- 締切済み
生物学
・原核細胞と真核細胞の違いについて述べなさい。 ・生物の階層性について、例をあげて説明しなさい。 上の2つについて詳しく教えて下さい
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- fiveleafclover
- ベストアンサー率100% (2/2)
原核細胞と真核細胞の違いについて 「遺伝物質であるDNAが核膜に包まれた状態で存在する」のが真核細胞、「核膜が存在せず遺伝物質は細胞質基質中に存在する」のが原核細胞です。一般的には原核細胞から真核細胞へと進化したと考えられており、リン・マーギュリスという人の「共生説」が有名です(ただしソレが事実であるかどうかはまだ証明されていなかったと思います)ミトコンドリアや葉緑体は現在は細胞小器官として存在するが、原始では原核生物として存在したのではないかという説です。ミトコンドリア、葉緑体は独自のDNAと二重膜構造を持ち、半自律的に増殖するという事実がこれを裏付けているのではないかと言われています。共生が起こった細胞の子孫が真核細胞、共生しなかった細胞の子孫が原核細胞です。詳しくは検索エンジンで「共生説」を調べるか、図書館・大きな書店などの生物学コーナーに行けば資料があると思います。さわりだけでよいならちょっと詳しい高校生物の参考書を見ても載っているはずです。 原核生物は単細胞生物のみしか存在しません。原核生物はミトコンドリアを持たず、好気呼吸ができないためです。効率の悪い嫌気呼吸では多細胞の身体を維持するためのエネルギーを確保できないのです。 また、原核細胞と真核細胞の大きな違いは、メッセンジャーRNAの合成の場とたんぱく質合成の場が分かれたことです。原核生物ではDNAは細胞質基質に存在し、DNAを鋳型としてメッセンジャーRNAが合成されている最中からリボソームがRNAにとりつきたんぱく質合成が始まります。したがってRNAスプライシング(RNAをいくつかの断片に切断し不要な部分を捨てて繋ぎかえる)を行えません。真核細胞ではメッセンジャーRNAは核内でRNAスプライシングが行われた後核外に出てゆき、そこでリボソームに翻訳されてたんぱく質合成が始まります。 原核生物ではDNAは核膜に包まれていないため、外部の環境の影響を受けやすく、突然変異も起こりやすいと考えられます。細胞分裂の際のDNA複製法が多量のDNAを複製するのに向いていないため、多量の遺伝情報を保持することができません。 ものすごくはしょったため分かりづらいかも知れませんが、今までに読んだことのある本には大体このようなことが書かれていたと思います。朝日新聞社から出ている「生物進化8つの謎」(ジョン・メイナード・スミス、エオルシュ・サトマーリ著)の『6:真核細胞の起源』までを読むと原核細胞から真核細胞への移行が彼らの観点から説明されています。個人的に納得のいく論旨でしたので、読みにくい文体ですがおすすめです。 自然界の階層構造については、一般的に原子、分子、高分子、細胞、組織、器官、個体、個体群、群集、生態系と分類されることが多いようですが、高分子と細胞、個体と個体群との間には関係性の全く異なる不連続線がある、との指摘をする方もいます。例を挙げてとのことですが、例といっても具体的な生物名をなどをあげるのか、概念として具体的に細胞レベルを取り上げるなどという意味なのか判断つきかねますので、例は控えておきます。 「階層性」というのは、おそらく団まりな(大阪市立大学の助教授)の提唱した概念の類ではないかと(無論他にもその観点から生物を論じる方はいらっしゃると思いますが)。彼女の論は、系統発生がすすむごとに増大する生物の複雑さの度合いを階層構造という離散的な概念によって理解しようというものです。たとえば一倍体に対して二倍体は上位階層に位置したと思います。複雑さが増すほど上位階層に分類されます。団さんの持論とはすこしその著作が書店、図書館の生物学のコーナーにあるはずです。詳しくお調べになるのでしたら、著者の名前は正確ですので、係員の方にお尋ねくださいませ。