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収束判定の問題です
次の整級数の収束半径を求めよ。 Σ(n=1,∞){(1+i)^n/n^2}*z^n この問題の解き方がよくわかりません。御回答よろしくおねがいします。
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- sunflower-san
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もしこれが等比級数なら、収束半径は簡単ですよね。 いま、 Σ(n=1,∞){(1+i)^n/n^2}*z^n .......(※) の隣接項(第 n+1 項と第 n 項)の比は、 {(1+i)^(n+1)/(n+1)^2}*z^(n+1)/{(1+i)^n/n^2}*z^n = (1+i)z/(1+1/n)^2 ですが、これは n → ∞ のとき (1+ i)z に収束します。よって公比 (1+ i)z の等比級数とほとんど同じようにの収束・発散をすると考えられます。 従って、| (1+i)z | < 1 のとき級数(※)は絶対収束し、| (1+ i)z | > 1 のとき級数(※)は発散します。 つまり収束半径は1/| 1+i | = 1/√2 となります。 以上は、かなり大雑把な議論で計算しましたが、 この方法が正しいことは実際に「等比級数と比べる」素朴な議論で厳密に正当化できます。 (おまけ) 収束半径の円周上は一般に収束するとも発散するとも限りませんが、実は(※)の級数の場合は| z | = 1/√2 の円周上いたるところ収束します。 さらに(※)の関数を開円板 | z | < 1/√2 から、特異点を避けて解析接続すると、収束半径の外でも定義され、解析接続の経路による違いも考えた "C\{0, 1/(1+i)} の普遍被覆空間"上の解析関数(二重対数関数/dilogarithm)になります。 (※)で局所的に定義された解析関数は、冪級数の収束半径が 1/√2 であることから、 | z | = 1/√2 の円周上に何らかの特異点をもつことが分かります。 また逆にこの解析関数の z = 0 の周りでのTaylor 展開が半径1/√2の円内でしか収束しないのは、特異点 1/(1+i) が収束のじゃまをしているからだ、という言い方もできます。いずれの言い方をするにせよ、解析関数の特異点と Taylor 展開の収束半径(つまり z^n の係数の増大度)とは直接関係するのです。 ところで、-log(1 -(1+i)z) = Σ(n=1,∞){(1+i)^n/n}*z^n と(※)はよく似た形の級数ですよね。この -log(1 -(1+i)z) という関数も特異点 z = 1/(1+i) を持ち、解析接続の経路による違いを考えた "C\{1/(1+i)} の普遍被覆空間"上の解析関数になります。上の級数の関数は、この log と類似の性質をもっています。