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真正細菌と古細菌について
ある本に、「生物は、真正細菌と古細菌と真核生物に3大別される。」と書かれているのですが、別の本には「原核生物と真核生物」と分類されています。真正細菌と古細菌=原核生物ととっていいのでしょうか? また、真正細菌と古細菌の違いは何ですか?教えてください。
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真正細菌+古細菌=原核生物でいいと思いますよ。 えーと、古細菌というのは生物分類に新しい方法が取り入れられてから 考えられるようになったグループです。 この方法は16SrRNA(リボソームRNAにうちの16S部)の塩基配列を 比較して分類を試みる方法なのですが、この方法を用いると、 いままでバクテリア(=原核生物)として分類されていたものが 二つの大きなグループに分けられる事が判りました。 【イリノイ大学のWoeseによる】 それが、真正細菌と古細菌です。 判りやすい違いは、 古細菌には特殊な環境で生育しているものが多いという事でしょうか。 《結構あっつい所(80℃以上とかも!)で生育する『好熱菌』とか お塩が大好きな『好塩菌』といった顔ぶれ》 あとは、生化学的な違いですね。 細かな点は、 専門書(たいていの微生物学書にはきちんと書いてあると思いますよ)を 読んでいただくと大丈夫だとは思うのですが、一応簡単に書かせて頂くと、、、 ■リボソームの細かな構造が違う ■細胞壁の脂質の構成が、真正細菌ではエステル(結合)型、 古細菌ではエーテル(結合)型となっている。 などです。 ちょっと自分の怪しい記憶で書かせて貰ったので、間違っているかも・・・ だとしたら本当にごめんなさいね。 もっと知識のある方がお答えになった方がいいと思うので、 僕のは参考程度で・・・ ではでは。 でも、けっこう古細菌には面白い細菌が多いですよ。(^^)
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回答はでているようですが、以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか? 「図1:生物の進化系統樹」 ◎http://mukb.medic.kumamoto-u.ac.jp/AAA/minirev/mrevolution.html (ATP依存性プロテアーゼ群の分子進化) ◎http://toppy.health.uoeh-u.ac.jp/environ/st7.htm (メタン生成細菌に関する研究) ○http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/situ/TOK/akema/kingdom.html (菌類と細菌との違い) ご参考まで。
お礼
ありがとうございます。参考にさせていただきます。
- sakana21
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古細菌はリボソーム小サブユニットRNAの相同性により真核生物とも真正細菌とも最も根本的に区別される一群の原核生物のことです。以下岩波の生物学事典を参考にしてます。C.R.Woese(1977)はリボソーム小サブユニットのRNA(原核生物では16S rRNA)の類似性の解析により,メタン生成細菌と他の細菌との類縁性が,細菌と真核生物との類縁性と同程度に小さいこと,すなわち,メタン生成細菌,それ以外の細菌,真核生物が生物の三大グループを形成することを発見したしました。当初の系統分析法では無根系統樹しか作ることができず,三大生物群とその共通の祖先との関係は不明であったが,1989年重複遺伝子を用いることにより有根系統樹がつくられ,Woese(1990)はこれを取り入れて新しい系統樹を提案し,これが三大生物群の関係を示すものとして現在広く用いられています。これによると古細菌は真正細菌よりは真核生物に近いところに位置しています。Woeseはこの三大生物群に対して分類学上の界(Kingdom)より上の階級としてdomainを創設し,古細菌は細菌でない,ということを明確にするためにarchaebacteriaに替えてArchaeaという名称を提唱した.これに伴い,真正細菌(eubacteria)は単にBacteria,真核生物(の細胞質部分)をEucaryaと称しました。さらにArchaeaの中にCrenarchaeota(硫黄代謝好熱古細菌など)とEuryarchaeota(メタン生成細菌や高度好塩菌など)の2界をおくことを提案した.ただし,古細菌は形態的には原核生物であり真正細菌と区別がつかないので,系統分類的にはArchaeaとなっているが,archaebacteriaという名称も広く使われており,その学名も細菌と関係の深い名が広く見られます(Halobacterium, Methanosarcina, Pyrococcusなど).また古細菌は,RNAの相同性による系統関係の特別な位置によってだけでなく,数多くの独特な生化学的性質によっても特徴づけられます。例えば,細胞質膜の脂質がグリセロールとイソプレノイドアルコールのエーテル結合を基本とする骨格で形成されていること(真正細菌や真核生物ではそれはグリセロールと脂肪酸のエステル結合による),ムレイン細胞壁がないこと,多くの抗生物質に非感受性であること,リボソームの大きさは真正細菌と同じ70Sタイプでありながら蛋白質生合成,核酸生合成の機構で真核生物と類似した数多くの性質をもつことなどが明らかになっている.メタン生成機構や超好熱菌のエネルギー代謝などほかで見られない数奇の生化学機構もある.この中で,エーテル脂質は古細菌と真正細菌を区別する最も例外のない,かつ容易に検出できるマーカーの一つである.生育環境の異常性,生化学的独自性,系統樹上での位置などのために古細菌研究に急速に関心が寄せられ,それは生命の誕生以来の原始細胞,細胞の初期進化,生化学機構の進化などの探究に向かう手がかりを与えようとしています。 ながながとなりましたがいかがでしょう?
お礼
とても詳しい回答をありがとうございます。ただ・・・私の今の知識ではわからないことがあったので、もっと勉強してから読み返してみます。ありがとうございました。
お礼
分かりやすい回答をありがとうございます。古細菌には面白い細菌が多いんですか。もっと、勉強してみたくなりました。