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私にとって難解な表現
幸田文の作品からの抜粋です。 》 言い返せば勢たけく罵られ、… 「勢たけく」は何と読むのでしょうか? せいたけく?いきおいたけく? 》 花がヤリテンボウにされて、… この「ヤリテンボウ」の言葉の意味と由来を教えてください。 》 私は引つ込み住みで世間が狭い上に、…(旧仮名遣い) 「引っ込み住み」の意味は「引っ込み思案」と全く同じと考えて構わないでしょうか?
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#2です。 >そう云えば、鏡花の婦系図の中の一節「此頃じゃ落胆して、勢も張合も無いんですけれども」の「勢」は「せい」と読みますね。 : 明治期には「勢(セイ)の無い声を出す。」「先方の勢(セイ)に圧倒されてしまった。」など、「精(セイ)が出る」「精(セイ)を付ける」「勉学に精(セイ)を出す。」と同様、外的発揮力に重きを置いた「勢力」としての「勢(セイ)」と、内面蓄積力としての「精(セイ)」が普通に使われていたものでしょう。 ちなみに「セイカッコウ」を今では「背格好(セカッコウ)」としていますが、本来は「勢恰好(セイカッコウ)」であって、その見掛け上の「形・かっこう・体つき」を表す同義語の連語だったとされます。 例文: 「阿修羅王といふものあり。身の勢極めて大きなり。」(「今昔物語」3-10) >「勢猛し」→「勢猛く」=「せい・たけく」なんですね。 : これもわざわざ仮名書きにした理由があるのだと思います。 個人的には次のような比率の印象になります。 5割…勢・威(たけ)し (威圧するように厳めしい) 3割…勢・猛(たけ)し (荒々しくて強い。猛々しい) 2割…勢・武(たけ)し (勇ましい。武力があって強い) これらの重層的な意義の推敲の結果が仮名書きに落ち着いたのだと。 >調べてみると、デジタル大辞泉に「多く、女性にいう」例として「意気がって伝法な口をきく」を挙げています。 : 今日では、もはや勇み肌で気風(キップ)の好い女性が稀になっているので、自ずから「伝法」や「お侠(キャン)」などは死語となっているのでしょう。
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- kine-ore
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「精(セイ)」と同根の古い用法で、音読み「勢(セイ)たけく」でしょう。 「遣(や)り伝法(テンポウ)」で、やり方が粗暴なこと。ガサツな遣り方。投げ遣り。 「引っ込み住み」は隠居暮し。また世間に出控えての暮らしぶり。 「引っ込み思案」は対外的な行動に進めず、ただ思案だけ留まる消極的な性分。
お礼
【勢たけく】 そう云えば、鏡花の婦系図の中の一節「此頃じゃ落胆して、勢も張合も無いんですけれども」の「勢」は「せい」と読みますね。 「勢猛し」→「勢猛く」=「せい・たけく」なんですね。 【ヤリテンボウ】 調べてみると、デジタル大辞泉に「多く、女性にいう」例として「意気がって伝法な口をきく」を挙げています。それから、幸田文の父露伴の作品「蒲生氏郷」にも「ヤリテンボウ」が登場することを知りました。そこでは、なるほど女性について述べています。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/2709_23559.html この度は誠にありがとうございました。
>勢たけく いきおいたけく(猛く) つよくあらあらしく といった意味でしょう。 >花がヤリテンボウにされて、… (活花にされた)花が槍手棒(または遣り手棒)にされて 残しておくべき部分を皆切られて棒の様にみすぼらしくなって これは てんぼう(手棒);という言葉から類推しました。まちがっているかもしれません。 >》 私は引つ込み住みで世間が狭い上に 引っ込み思案 とはちょっと違うと思います。一人住まいで社会と付き合いがない というくらいの意味だと思います。 ご参考になれば、
お礼
ありがとうございました。
お礼
「勢たけし」の異なる“たけし”(威、猛、武)のご説明、なるほどと思いました。 この度は誠にありがとうございました。 お礼が遅れてしまって、申し訳ありませんでした。