○可良己呂武須宗尓等里都伎奈苦古良乎意伎弖曾伎怒也意母奈之尓志弖
○可良己呂<武> 須<宗>尓等里都伎 奈苦古良乎 意伎弖曽伎<怒>也 意母奈之尓志弖
[訓読]唐衣裾に取り付き泣く子らを置きてぞ来のや母なしにして
[仮名],からころむ,すそにとりつき,なくこらを,おきてぞきのや,おもなしにして
[校異]茂 -> 武 [元][類] / 曽 -> 宗 [元][春] / 奴 -> 怒 [元][類][細]
万葉集のテキストは複数存在しますが、万葉仮名が違っているものがあります。その違いは写本の系列の種類(底本)より来るものですが、その種類など専門的なことはよく知らないので触れません。上記の二つの歌は別の所から取ってきました。偶然に二つの万葉仮名は一致していました。ただ二つ目の[校異]に書いてある茂 -> 武 ・曽 -> 宗・奴 -> のように異なる場合がありました。( [元][類][春][細]は底本の種類です)
万葉仮名の読み方は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E8%91%89%E4%BB%AE%E5%90%8D
の一覧表をご覧ください。このなかの「甲類・乙類」というのは専門的なことなので、触れません。(詳しくは「上代特殊仮名遣い」でお調べください。)この万葉仮名は仮名と同じで一定しています。
したがって、上記の二つの歌は
「からころむ,すそにとりつき,なくこらを,おきてぞきのや,おもなしにして」
と読むことになります。ところが二つ目のうたにあるように、漢字を置き換えると
「からころ<も>,すそにとりつき,なくこらを,おきてぞき<ぬ>や,おもなしにして」
と読むことになります。「曽」と「宗」の違いは仮名で書けません。(甲類と乙類の差なので)
ご質問の「韓衣」は底本によって「からころむ」と「からころも」の差があることになります。
お礼
> ご質問の「韓衣」は底本によって「からころむ」と「からころも」の差があることになります。 ありがとうございました。 底本による違いであって、両方ともありですね。ただし、カラコロンは無しだと判明しました。 カラコロンと読んだ大人がいたので気になったのです。