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国語の修飾語について
いつもお世話になります。先日、息子の試験で次のような問題がありました。正しいのかどうかを教えてください。 「チームのためならば、何でも進んでやりましょう。」のならばが修飾する部分はどこですか。との問題です。感覚的に修飾などしないような部分ですが、正解はやりましょう。でした。これは文法的に正しいのでしょうか。わかる方がいましたら、アドバイスをお願いします。
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こんにちは。 結論から申し上げると、この問題は成立していないと思います。修飾・被修飾の関係ではなく、接続・被接続の関係です。詳細になりますが、理由は以下の通りです。 ここでのポイントは、「ば」と「文節相互の関係」です。 まず、「ば」ですが、接続助詞で、活用語の仮定形について、順接の仮定(条件)か、順接の確定(条件)をつくります(それ以外に並立があります)が、ここでは順接の仮定になっています。 詳しく品詞分解すると、「チーム(名詞)の(格助詞)ため(名詞)なら(断定の助動詞「だ」の仮定形)ば(接続助詞)」となっていて、問題の個所でもある「ならば」は、仮定形+「ば」の形で文末の「~ましょう」と対応して、「(もしも)~であるならば」の意味で、順接の仮定となっています。 文節相互の関係について、次の6種類の関係に分類されます。 (1)主語・述語の関係 (2)修飾・被修飾の関係 (3)接続・被接続の関係(接続の関係・接続語) (4)並立(対等)の関係 (5)補助・被補助の関係 (6)独立の関係(独立語) この内、質問に関連するのは、(2)の修飾、(3)の接続です。 (2)の「修飾・被修飾の関係」で、「修飾(語)」は、いつ・どこで・なんで・なに・なにを・どんな・なんの・どんなに・どのくらい等といった状況・対象・様子・程度などを説明して「被修飾(語)」にかかる関係のことをいいます。 この時に、被修飾語が体言(名詞)の文節の場合、かかっている修飾語を連体修飾語、被修飾語が用言(動詞・形容詞・形容動詞)の文節の場合、かかっている修飾語を連用修飾語と言います。 具体的に「チームのためならば、何でも進んでやりましょう。」という質問内容にあてはめると、「チームのためならば」という文節が、「(進んで)やりましょう。」という(用言)文節(述語)を修飾しているかどうかです。「チームのためならば」が、「チームのために(「に」は格助詞)」であれば、「に」が理由を表しますので、上記の「なんで」にあたり、「(進んで)やりましょう。」の内容を説明し、修飾と被修飾の関係になりますが、「チームのためならば」と「やりましょう。」では、「チームのためならば」は「やりましょう。」の内容を説明していません。ですから、「チームのためならば」と「やりましょう。」は、修飾・被修飾の関係にはないことになります。 (3)の「接続・被接続の関係」で、接続語とは、前の文や文節の意味をあとの文や文節に続け、前後の文や文節につなぐ働きをする文節をいいます。接続語は、順接・逆説などのつながりの意味を示しながら下の文や文節にかかり、逆に下の文や文節はそれを受ける(被接続)。そのような接続語と、それを受ける文と文節の関係を、接続・被接続の関係といいます。この時に、順接・逆説の意味をもつ接続助詞のついた文節も、接続語になると定義されます。例として挙げると次のようなものがあります。 *暑かったので、行かなかったよ。=「ので」は確定の順接の接続助詞。「暑かったので」が接続語。「行かなかったよ」は被接続語 *暑いのならば、行かないよ。=「なら」は断定の助動詞「だ」の仮定形。「ば」は接続助詞で、「ならば」で未然形+接続助詞「ば」で、順接の仮定条件(問題文と同じ構成)。「暑いのならば」が接続語。「行かないよ」は被接続語。 *暑いのなら、行かないよ。=「ば」が省略されている例。「ば」が省略されても上記と同じで、「暑いのなら」が接続語、「行かないよ」は被接続語となっている。 ですから、「ならば」-正確には「ならば」は「付属語+付属語」なので、文節になれないので、「ためならば」もしくは「チームのためならば」)の方が適します-は、「接続語」であっても修飾語ではないので、何も修飾していません。連文節で考えると、 「チームのためならば(接続語)、何でも進んでやりましょう(被接続語)」 となり、接続・被接続の関係になります。 なお、接続助詞の順接の仮定・確定、逆接の仮定・確定は、文節(単・複共に)を含めて接続語になる(接続・被接続の関係を作る)と定義されています。 参考に、この文の中で修飾・被修飾の関係を上げると次の2例になります チームの(連体修飾語)ため(体言・被修飾語) 何でも(連用修飾語)進んで(用言・被修飾語) 文節相互の関係は重層的な部分があるので、「チームの(連体修飾語)ため(体言・被修飾語)」についても、単文節相互の関係では「チームの(連体修飾語)ためならば(接続語)」、連文節で考えると「チームのためならば(接続語)」となります。 「進んでやりましょう」は、単文節では「進んで(被補助語)やりましょう(補助語)」になり、補助・被補助の関係になります。 参考に問題文の品詞分解は、 「チーム(名詞)の(格助詞)ため(名詞)なら(断定の助動詞「だ」の仮定形)ば(接続助詞)、何(〈代〉名詞)で(断定の助動詞「だ」の連用形)も(副助詞-強調)進ん(五段活用動詞「進む」の連用形「進み」の撥音便)で(接続助詞-単純接続)やり(五段活用動詞・連用形=ただし、この場合は文法的には補助動詞)ましょ(丁寧の助動詞・未然形)う(意志・推量の助動詞・終止形)。」 問題文についてはそもそも文法的な理解に欠けるところがありますが、質問の仕方にも、もう一工夫した方が良いように思います。「(チームの)ためならば」と「何でも進んでやりましょう」に下線を引き、(連)文節相互の関係を聞いた方が、良かったように思いますし、下のURLにあるように、「ためならば」に下線を引き、文節の働きを答えなさいとしてもよかったように思います。 ともかく、文節相互の関係は間違いやすいですし、重層的な部分もあり、文法の中でも分かりづらい事柄の一つです。それ以外にも、修飾語も被修飾語にかかり、接続語も「下の文や文節にかかり」なので、「かかる」ということでは同じなので、教員でも間違えることも多いのです。 http://www.print-kokugo.com/renbunsetsu/renbunsetsu_s1-03.pdf http://www.jade.dti.ne.jp/~teacher/japanese/bunseturelation.htm 以上、話が広がって分かりづらかったと思いますが、参考まで。
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- TANUHACHI
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これは問題文の書き方が良くありませんね。「修飾語」と言ってしまいますと、名詞を修飾する形容詞や動詞を修飾する副詞の様な印象を与えてしまい、ご質問の様な形になってしまう原因ともなります。 「修飾語」を「掛かり先のある言葉」と考え、「この言葉は何に掛かっていますか?」と設問文で記すべきでしょう。 設問に戻りますと、「何でもすること」が「チームのためになること」ですから、「チームのためになる」との目的を達成するためには「あなたはどうしますか」との文になります。 このことから「ならば」は「やりましょう」に掛かる限定要件となります。そして「具体的に何を」の中身は「何でも」となります。 「感覚的」ではなく「これこれの理由に基づくから」としての論理性の面から文章を読むことが大切です。
お礼
ありがとうございました。
- Sat_H
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この文では「やりましょう」に「チームのためならば」と条件を付けていますので、「チームのためならば」は「やりましょう」を修飾していると考えられます。 「チームのためならば」 ↓修飾(条件指定) 「やりましょう」
お礼
ありがとうございました。
- marbleshit
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(それを行なうことが)チームのため(になる)ならば、 と補ってやると一目瞭然でしょう。
お礼
ありがとうございました。
お礼
詳細なお答えありがとうございました。何とか噛み砕いて説明しました。先生にも質問してみるそうです。