか? 「分子が集まってできた固体とそうでない固体がある。」 水はH2O分子が集まってできた液体です。 だから、コップで水をすくうと、H-Oまでは入ったが最後のHはすくえなかったなんてことは起こらない。 常にH2O分子が単位になります。H2O分子が固化したのが、氷です。 それでは岩塩NaClはどうでしょうか? NaClという2原子分子はありません。 Na^+がプラスのイオンになって、それに引かれてマイナスのイオンであるCl^-が6個、その周りを 囲んでさらに、その外にNa^+が多数取り囲んで、NaClの結晶ができるわけです。 イオン結晶というやつです。 対して、氷はH2Oをユニットにするので、分子性結晶とも呼べそうです。 水を加熱しても100℃くらいじゃ、H2O分子は分解しません。だから、H2O分子をユニットとして、 気体になります。 NaClはどうだろう。 質問に戻りますが、MgOなんて2原子分子は存在しません。イオン性結晶に近い。
補足
回答ありがとうございます。 そうですね、確かにMgOといった2原子分子は存在しません。 しかし確かに沸点というものは存在し(3600℃)、何かしらの形態で気体として存在しているはずです。例えば水だと分子間力が切り離され分子が熱運動している状態になることは容易に理解できます。ではMgOではどうなのでしょうか。 MgOという分子が存在しないのであれば細かいMgO結晶がクラスタや粒子として存在しているのでしょうか。しかしその状態を気体と呼ぶことができるのでしょうか。 もしくはMgとOが完全に解離して中性粒子、更に温度を上げればプラズマ化すればそれは気体。しかしその状態はもはや酸化マグネシウムなどとは呼べないでしょう。
補足
回答ありがとうございます。 論文まで載せていただいてありがとうございます。 ということはやはり所謂「沸点」に達したものは、必ずしも酸化マグネシウムの形態をとっているとは限らない、ということですね。