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細菌についてどなたか教えてください!
原核生物である納豆菌と大腸菌って両方とも細長い、長方形のような形をしていますよね。真核生物である酵母菌は、丸っこいですよね。 最初、この両者の違いは細胞壁の有る無しだと思ったのですが、調べるうちに酵母も細胞壁を持っていることが分かりまして‥。 この両者の形態の違いは何の由来するのでしょうか?知っている方はもちろん、参考文献などでも教えていただけるとありがたいです!宜しくお願いします。
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> 酵母菌は球菌ということになるのでしょうか 下の回答に述べた菌の形のさまざまなタイプというのは細菌での話になります。酵母を含む真菌類はこれと別の生物グループになりますので、酵母はこうしたタイプ分けに当てはめられません(^^; 真菌には菌の形によるタイプ分けはないのかと言えば、あります。真菌、すなわち「カビ」の仲間ですが、これは大きく分けると、酵母のように丸っこい形をして「出芽」という分裂様式で増えていく「酵母型」と、菌の体の主体が菌糸で構成され胞子を形成して増えていく「菌糸型」に分けることができます。ただ、この2つの中間的なもの(生活条件によって菌糸を形成したり酵母型に変化したりするもの)もあり、こうしたものは「2形性真菌」あるいは「酵母様真菌」と呼ばれます。 http://www.sukegawa.co.jp/name/koubosamasinkin.html > 細胞壁を合成する酵素についてもう少し詳しく知りたい これは、ちょっと高度で難しい話になってきます(^^; 細菌の細胞壁というのは、ペプチドグリカンという糖蛋白構造でできています。これは、「多糖グルカン」という単位分子を縦にたくさんつなげて糸のような高分子を作り、それをムレインという短いペプチドを横糸のように使って隣のグルカン糸と橋渡しする(「架橋」と言います)ことによってシート状に形成されたものです。ですから、この「多糖グルカン」を作る酵素、これを縦につなげる(重合)酵素、ムレイン架橋を作る酵素などが組み合わさってこの働きを完成させるのです。実際には、このほかに菌が分裂する時この細胞壁をどこまでで区切って新しい細胞同士の境目にするかを決める酵素などもからんでくるのでより複雑です。 下の回答にも書いたように、ペニシリンなどの抗生物質は、この酵素の一部の働きを邪魔することによって正常な細胞壁を作れなくする作用を持ち、これにより細菌の菌体は強度を保てなくなって壊れてしまい菌が死ぬ(「溶菌」と言います)わけですが、こういうわけで細胞壁を作る酵素の一部はこのペニシリンがくっつくことになるので、「ペニシリン結合蛋白(PBP: Penicillin-Binding protein)」と呼ばれます( I、II、III ・・・というように分けて名前が付けられたりしています)。菌の種類ごとにこうした酵素の遺伝子はいろいろ解析されており、またペニシリンなどに対する耐性(ペニシリンが投与されても死なない性質)を獲得した菌というものの一部はこうした酵素の遺伝子を突然変異によって変化させているものであるということもわかっています。このあたりの詳しい話は「細菌学(微生物学)」の領域になってきますので、さらに深く勉強したい場合はこうした領域の教科書や学術書を探すことになるでしょう。 http://park10.wakwak.com/~discus/Taikou/science141.html http://micro.fhw.oka-pu.ac.jp/microbiology/structure/peptideglycan.html http://www.nig.ac.jp/labs/AR98ja/research/B/Bb6.html
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- yuyu2003
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とりあえず、参考URLをご覧ください。 また、 http://web-mcb.agr.ehime-u.ac.jp/library/know/cellstr.htm に簡単な解説があります。 ruriko1926さんがどの程度の知識をお持ちなのかわからないので、具体的に適切な参考文献を紹介するのは難しいのですが、通常の生物学を扱った本であれば載っているとおもいますので、大きめの書店でお探しください。 とりあえず、webで読める専門書としては http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?call=bv.View..ShowTOC&rid=genomes.TOC&depth=2 を挙げておきます。
お礼
yuyu2003さん、ありがとうございました! 教えていただいたページ、とっても参考になりました。 >ruriko1926さんがどの程度の知識をお持ちなのかわからない 私の説明不足でした‥すみません(^o^; 最後になりましたが、お返事が遅くなって申し訳ありませんでした(。。) 本当にありがとうございました!!
細菌も 細長いものばかりではないんですよ(^^ 大まかに、「球菌」と「桿菌」というグループに分けることがあります。前者はその名の通り丸っこい形をしています。「ブドウ球菌」「連鎖球菌」が有名です。丸が2つくっついたような形をした「双球菌」というのもあります。 「桿菌」がご存知の大腸菌のような細長いタイプで、細菌の中ではこの姿のものが大部分のようです。まっすぐ細長いタイプのほかに、ねじれた棒のような格好をしているもの(螺旋菌など)もあります。また、さらにこれに細長い毛がついているものなどもあり、実にさまざまな姿の細菌がいます。 菌の体の形は、その菌が持っている細胞壁を合成する酵素の内容によって決まり、すなわち遺伝的に決まっているということになります。酵素に突然変異が起こったり、ある種の薬剤などの働きでこの酵素の働きが妨害されたりすると菌の形が大きく変化し、これによって生存できなくなったりします(ペニシリンのグループに入る抗生物質はこんな作用をしています)。
補足
gvokさん、さっそくの解答どうもありがとうございます!とても助かりました! さらにお聞きしたいのですが、gvokさんによれば酵母菌は球菌ということになるのでしょうか。 それから、細胞壁を合成する酵素についてもう少し詳しく知りたいのですが、どんな資料を探せばいいのでしょうか。度重なる質問、申し訳ありません。
お礼
gvokさん、ご丁寧な解説どうもありがとうございます!! とても参考になりました!! 私自身は結構簡単に考えてしまっていたのですが、実はとっても難しい問題だったんですね‥出直してきます。 本当にありがとうございました、勉強になります! 最後になりましたが、お返事が大変遅れてしまって申し訳ありませんでした(..)