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「犬」を意味する中国語と印欧語の関係
「いぬ」は現代中国語では、 狗 gou (3声) 印欧語では、 ギリシャ語 kyon (語頭に鋭アクセント、oは長母音) ラテン語 canis サンスクリット語 svan (sは口蓋音) トカラ語 ku 英語 hound ドイツ語 Hund フランス語 chien 中国語の「狗」は、印欧語からの借用ではないか、 といふ説を以前どこかで読んだ記憶があるのですが、 論拠も文献も覚えてゐません。 ご存じの方がいらつしやいましたら、教へてくださいませ。 できれば、この説についての見解もお願ひします。
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中国において、漢字「狗」と「犬」両方も用いられます。 古代中国語は主に犬を使い、現代では狗を使うほうが多いです。 『説文解字』(後漢、紀元100)の中に、「狗,犬也。大者為犬,小者為狗。」大きな犬は犬、小さいな犬は狗という意味です。 『易·説卦伝』 (秦と推測される、約前200)の中にも「艮為狗」の記載がありました。 実は昔から使われる字なので、印欧語からの借用だとは言えないと思います。 ご参考まで
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- SPS700
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借りるのなら、古い方の「犬」ケン、k'iwän (上声)(『上古音韵表稿』表14.2、p。208)の方が、ギリシャ、ラテンに近いかも知れませんね。 狼を飼いならしたのは Zolfagharifard E の2013年の本 "Best Friend for 30,000 years: Genetic testing proves that dog ancestors formed a special bond with man in the Ice Age." では、 東アジアだそうですから、西の方がこちらから借りたのかも知れません。
お礼
早朝から御回答ありがたうございます。 『上古音韵表稿』といふものがあるのですね。 中国語は以前の仕事で必要に迫られて勉強しただけなので、 「犬」は現代のquan(3声)しか頭にありませんでした。 私もSPS700さんと同感で、 「犬」のほうが印欧語に近いやうに思へるのですが、 昔読んだ記憶では、 もともと「犬」だつたものが、 借用の「狗」にとつてかはられた、 といふ説でした。 >>西の方がこちらから借りたのかも知れません。 ごもつともです。 貴重な資料の紹介、感謝いたします。 御教授にもとづいて、自分でももう少し調べてみます。
お礼
御教示ありがたうございます。 「狗」の使用例はずいぶん古いのですね。 もう1000年古ければ、私もかなり納得がいくのですけれど。 Erdbeerkegelsさんの中国語の文を見てゐて、ふと思ひだしました。 中国語学・言語学の橋本萬太郎さんの文章でした。 ネットで調べると、 http://www32.ocn.ne.jp/~jizaiya/list/gengo/gengo/gengoM1979.html (今はなき)月刊「言語」1979年8月号の 「欧亜をさまよう犬と狗」(橋本萬太郎) でした。 もしかすると、冗談のつもりの文章かもしれませんし、 手に入れて、論拠を読んでみようとおもひます。 おかげで発見することができました。 感謝いたします。