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軌道の種類と磁気量子数
p軌道はpx、py、pzの3つ。 d軌道はdxy,dyz,dzx,dx2-y2,sz3の5つ。 これらは、磁気量子数に対応してるのでしょうか? あてずっぽですみませんが、よろしくご教授ねがいます。
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三つのp軌道の選び方には、任意性があります。 「p軌道はp0、p+1、p-1の3つ(0,+1,-1はどれも下付)」と書くなら、これらの三つのp軌道はそれぞれ磁気量子数0,+1,-1に対応しています。 「p軌道はpx、py、pzの3つ(x,y,zはどれも下付)」と書いたなら、これらの三つのp軌道は磁気量子数0,+1,-1に一対一には対応していません。 pzとp0は同じ軌道なので、pzは磁気量子数0に対応する、ということはできます。ですけど、pxとpyはp+1とp-1の和か差で表される軌道なので、pxに対応する磁気量子数もpyに対応する磁気量子数もありません。 d軌道についても同じです。五つのd軌道の選び方には、任意性があります。 「d軌道はd0、d+1、d-1、d+2、d-2、の5つ(0,+1,-1,+2,-2はどれも下付)」と書くなら、これらの五つのd軌道はそれぞれ磁気量子数0,+1,-1,+2,-2に対応しています。 「d軌道はdxy、dyz、dzx、dx2-y2、dz2の5つ(xy,yz,zx,x2-y2,z2はどれも下付)」と書いたなら、これらの五つのd軌道は磁気量子数0,+1,-1,+2,-2に一対一には対応していません。 dz2とd0は同じ軌道なので、dz2は磁気量子数0に対応する、ということはできます。ですけど、dyzとdzxはd+1とd-1の和か差で表される軌道なので、dyz,dzxには対応する磁気量子数がありません。同じようにdxyとdx2-y2はd+2とd-2の和か差で表される軌道なので、dxy,dx2-y2に対応する磁気量子数もありません。
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- 1o1325
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> 一対一では対応するけど、いつも同じ相手と対応するわけではない > という事でしょうか? ■詳しい回答 p軌道の数と磁気量子数 m の数がどちらも3つなので、数学的には一対一で対応させることはできます。ですけど、「p軌道はpx、py、pzの3つ」としたときには、物理的には意味のない対応になります。 例えば、pxにm=+1を、pyにm=-1を、pzにm=0を対応させると一対一対応にはなりますけど、物理的には無意味な対応です。 あるいは、pxにm=-1を、pyにm=+1を、pzにm=0を対応させても一対一対応にはなりますけど、物理的には無意味な対応です。 磁気量子数 m は軌道角運動量のz成分の固有値(をh/2πで割ったもの)です。p0、p+1、p-1の3つ(0,+1,-1はどれも下付)は、これらの固有値に対応する固有関数です。pzはp0と名前が違うだけで同じ関数なので、pzは固有値m=0に対応する固有関数です。ですから、m=0とpzの対応は物理的に意味のある対応になります。ですけど、pxとpyは固有関数でないので、pxとpyに対応する固有値はありません。固有値 m=+1 に対応する固有関数は、iを虚数単位として (px+ipy)/√2 という関数です。この関数がp+1と呼ばれる関数です。同様に、固有値 m=-1 に対応する固有関数は、iを虚数単位として (px-ipy)/√2 という関数です。この関数がp-1です。 「p軌道は3つある」というのは「一次独立なp軌道を3つだけ選べる」ということです。一次独立な軌道の選び方は無数にありますけど、その選び方のうちで二つの選び方だけがよく使われるものです。 選び方1: 3つの関数が、すべて軌道角運動量のz成分の固有関数になるように選ぶ。 選び方2: 3つの関数の値が、すべて実数になるように選ぶ。 「p軌道はp0、p+1、p-1の3つ」は選び方1です。 「p軌道はpx、py、pzの3つ」は選び方2です。 選び方1では、磁気量子数(固有値)と軌道(固有関数)が一対一で対応しています。 選び方2では、磁気量子数と軌道の一対一対応を捨てて、軌道関数の値が実数になるようにしています。 自由原子や自由イオンについて考えるときは、選び方1が便利です。 一方、分子中の原子や配位子に囲まれたイオンについて考えるときは、選び方2が便利です。 ■簡潔な回答 ということで、 「これらは、磁気量子数に対応してるのでしょうか?」 という問いに一言で答えると 「いいえ。対応していません」 という答えになります。 しいて対応付けるなら、 「p軌道が3つあるのは磁気量子数がm=0,±1の3つあるから」 「d軌道が5つあるのは磁気量子数がm=0,±1,±2の5つあるから」 ということはできます。 ですけど、px、py、pzはm=0,±1と一対一に対応していませんし、対応付けしてもいけません。 あくまでも、総数が同じ、というだけです。
- phosphole
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角運動量の量子数で分類したものです。
お礼
ありがとうございました。
補足
一対一では対応するけど、いつも同じ相手と対応するわけではない という事でしょうか?