- 締切済み
凝固点 融点 ヒステリシス について
凝固点とは、 液体が凝固し固化する温度のことを言い、相転移点の一種である。 ヒステリシスが無い場合には融点(固体が融解する温度)と一致する。 ここで、ヒステリシスが無い場合とあるのですが、ヒステリシスとは具体的に どういう事でしょうか? 高分子(ポリマー)は、融点と凝固点にかなり大きな差が現れますが、これは ヒステリシスが関係しているんですか? 以上、ご回答よろしくお願い致します。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- trytobe
- ベストアンサー率36% (3457/9591)
結晶性ポリマーは、実は「ガラス転移温度」(Tg) 以上 「融点」(Tm) 未満では、流動性を増すとは限らずに、むしろ分子鎖が動きやすくなって「結晶化する」のです。 これは、高分子ならではの性質なので、低分子の結晶だと理解できなくなる現象です。 ポリマーでは、「流動しないから変形しない」というわけではなく、グレーゾーンとして、「力を加えれば変形するけど融解はしていない」という温度帯があり、その温度帯が Tg から Tm の間であり、「融解していないけど加工できる温度帯」であり、「放置しておけば勝手に結晶化していく温度帯」でもあるのです。 そういう、固体と液体の中間状態があるので、その温度帯で結晶化が進んでしまい、むしろ硬くもろい状態になってしまう結晶性ポリマーがあるのです。(ポリオレフィンなど、側鎖が小さくて規則的な構造を持っているポリマーだとなおさら)
- trytobe
- ベストアンサー率36% (3457/9591)
ポリマーの場合、低分子の物質と違って、「熱がかかって分子が動きやすくなっているほうが、分子が並んで結晶化しやすくなる」という特性があるのがポイントです。 そのため、融点まで温度上昇させている間に、分子がバラバラに流れるまでの流動性を得る前に、一旦ポリマー分子どうしが結晶化でほぐれにくくなってしまっている、ということが結晶性ポリマーで起こり得るのです。 DSCの基礎 - 山形大学 http://polyweb.yz.yamagata-u.ac.jp/~morilab/infos/DSC.html 『: 融点の取り方 融点では吸熱ピークが観測され、厳密にはベースラインのシフトは起きない(実際にはよく動いたりするが・・・)。一般にはピークトップを融点(Tm)とするが、ガラス転移点のように融解開始側でベースラインと変曲点の接線の交点を取ることもある。融点は融解さ せた後に徐冷して、十分に結晶化させたものを測定すると、分かりやすくなる。また、測定時の昇温速度は遅いほうが一般的に見やすくなる。熱履歴に関する注意はガラス転移と同様。 :』 DSC は相変化のときの吸熱・発熱を測定できる装置ですが、サンプルをそのまま加熱して測定すると、1回目は冒頭のように、結晶化が進んでいる可能性があるので、その影響で融点が高く出ることがあるのです。 そこで2回目は、結晶化しないように一気に冷やしたもので2回目を測定するか、あえてゆっくり凝固させて結晶化できるだけさせてしまって測定する、ということで、「熱履歴による中途半端な結晶化の影響をなくして」ポリマーの熱特性を測定できるのです。
補足
ご回答ありがとうございます。 難しいです・・・ 具体的に例を挙げて考えてみました。 ポリプロピレンの融点は160℃程度、凝固点は120℃程度です。 >熱がかかって分子が動きやすくなっているほうが、分子が並んで結晶化しやすくなる ポリプロピレンは常温では固体だと認識しています。 これを加熱していって、160℃になると融ける。 160℃から冷却していって120℃になると凝固する。 例えば、融点以下の150℃でのポリプロピレンは凝固点以上だから、 固まりませんよね?融けた状態だと思います。 融点は160℃なのに・・・ これがヒステリシスという事ですか? すいません。全く理解できていません。 よろしくお願い致します。
- shintaro-2
- ベストアンサー率36% (2266/6245)
>高分子(ポリマー)は、融点と凝固点にかなり大きな差が現れますが、これは > ヒステリシスが関係しているんですか? でしょう ヒステリシスとは履歴現象のことで ある状態になるのに、それまでの経過が影響することです。 ΔCpが昇温と降温とで異なるような場合です。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/51/11/51_11_889/_pdf
補足
ご回答ありがとうございます。 >ポリマーでは、「流動しないから変形しない」というわけではなく、 >グレーゾーンとして、「力を加えれば変形するけど融解はしていない」 >という温度帯があり、その温度帯が Tg から Tm の間であり、 >「融解していないけど加工できる温度帯」であり、「放置しておけば >勝手に結晶化していく温度帯」でもあるのです。 非常に分かりやすいです。 この点は、理解できました。 ありがとうございます。 すいません・・・ 結局、質問が元に戻ってしまうのですが、 高分子(ポリマー)は、融点と凝固点にかなり大きな差が現れる。 において、ヒステリシス(ここでの系は熱なので熱履歴現象)とは 簡単に言えばどういう事(現象)でしょうか? お手数をお掛けしますが、よろしくお願い致します。