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白熱電球の発光の原理は?
蛍光灯の光は励起によるものですが、白熱電球で 光が生まれる仕組みはどうなっているのでしょうか? また、火の光もどうなっているのでしょうか? やはり熱によって電子が様々に速度を変え(加速度) ることにより減速分のエネルギーが光子として出現す るのでしょうか? よろしくご教授ください。
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>減速だけでなく加速でも光が出るというのは理解できません。 >荷電粒子の持つ位置や運動のエネルギーの総和が減る事態になったときその差分が光となって出ていくと理解していました。加速したら荷電粒子のもつエネルギーは増加するのでは? では思考実験をしてみて下さい。 今仮に、箱の中に荷電粒子が入っていて、その荷電粒子は箱に対して静止していたとします。 ここでその荷電粒子に対して電場を作用させて箱の一方に向かって加速させ、箱に対する速度を1000m/sにしたとします。 この時、荷電粒子は加速された事になりますね。 ところが、もしこの箱が宇宙船内に設置されていて、宇宙船は地球に対して8000m/sの速度で、「箱の中の荷電粒子が加速された方向」とは逆の方向に向かって移動中だったとします。 この場合、荷電粒子は加速されたのでしょうか?それとも減速されたのでしょうか? 運動エネルギーは増えたのでしょうか?減ったのでしょうか? 加速したのか減速したのかという事や運動エネルギーが増えたのか減ったのかという事は、相対的な問題に過ぎず、荷電粒子自体にとっては区別出来る様な事ではありません。 荷電粒子にとっては、荷電粒子自体は静止していて、周囲が運動しているという状態となっている処に、その運動している周囲を構成している諸々の存在の中の1つから力を及ぼされて加速されたというだけの事なのです。 その時の運動エネルギーの差額分が光子のエネルギーになる訳ではありません。 差額分の全てが光子のエネルギーになったのならば、エネルギーの授受は荷電粒子と光子の間でしか行われていないという事になりますから、電場が荷電粒子に対して働いた仕事量は0という事になりますので、荷電粒子が電場とは無関係に勝手に光子を放出して加速したり、減速したりしたという事になってしまいます。 荷電粒子の運動エネルギーの差額分が光子のエネルギーになるのではなく、外部から加わった力が荷電粒子に対して働いた仕事量の一部が光子のエネルギーに転換されるのです。 (荷電粒子が持つ電荷自体によって荷電粒子の周囲に形成されている電場が周囲に及ぼす力を構成している仮想的な光子の一部が、加速運動に追従出来ずにその場に置いてきぼりにされる事で、仮想的ではない現実の光子となるのです) ですから、荷電粒子に力が加わって速度ベクトルが変化すれば、それが「その荷電粒子を観察している観察者にとっては」加速した様に見えるのか、それとも減速した様に見えるのかには関係なく、光子が生み出される訳です。
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- kagakusuki
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>つまり発光は、 >(1)原子軌道や分子軌道での励起でのエネルギー差分による発光 >(2)正負の加速により慣性の法則のように光子が振り落される事による発光 >の二つに大別できるのでしょうか? うーん、その2つを別のものとして大別してしまって良いものかどうかは微妙です。 何故なら、原子の周りを回っている電子が励起状態からよりエネルギーの低い順位に落ちるという事は、ある意味では原子核の陽電荷による力を受けて、原子核に近い位置に加速されたと見做す事も出来なくはないからです。
補足
軌道間の遷移は量子論的に瞬時(テレポーテーション)なので 加速とは違う現象だと思うのですが。
- kagakusuki
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回答No.2です。 >(1)光を生むのは電子だけでなく、電荷を持った粒子は全て? はい、電荷を持った粒子の全てです。 只、電子はイオンや原子核と比べると質量が極めて小さいため、同じ大きさの力が加わっても、電子に加わる加速度は非常に大きくなるため、生じる光子のエネルギーも高くなります。 それに対して、イオンや原子核は質量が大きい事により、電子ほどには加速されないため、生じる光子のエネルギーは、電子に力が加わった際に生じるものと比べて非常に弱いものにしかなりません。 >(2)荷電粒子の「振動」とは、運動の向きや速度が絶えず変化する事? 直線上で振動している場合における、振動の一方の端からもう一方の端へ向って運動している場合の様に、極短時間ではあるものの、運動の向きが変化しない時間帯もありますし、円運動や、旋回半径が一定のまま螺旋状に運動する場合などの様に、運動の向きは変わっても運動の速度は変わらない運動も稀にはありえますから、必ずしも絶えず変化しているとは限りません。 >(3)荷電粒子の向きや速度の変化において、加速ではなく減速の時にだけ光が生まれる? いいえ、減速の時も加速の時も、どちらの時でも光子が発生します。 >(4)励起ではその電子が属する原子の電場内での軌道という位置エネルギー的なものの差分が光になるが、 はい、その通りです。但し熱放射の場合、その位置エネルギー的なものを高くするために、熱振動の運動エネルギーが消費された事を忘れてはいけません。 >振動では運動エネルギーの減少分が光になる? いいえ、熱放射によって放出される光子が持っているエネルギーの元となったエネルギーは、熱振動の運動エネルギーですが、例えば吸熱反応によって減少する熱振動のエネルギーは光子にはなりませんし、熱伝導によって別の物体に熱振動のエネルギーの一部が移る事によって失わるものもありますので、一概に、運動エネルギーの減少分の全てが光になるという訳でありません。
補足
速効のお返事有難うございます。 減速だけでなく加速でも光が出るというのは理解できません。 荷電粒子の持つ位置や運動のエネルギーの総和が減る事態に なったときその差分が光となって出ていくと理解していまし た。加速したら荷電粒子のもつエネルギーは増加するのでは?
- kagakusuki
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まず高温の物体が光を発する仕組みについて説明させて頂きます。 熱運動によって物質を構成している原子や分子同士が衝突すれば、衝突のエネルギーで原子核の周囲を回っている電子が励起されます。 又、共有結合結晶の場合は結晶を構成している原子同士を結び付けているのは価電子なのですから、結晶を構成している原子が熱振動をするという事は、その振動を伝達するのも価電子という事になりますので、熱振動のエネルギーによって電子が励起する事になります。 この様にして励起した電子がよりエネルギーの低い軌道に落ちる際に、エネルギーの差額分が光子のエネルギーとして放出されます。 又、イオン性結晶の場合、電子の励起以外にも、結晶が陽電荷を帯びた陽イオンと陰電荷を帯びた陰イオンから成り立っていますから、それらのイオンが熱振動で振動するという事は、荷電粒子が振動するという事であり、振動は加速度運動の一種なのですから、荷電粒子が加速度運動する事による放射光が発生します。 金属は自由電子と陽イオンから成り立っていますから、電子の励起以外にも、イオン性結晶と同様に荷電粒子の振動によって放射光が発生します。 こうして熱振動によって生じた光子が、物体の内部でラマン散乱を繰り返す事で波長がずれて行き、プランクの法則に従ったスペクトルの光となる訳です。 蝋燭やランプの炎が明るく輝くのは、気化して蒸気となった燃料が高温で熱分解した上で、炎の内部の燃料蒸気が過多な領域で不完全燃焼を起こした際に発生する煤の微粒子が、炎の熱で高温となるため、前述の熱振動と電子の励起によって発光する訳です。 電球のフィラメントに電流を流しますと、フィラメントの内部の自由電子が電位差によってマイナス極側からプラス極側に向かって移動して行きますが、金属の内部には自由電子の他に陽イオンも存在しており、電子の流れは陽イオンの持つ陽電荷の電場によって力を受けるため、直進する事が出来ずに、ぐねぐねと曲がりくねった軌道を描いて移動して行く事になります。 電子に力を及ぼした反作用によって、金属中の陽イオンもまた力を受けて振動する事になり、金属結晶を構成している陽イオンと自由電子の双方が振動する事になるため、電流が流れると温度が上昇し、電流の強度が大きい場合には高温となって熱放射が発生する事になります。 【参考URL】 電気の歴史イラスト館 > 電灯照明の原理と歴史 > 電球の原理 http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/lamp/indclamp.htm 電気の歴史イラスト館 > ( 電気抵抗とは何か?) > 電気抵抗の原因 http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k4housoku/dennjiki/r8gennin.htm 励起状態 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B1%E8%B5%B7%E7%8A%B6%E6%85%8B 放射光 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E5%85%89 ラマン効果 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C プランクの法則 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
お礼
大変丁寧なご説明、助かります。ありがとうございます。
補足
確認したい事があります。 (1)光を生むのは電子だけでなく、電荷を持った粒子は全て? (2)荷電粒子の「振動」とは、運動の向きや速度が絶えず変化する事? (3)荷電粒子の向きや速度の変化において、加速ではなく減速の時に だけ光が生まれる? (4)励起ではその電子が属する原子の電場内での軌道という位置エネル ギー的なものの差分が光になるが、振動では運動エネルギーの減少 分が光になる?放射光もその一種?
- mitoneko
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解答そのもののページがあったので、紹介しておきます。 一度、読んでみてください。 http://stonewashersjournal.com/2014/07/30/lightsofhuman/
お礼
つまり発光は、 (1)原子軌道や分子軌道での励起でのエネルギー差分による発光 (2)正負の加速により慣性の法則のように光子が振り落される事による発光 の二つに大別できるのでしょうか?