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フェルミ球が動くとはどういう事でしょうか?
- フェルミ球とは電子気体の基準状態において、波数空間の電子によって占められたものです。
- フェルミ球の内部の自由電子は動かず、表面近傍の電子のみが電流に寄与します。
- 外部から加えられた電場によってフェルミ球が一定の速さで動くのですが、その理由はまだ明確には分かっていません。
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3次元自由電子のバンド分散は E=h^2(k_x^2+k_y^2+k_z^2)/2m と与えられます(hbarを単にhと書いています)。 多数の電子がある場合の基底状態を考えたいのであれば、 基本的にはエネルギーのより低い状態から順につめていけばいいのですが、 その結果、E<E_Fの状態が全て埋まったとしましょう。 E_F=h^2k_F^2/2mとすれば、k_x^2+k_y^2+k_z^2<k_F^2であるような状態が埋まった事になりますので、電子に占有された状態は波数空間上で球状に分布しており、これが「フェルミ球」と呼ばれるものです。 電場をかけた場合、古典論(ドルーデ模型)では、 電子たちは電場から力積を受け取った結果、電子たちの運動量の平均値がqEτだけ増加します。 量子論でも自由電子模型に関しては個々の電子の運動量がqEτだけ増加すると考えれば正しい結論が得られます。つまり、先ほどのフェルミ球内に占有していた電子たちが一律に波数空間上で電場の方向にqEτ/hだけ動くわけです。そうやって動いたものも球ですので、素朴にはフェルミ球が(波数空間上で)平行移動したのだと思う事ができます。 http://www.kh.phys.waseda.ac.jp/superconductivity@.html の図4を見て頂いた方が想像しやすいと思いますが、 フェルミ球が平行移動する事によって、電場をかける前後で電子に占有されていたどうかが変化した軌道がフェルミ球の表面近傍にありますよね。 実際の電流はこのような変化がもたらしているのでフェルミ面近傍の電子が電流に寄与しており、フェルミ球の内部の電子は電流に寄与していないのだ、と考えて頂ければいいでしょう。
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- eatern27
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「フェルミ球」ってのは実空間に存在しているものではなく、波数空間(逆格子空間)にあるものだという事は理解されてますか?
補足
すみません、勉強不足でした。しかし逆格子空間で囲んだ電子が動くというと、より一層分からなくなりました。 自由電子は逆格子空間に存在している物と定義されていたのですか?そこも合わせて回答を頂けると有り難いです。
お礼
URL先の図も合わせて考えると分かりました。有難うございます。