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「非常に」という言葉の使い方
「非常に」という言葉の使い方で、悩んでしまいました。 1)私は非常にゆっくり食べます。 2)非常にゆっくり食べてください。 1)は問題なく聞こえるのですが、2)には違和感があります。 どうしてでしょうか。教えてください。
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専門家の研究によると、「程度副詞は、命令・依頼文と共起しにくい」ということです。「共起」とは文法用語で、複数の言語現象が同一の発話・文・文脈などの言語的環境において生起することです。 「非常」は名詞ですが形容動詞の語幹にもなり、「非常に」は形容動詞の副詞的用法というか、まあ副詞のようなものですね。程度のはなはだしいことを表しているので、「程度副詞」と呼ばれます。 それでは、なぜ程度副詞を依頼文で使うと違和感があるのか。発話主体と受け手の間で、「『非常に』とは具体的にどの程度か」の認識が往々にして共有されてないため、依頼内容の堂々巡りを招いて不快だからでしょう。それがご質問者の例文2)です。 一方、例文1)は依頼文ではなく、「『私』の認識では、それぐらいの食事スピードが『非常にゆっくり』ということになるのね」と了解されます。 また、詳しい研究によれば、程度副詞の中にも命令・依頼文と共起する語はあります。そこで、程度副詞をさらに細かく分類する学者もいます。下記の論文などをご覧ください。 川端元子 『程度副詞を分類する視点の考察』(「愛知工業大学研究報告」第47号、2012年) http://aitech.ac.jp/lib/electricdoc/files/47/p115-p124.pdf
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- kine-ore
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1)私は非常にゆっくり食べます。 : 一般的には、 「私はとてもゆっくりと食べます。」 「私はかなりゆっくり食べるほうです。」 この「ゆっくり(ゆっくりと)」は一番シンプルな<動作レベル>での「様態の副詞」です。 「食べる」という動作・行為の様子を説明しています。 このような「様態の副詞」を更に「程度の副詞」がよりその度合いに踏み込んで限定説明する形なので、普通には「すごく」「とても」「かなり」「けっこう」「そこそこ」「それなりに」などで仕分けします。 ここで形容動詞から程度副詞となった「非常に」ですが、いまや「普通の程度をはるかに越えている様子」(「新明解国語辞典」)を担う言葉として、もはや上限度を指す副詞「非常に~だ」として、「間違いなく~だ」「絶対に~だ」のような<判断レベル>として使われています。ですから、本来の程度表現としては、日常会話ではいざ知らず、少なくとも文章語においては不適とされましょう。 2)非常にゆっくり食べてください。 : このように相手に向かって話をする場合には、本来は伝達のモダリティの副詞が求められます。 まだ「食う」動作が生じていない段階ではそこに勧誘の言葉も求められます。 つまり<伝達レベル>の副詞を使って、一般的には、 「どうかゆっくり食べてください。」 「どうぞごゆっくりお召し上がりください。」 このような「どうか」「どうぞ」「ぜひ」は<願望と呼応>する陳述副詞と言われています。 これらを使わないで、程度副詞を使う場合は、 誘導の従属節を前提させてから、程度副詞も加えるとか、 「どうかお気遣いなさらず、存分にゆっくりとお食べください。」 また、すでに相手の「食う」動作が始った時点という前提では、 「もっとゆっくり食べてくださいね。」 「もう少しゆっくりと食べましょう。」 さらに、「食う」動作が終わった段階では、 「とてもゆっくりと食べましたね。」 「かなりゆっくりと召し上がっていらっしゃいました。」 この段階であれば、「非常に」も挿入可能かも知れません。 「非常にゆっくりとお食べいただいたので安心しました。」
お礼
大変参考になりました。ありがとうございます!
- 1311tobi
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むずかしい(泣)。 No.3のコメントで解決した気がしますが、例外がチラホラ。 詳しくは下記をご参照ください。 http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3063.html 以下は一部の抜粋(重言)。 「非常に」はたしかにヘンな気がする。 かわりに使えそうな言葉は、「できるだけ」「極力」あたりだろうか。 手がかりが見つからずに類語辞典をひいてみた。 「非常に」を『例解類語辞典』でひいてみる。 【たいへん/とても/非常に(ひじょうに)/はなはだ/大いに(おおいに)/きわめて/すこぶる/ごく】 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/15784/m0u/%E9%9D%9E%E5%B8%B8%E3%81%AB/ 「極力」を『例解類語辞典』でひいてみる。 【力一杯(ちからいっぱい)/精一杯(せいいっぱい)/極力(きょくりょく)】 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/4305/m0u/%E6%A5%B5%E5%8A%9B/ よくわからない(泣)。 困っていると、No.3のコメントが入った。これはすばらしい。 〈専門家の研究によると、「程度副詞は、命令・依頼文と共起しにくい」〉らしい。理由は〈発話主体と受け手の間で、「『非常に』とは具体的にどの程度か」の認識が往々にして共有されてないため〉らしい。 うなってしまった。これでほぼ説明は終了。 たとえば「1回の食事に30分以上かけるようにしてください」なら、「程度」がはっきりするので異和感がない。「専門家の研究」はすばらしい。 ただ、そうなると例外を見つけたくなる。「しにくい」だから、例外もあるんだろう。 「できるだけ」「極力」が使える理由がわからない。「努力目標っぽい」から? 理由になってないような……(泣)。 「きわめて」あたりも使えなくはなさそう。 ここで登場するのが、邪道中の邪道。 「超ゆっくり食べてください」 もしかすると「すげーゆっくり食べてください」「思いっきりゆっくり食べてください」「うんとゆっくり食べてください」あたりもOKかもしれない。 ここで素朴な疑問。「ゆっくり」(とか「のんびり」)だって「程度副詞」と考えることができるのでは。
お礼
今回はお客さまへの注意喚起のための文章を作成していたので、「できるだけ」「極力」あたりに置き換えられそうです。いろいろ例を挙げてくださってありがとうございます。
- fxq11011
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1、も実はあまり使用しないのでは、もちろん個人差はあります、特に最大級の好きな方なんかは・・、私見ですが大げさな表現の好きな方。 非常は、大きいほうにも、小さいほうにも、通常ではない、という意味で、程度というより極端ですね。 ゆっくり、は速度ですね、大小の関係なく、常ではない・・・速度で・・、となると、「ゆっくり」という言葉とは無関係の状態をさすことにもなります。 私は大変ゆっくり食べます、大変は程度大を意味し、ゆっくりの程度にかかります
お礼
ご回答ありがとうございます。参考にいたします!
- OKAT
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自分の感覚で「非情にゆっくり」というのはあり得るでしょう。他人に要望するのは「出来るだけゆっくり」なら許容範囲でしょうが、「非情にゆっくり」と言われると、ちょっと?ですね。
お礼
ご回答ありがとうございます!
- marbleshit
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非慣用表現と言って、普段使わないからというだけのことです。 文法上は些かもおかしくはありません。
お礼
ご回答ありがとうございます。
お礼
大変参考になりました。どうもありがとうございます!!