補足拝見しました。自己努力で良い結論まで行ったようなので感心しました。
(以下、コイル半径をa、全長をb、単位長あたりの巻数をnと書きます。)
1.
>> 有限長ソレノイドはф=LI じゃ磁束は求まらないはずですよね? <<
有限長でも成立します、фは磁束の総和=全磁束 として故意に変な大文字で書きました。というか実は 成立するのは当たり前で
L≡ф/I
と、Lの方を定義してる式なんです、本当は。 Lの定義自体が全磁束фを使ってるんです。
(それゆえ、サイトでLを計算してもらえばその数値は1アンペアのときの全磁束なので プログラム検証に使えるという事です。 逆に 全磁束фを計算するように改造したものはL計算ソフトですね。)
電荷と電束の関係で 出て行く総量=発生する総量 というのを学んだと思いますが 同じように今回も 全磁束фは発生源Aの総和です。
2.
>> 回転をとるっていうのがどうやったらよいものかと… <<
変に遠回しに書いてすみませんでした。
AからBは rot計算ですが 今回のようにそのあと面積分してしまう場合は、
∫rotA・dS → ∫A・ds
という、rot計算が要らない積分に変換できてしまうんです。これはストークスの定理という使い道の多い数学公式です。
(・はベクトルの内積、左辺は面での積分、右辺はその面のヘリだけを一周する線積分です。)
だから、
>> 自分で考えまして磁束はAを線積分することにしました。(これは軸対象を仮定して単純に2πrを掛けるだけです。) <<
GJ! ストークス定理と同じ思考をしたのなら見事です、普通は「ストークス定理の形なので‥」と公式依存でスルーが多いのです。 しかしここは電磁界計算のキモだし その思考プロセスは物理全般で応用性が絶大なのです。 超貴重な経験値だと思います。
3.
参考までに、
コイルの形によく合う円柱座標(r,θ,z)系での
ベクトルV=(Vr,Vθ,Vz) のrot計算は
rotV =
{ 1/r∂Vz/∂θ - ∂Vθ/∂z } er
+ { ∂Vr/∂z - ∂Vz/∂r } eθ
+1/r { ∂(rVθ)/∂r - ∂Vr/∂θ } ez
です。
er,eθ,ez は座標軸の単位ベクトル。
今回は、磁界
B = rotA
を求めたあと、磁束
Φ = ∫B・dS
の積分をしてしまうので、
dSがz軸方向を向いたベクトルなので 内積は それと平行な成分しか残らない、つまりz成分しか残りません。 さらにθ方向には一様なので∂/∂θの項はゼロです。
しかしこんな単純でない場合は大変なので ストークスの定理を使って rot計算を省略します。
4.
全磁束фは;
単位長にループ電流がn個あるから微小長さdzの間にはndz個ある(この考えはAの式でも使ってますよね?)、Φをコイル長さbに亘って総和。
ф = ∫[端から端まで]Φndz
= 2πan∫[端から端まで] A'dz
A'はAのθ方向成分でr=aでの値。(あなたが結論した所ですね) nは単位長あたりの巻数=総巻数/b。
お礼
長々とありがとうございました!とりあえず何とかなりそうです。本当にありがとうございました!!