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日米紳士協約の名前について
日米紳士協約という条約がありますが、 なぜ日本人を排斥する協約がこういう名前になったのでしょうか?
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紳士協定(Gentlemen's Agreement)は、1908年に締結された協定です。1906年、カリフォルニア州サンフランシスコを中心に、公立学校における日本人移民児童隔離などの排日運動が激しくなったため、これが両国の外交関係悪化の原因になることを恐れた当時のアメリカ大統領セオドア・ローズヴェルトが事態の収拾を図り、両国政府の交渉(1907年から1908年にかけて)の結果、締結された協定です。 この協定の内容は、アメリカ政府がすでにアメリカに在住している日本人移民の公立学校排斥などの差別待遇をしない代わりに、日本政府は日本人労働者の米国渡航をやめさせること、というものです。「紳士」協定という名の由来は、双方が「紳士的に」相手国政府の立場を尊重して対処する、というところから来ていると聞いています。アメリカが日系移民渡航を強制的に禁ずるのではなく、日本が「自主的に」日本人労働者の渡航をやめさせる、というところがミソであると言えるでしょう。 ちなみにこの協定でカリフォルニア住民が「紳士的」になることはなく、同州で日系人の土地所有を規制する法律などが制定され、最終的には1924年に連邦議会が制定したジョンソン・リード法で日系人を含むアジア系の移民が禁止されました(この法律は、日本では「排日移民法」と呼称されることがありますが、標的は日本人だけではなく、東ヨーロッパやイタリアからの移民を排除する目的も大きかったようです)。 このあたりの日本人移民、および移民をめぐる日米関係については、粂井輝子『外国人をめぐる社会史---近代アメリカと日本人移民』(雄山閣、1997年)が日本語で読めるものとしては詳しいようです。
お礼
たいへんありがとうございました。 詳しく説明していただいたおかげでたいへん勉強になりました。 そして疑問も解消しました。