ヤフーの哲学カテで、同じ質問をしているのを見たけど、ヤフーにしろ、OKウェイブにしろ、そんな専門的な質問に回答できる人間はいないのです。
専門家はヤフーだとか、このOKウェイブなんか、忙しくて回答するヒマなんてないのです。
シロウトのヒマな人間が、おもしろおかしく、ワイワイとやっているだけだから、ここは雑談室であって、専門家が議論するところではない。
それにサルトルなんて、もう半世紀前の哲学者だろ?
誰もそんな哲学者の書いた本なんて読まないよ。
古書店に行ってみれば分かるけど、マルクスの「資本論」にしろ、サルトルの「存在と無」にしろ、今や100円でも売れない。
サルトルと聞いて、サルトルって誰? と若い人はみんな首を傾げる。
名前さえ、もう誰も知らないんだから。
若い人は流行を追いかけるのに忙しいんだから、そんな昔の哲学者なんて読まないよ。
最新流行のファッションと同じ。
「あんたこの本読んだ? まだ読んでないの。流行から遅れちゃうわよ。すぐ買って読んだら」
そんな会話をしている。
それで一時みんな吉本隆明の「共同幻想論」が飛ぶように売れたけど、誰ひとり中身を読んだ人間はいない。
サルトルも同じ、1970年代に実存主義ブームがあり、みんなファッションに遅れてはならないと飛びついたけど、ブームが去ったら、誰も相手にしなくなった。
日本では、しょせん、哲学と言ったって一時の流行だから、流行が去れば、また別の哲学者に乗り換えるだけ。
そうして80年代には猫も杓子もレヴィ・ストロースだ、デリダだ、フーコーだ、バルトだと騒いだけど、ブームが去ったら、みんな忘れ去られた。
もし、そんな専門的な議論がしたいのなら、カント学者の中島義道が、飯田橋で「哲学塾」というのを開いているから、そこで聞いてみたら?
最近、その「哲学塾」の講義ノートが出版されて読んだけど、その中でサルトルの「存在と無」の対他存在について、一行一行テクストを読んで、聴講生と質疑応答しているのを読んだことがある。
東大の大学院生から一般の主婦まで、職業は様々だけど、大学院生などはドイツ語原文などで読んでいるけど、一般の人々は翻訳書を持参して、それで講義を受けている。
現在でも、「哲学塾」は継続して開催されているのではないか?
ネットで調べれば分かるはず。
とにかく、あなたのような専門的な質問に回答できる人間はヤフーにしろ、OKウェイブにしろ、誰ひとりいないということ、それだけは確かです。