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政治家や専門家、作家といった単語の「家」とは?
- 政治家や専門家、作家といった単語の「家」とは、特定の物事に精通したり、打ち込んだり、それを生業とする人を指す言葉です。
- 「家」という言葉が付く理由には、世襲制度や家族制度との関係や儒教的精神などが考えられます。
- 「家」という言葉は、その分野での専門性や経験を示す意味合いがあります。
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> そのルーツである儒「家」とか諸子百「家」まで行くのでは、とか、そうなると「職人」なんかも「家」で良いんじゃないか?いやでもそれは「屋」なのか?そもそも「屋」と「家」って意味も読みの一部も一緒じゃないか、とか色々思い浮かぶ 割といい線行っていますよ。 まず漢字は外来の文字で、しかも意味も輸入していますね。古代中国では、政治的な意味合いも含めた学問的な流派を「家」と呼んでいて、お考えのような儒家、法家、兵家などの漢語があり、日本でも用いられています。 漢語を輸入した時代により、「家」の読みが異なるものもあります。必ずしも輸入した漢語ではなく、中国の時代・地域での発音の違いに影響されたといったほうがいいかもしれません。 それは、儒家(やお考えの政治家、作家)などは「家」の読みは「カ」ですが、「将軍家」「天皇家」などだと「家」の読みは「ケ」です。「家」を「ケ」と読むのは呉音と呼ばれ、「カ」と読む漢音より古い読み方になります。「家」を「ケ」と呼ぶのは、名前+家で家系、家族を言うときに用います。「将軍家」「天皇家」は敬称として名前で呼ぶのを憚り、名前の代りに身分・職務で言ったとも考えられます。どうやら「カ」より「ケ」のほうが古いため、由緒ある感じがして、敬意を表せるようです。 「我が家」のように「ヤ」と読むのは、日本にもともとあった家を表すのに「ヤ」と言っていたものです(つまり訓読み)。この「ヤ」には「屋」という字も用いました。「家」と「屋」は、同じ意味の言葉の当て字(訓読み)の場合もあるわけです。商家の店名などを「屋号」(ヤゴウ)といいますが、これを「家号」とも書きます。 これに加え、古代からの事情として氏姓制度があります。現代の姓と違って、蘇我馬子は「そが『の』うまこ」と読みますが、「蘇我」は単なる家系的な名前だけではなく、身分をも表すべく朝廷からもらった名前でした。当時は奴婢などの奴隷身分を除き、朝廷に登録されていました。いわゆる公民ですね。公民は朝廷から身分も含めた名前で登録されていたのです。よほどに上級でない限り、身分は職業、職務を表します。 すると、ある身分・職掌を表す同じ名前を持つ一族が形成されてくるわけですが、最小単位は親子などの家族になります。ところが当時の婚姻の習慣などのせいで、身分・職掌でみた場合の家族と、暮らしを共にする家族が必ずしも一致していませんでした。 当時、暮らしを共にする家族を「イヘ」と呼び、職業を共にする家族を「ヤケ」と呼んでいました(例えば、屯倉:ミヤケなどは、ヤケに接頭語がついた言葉が由来)。後者の「ヤケ」が職業上の分類でしたから、「○○家、○○屋」という言い方につながって行きます。 「ヤケ」の「ヤ」も「ケ」も、呉音の「家」や日本語にもともとある言い方を漢字に当てはめた訓読みの「家、屋」に近いといえます。ですので、表現として混交があった可能性もあるでしょう。 その後、次第に「家」と「屋」は使い分けもされるようになり、家を「カ」「ケ」と読む場合には、漢語的な硬い感じから尊称的な意味合いも含むようになり、家を「ヤ」と読む、あるいは「ヤ」とだけ読む「屋」は、親しみのある感じ、そのために敬っていないニュアンスも生じているのではないかと思われます。 ですので、例えば「政治家」を「政治屋」と言ったりすると、かなり侮蔑的なニュアンスになります。家族や家系でも、自分の家のことは「我が家」(ワガヤ)で、相手の家のことは「貴家」(キカ)となります(キケと言う人もいるかもしれない)。
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- kohichiro
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面白いかどうかは分かりませんが、ひとつの見解として、「家」は「一家を成す」というとおり家の中身が主で、精神的な高みがあって充実している印象ですね。家族制度が東洋で長く続いたのも、その中身に倫理が、よくできた哲学があったからでしょう。家の中の豕は豚の意で、むかし貴重な豚を家に入れて飼っていたことから来たらしいです。 「屋」というのは「屋上屋」などと、なんだか屋根とか柱が立派なだけで、中身がすっからかんという感じをもちます。職人も商人もその名前で世間をわたるいはば次元が低い業ではあります。 屋号を世襲するのも、名前が立派なことにこだわる感じがあります。もちろんそういうシステムが悪いといっているわけでもありません。これはこれで文化の形態だと思います。文人の書斎を○○屋といったそうですが。立派な書斎を持てないわれら庶民のひがみ?
お礼
家の中の豕は豚の意で、むかし貴重な豚を家に入れて飼っていたことから来た、とは初耳ですが、納得がいきますね。豚(当時侮蔑的な喩えにされていたかどうかは知りませんが)を家に入れて飼うというのは、現代、豚小「屋」で飼われていると言う事を考えると、高潔な感じがします。 ありがとうございました。
補足
他の方の回答を見ても「屋」はどうにも軽蔑的な意味を持つようですね…「肉屋」とかを軽蔑的な意味で使ったことがないので、気付きませんでした。だからといってお肉屋さんやその他を軽蔑するわけではありませんけども…
- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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孔子の”子”や、江戸っ子の”子”などのように接尾語ですよね。 私自身はご質問の”家”とは自己をそうやって世間に”構える”、存在させている、定めている存在だという理解をしています。 逃げ隠れしない、漂い、漂泊し、放歴しない人っていう意味の接尾語でしょう。
お礼
「家」は不動産ですし、漂白とかその辺の言葉とは対照的ですね。 写真家や登山家、旅行家などもある意味では漂っているのかもしれませんが、それは関係なく、当の本人達が「私は写真の専門家だ」と言えば世間に対して「私はこうだ」と構えることにもなりますし、本人がそう思っているという点では自己同一性の確立にもつながりそうですもんね。 個人的にはとてもプラスに捉えられるお考えかなと思います。ありがとうございました。
- 8739dokusin
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家と屋・・・どちらも意味も読みの一部も同じといいますが、家は大きいイメージがあります。○○家と○○屋といったときには家のほうは「か」が多くて屋は「や」という読みが多いのでは。 「家」は特定の物事に打ち込んでいたりする人に敬意を表してつけている気がします。政治家、専門家、作家、画家、陶芸家・・・政治家、私腹を肥やす人にはどうかなと思いますが。 ちょっと辞書を引いてみたら「家」には家門とか一門とかそういう意味があり、「屋」には家号、雅号に添える語ともありましたが人の性質や職業につけて軽蔑の意を表すとも・・。屋の文字の成り立ちは中にある至が達するというほかに行き詰るといった意味合いもあるとのことです。 本人が使う場合はへりくだりの意味もあるようです。 屋は商売をやっている職業によくついてるようにも思いますが商人は「士農工商」では身分が低いですね。 歴史的な名残を感じます。農家は「家」ですね。 以上、面白い見解でいいというので、思いつきも含めて書いてみました。
お礼
政治家で言えば、その私服を肥やす人が「政治屋」になるんでしょうね… 「屋」にへりくだる意味があるとは知りませんでした。驚きです。肉屋さんとかは…動物にへりくだるというよりかは感謝するんでしょうかね。それはさておき肉屋にしても、肉屋の経歴が長く、肉に習熟していて、他人から見れば「肉の専門家兼肉屋」と言える場合も多いんでしょうね。 そして農家の「家」は思いっきり土地の相続などと絡んで家族とか世襲が関係してそうですね… 特定の農作物の専門家であることはおそらく間違いないのでしょうけど、仰るとおり歴史的な名残なんでしょうね。ありがとうございました!
アレじゃないですか? 専門の学問・技術の流派、また、その流派に属する者。 家にはそんな意味もあります。 職人は、確かに技術なんですが、その技術は 全体の技術です。 八百屋さんもそうで、鈴木君の家は代々八百屋さんをやっている。 でも、田中君の家も八百屋です。 考えてみれば、八百屋さんは特別じゃないのです。 政治家 と 政治屋。 そもそも政治屋なんて公式な言葉はありません。 しかし、あえて皮肉った使い方をすることで 俺にもできんじゃねぇ? のような、レベルの低下を表している。 八尾屋さんのように・・・いや、それは 八百屋さんに失礼だろう!
お礼
○○家 みたいな言葉は、確かに根本的には「(何かの)専門家」を指す言葉なのかもしれませんね。政治家だったら政治の専門家、小説家だったら小説の専門家、評論家だったら評論の専門家といった具合で… 他の方の回答を見ても思ったのですが、「政治屋」というのは確かに皮肉った言い方ですね。気づきませんでした…というか皆さんの回答を見るまで政治屋という言葉が思い浮かびませんでした。検索すると確かに軽蔑的な意味を含むようですね。今度から議員の文句を言う時に使ってみようと思います(笑) ありがとうございました。
- BluesHeart
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先の回答の「屋」との比較の延長ですが、「屋」はそれを商売にしている人。 「家」は、その業に秀でている人、そのワザを窮めている人。 という違いですかね。 たとえば「探検家」と言った場合は、「探検すること」の技量や見識が高いことをあらわしますが、「探検屋」と言った場合は、それを商売に結び付けなくてはなりませんから本を書くとか(本を書くために探検に行く?)、TVの番組に企画を売り込んだりすることなどが活動の中で大きな割合を占めているのではないでしょうか。 つまり「家」の場合は、その業をより深くより高くより広く向上させることが目的ですが、「屋」の場合はそれでどのくらい儲かるか、が興味の焦点です。 という印象ですが…
お礼
商売に重きを置くのが○○屋さんで、一般社会的に「金にならない」と思われるようなことであっても好きでやって、それを究めんとする方は「○○家」、というのは確かにわかりやすいですね! 商売に秀でている人もある意味では「商売の専門家」なのかもしれませんし、例えば設備屋さんでも、その設備や例えば水道の蛇口の構造を深く理解し、トイレの故障などにも臨機応変に柔軟な対応ができるベテランであれば、本人がそう思っていなくとも客観的に見れば設備の専門家であり、設備屋でもあるとも言えますね! そういう意味ではやはり「家」と「屋」の共通点は大きいものですね… ありがとうございます。
- matsu_kiyo
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○○家、と名付けられている場合、大して、個人でやっているものが多く、○○屋の場合、揶揄したりする場合もありますが、たいていは企業や団体でやっている場合が多い、という認識でいます。 ○落語家 ×落語屋 ×土建家 ○土建屋 ○脚本家 ×脚本屋 ×八百家 ○八百屋 また、職種に「屋」をつけて、言い習わすこともあり(建築の現場ではシール屋、とかペン屋(塗装に使うペンキが短縮されてのペンキ屋→ペン屋)、設備屋みたいに言い習わしてます)、集団をさす場合もある、ということです。 △政治家 △政治屋 この場合のみ、政治屋の方は、「政治をまともにするのではなく、政治を使って私腹を肥やしたり、便宜を供与することの方が重きになってしまっている人」を揶揄する言い方としても定着しています。
お礼
個人と、企業・組織・集団での家と屋の違いというのは確かにありそうですね 政治家の他にも「起業家」なんかも色々ですし分類しにくいかもしれませんが、一つの知見になりました。ありがとうございます。
お礼
言葉の由来や社会背景まで読みやすく詳しく書いて頂いてありがとうございます!とても読み応えがありました! 訓読みや音読み、ヤケといった昔の言葉などは意識できていなかったのでとても参考になりました。 経営家族主義なんて言葉もありますが、確かに家族で仕事をやるといったような文化も歴史的にあるようですし、その辺も今でいう「○○家(佐藤さんの佐藤家とかそういうのではなく、専門家や音楽家などの「カ」)」などに大きく繋がっているのですね!
補足
身分や職掌を表す同名の一族の形成(世襲や同族内で継承していく…?)、そしてそれを形成する最小単位を家族というと、「族」という言葉もなにか私の質問に近いようなものがあるようですね。他にも本題の質問の趣旨からは外れますが、「舎」なんて言葉もありますね…