毎日数字は変わっているでしょうけど、現在のところ、
税理士は現在74,500人います。
公認会計士は33,979人です。
弁護士は35,045人です。
弁理士は9,651人です。が、この業種は注意があります。
弁理士は事務所を持って権利の調査や届け出などで生活しているひとばかりではありません。
メーカーや商社に正社員で就業し、そういう業務を専門にやっているひとたちもいて、上の弁理士人口のうち何割かはそういうひとたちです。
だから正規の商売を事務所を作ってやっている人の数は上記の数より少ないはずです。
商売をしていると、税理士や公認会計士と全くつきあわないでいるほうがおかしいですから、会計系のセンセイは必需です。
これに対し弁護士は、顧問弁護士というような存在はありますけど、何か事がなければお付き合いがないという個人/会社が多いのではないでしょうか。
弁理士は、個人で発明したりすることはあるけれど、会社で知的所有権問題や商標の問題を片付けるときにお願いするのが多い。
自社内に弁理士を持っていないところが事務所の人にお願いするのです。
さて税理士の場合は先生の数も多いし需要も多いので交通整理をしようとしたらそれ自体が商売になりえます。
先生方を自分の駒としてプールしておき、新規開業の会社に紹介するというのもいろいろノウハウがありうる仕事です。
たまに社長と先生が意見が合わず別のやつをつれてこいなどというトラブルもあり、ここでも商売が成り立ちます。
弁護士でそういう紹介商売をしたら、社会的な公平性に障害がでてしまいますし、弁護士は手の内をこの連中に明かさなければならずまずい、ということになりますので禁じられるのです。
弁理士の場合、紹介商売があると思いますか。あっても変ではないけど、いないでしょうね。
本当に必要とする大会社は自社内にもう担当者として勤務しているのですから。
ベンチャー開業しようとしている会社があるとして、もし、設立者がすでにアイディアを持っているのであれば開業前に権利関係は調べた上のはずです。
ハコだけ作ってアイディアはそれから考えようとしているところは、食べるための外注仕事を受けているうちにそのままになりがちです。
突発的に何かのアイディアがひらめいた場合、個人でやるなら自分で知的所有権は調べます。
社内であれば提案資料にそれを書かなければなりませんから調べざるを得ません。
このとき、社内に弁理士資格を持ったひとがいれば頼んで調べてもらえますが、提案レベルなのに社外の弁理士を頼んで費用を払うことはできません。
商標の場合、たとえば「デリシャスヌードル」を売っていいかというように思った場合は商標および類似商標調査が必要ですから弁理士でないとまずい。
そういう新製品を年にいくつもつくる会社は自社内に居るはずです。
いきなり思いついていいかどうか、という場合は、近所にそういう弁理士のセンセイはいないのかというところからはじまってお声をかけてお願いします。
近所にいないのか、という探し方をするなら何でやるでしょうか。
インターネットで地名つきで探して大丈夫でしょうか。ダメですね。
ホームページを持っているかどうかわからないし、弁理士業務を前面に出したページがあるかとなると保証できません。
普通タウンページでさがしませんか。
タウンページでも「紹介業者」なんか探さないで「弁理士」で探すんではないでしょうか。
だったら紹介業をしようと考えても商売になりません。だからいないのだと私は思いますよ。
私の経験をひとつお話します。
あるベンチャー会社で全く新しいシステムを特許申請しようと考えたのです。
その会社は弁理士がいませんでしたからどうしたかというと証券会社に聞いた。この人がいいといわれたのでその方をおよびした。
お話をしました。そして、どこがユニークなのか、なぜ申請したいのか、を素人にわかるように丁寧に話しました。
センセイ曰く、「それの何がおもしろいのですか」「誰もやっていないとおもいますけど、申請の価値あるんですか」
こちらはその製品で既存でない需要をかきたてていきたいという事業計画ですから、価値があるかどうかは市場が決めることです。
センセイには仕事をしていただいたら報酬はお支払するんですから彼の価値観は関係ないです。
またセンセイ曰く「申請資料を作るモティベーションがわかないですね」
あきれてサヨナラでした。
彼の趣味道楽のためにこちらは商売しているわけではないですから。
社内に担当者を飼っておかなけばこういうことになるんだな、と思った次第です。
ちなみにこの製品はうまく市場に受け入れられて会社は上場しました。