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ドイツ語でeiがアイと発音される理由

ドイツ語の発音は、英語よりつづり字に近いように思いますが、アインのようにようにeiはエイではなくアイと発音されます。おそらく歴史的な理由があるのではないかと思いますがご存知の方に教えていただければと思います。

質問者が選んだベストアンサー

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  • trgovec
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回答No.1

原始ゲルマン語の ai を受け継ぐ単語が古高ドイツ語で ei と綴られていました。おそらく当初は文字通り [ei] と発音されていたと思われますが時代とともに発音が変わり一方で綴りはそのまま保たれていたものと思われます。 http://en.wiktionary.org/wiki/ein#German 一方で原始ゲルマン語や古高ドイツ語では i[i:] だったものが中高ドイツ語で ei に変化したものもあります。これは英語に起きた変化とほぼ同じです。 http://en.wiktionary.org/wiki/sein#Etymology_2 少数ながら ai と綴るものもありますが、語源が外国語のケースがあります。 http://en.wiktionary.org/wiki/Hai http://en.wiktionary.org/wiki/Mai#German ちなみに eu「オイ」も相当奇妙ですが、古くは iu だったものがおそらく少し舌の位置が下がり eu となりさらに発音だけ大きく変わったものと思われます。 http://en.wiktionary.org/wiki/Leute http://en.wiktionary.org/wiki/neu#German ドイツ語は比較的綴りと発音の対応がしっかりしていますが(ローマ字読みという意味ではなく)、古くからの綴りを完全になくすまではいっていないようです。

noname#194289
質問者

お礼

詳しく教えていただきありがとうございました。補足欄に別の質問を書かせていただきましたのでこちらも教えていただければと思います。

noname#194289
質問者

補足

つづりと発音がよく対応しているドイツ語と違って英語ではずいぶんかけ離れてしまっているものが多いと思いますが、この違いは何に起因しているとお考えでしょうか。

その他の回答 (2)

回答No.3

歴史的なことにつきましては、大変ご立派なご説明がございますので、 追加的に現実問題としてひとこと。 アインやアイが歴史的なシッポを残す形でしょうか。南ドイツ、オーストリア およびスイスのドイツ語圏内では、アインとエインの中間音、というかむしろ 日本人の耳には、エイに近い音に聞こえる発音が、日常生活のなかで、 生きています。きわめて普通に。 これが北に行くほどに薄れて、アイ、アインと明確になるのが現状だと思います。

noname#194289
質問者

お礼

このお話も大変興味深く読ませていただきました。方言の中に古い形が残されているという例は日本語の中などにもあることを聞いたような記憶がありますが、英語でもオーストライアデはデイをダイと発音するようですね。つづりとの一致度はダイのほうが大きいように思いますが、言葉の変化には複雑な仕組みが潜んでいるのではないかと思いました。ご教示ありがとうございました。

  • trgovec
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回答No.2

英語は大母音推移という変化を経験しましたが、綴りがほとんど変化しなかったため綴りと発音の乖離が大きくなりました。 大母音推移が始まる以前の中英語期から綴りはほとんど変化していませんが、古英語から中英語にかけての変化が現代語に通じるものです。 cniht [kniçt] - knight [kniçt] - knight [nait] hnutu [hnútu] - nute [núte] - nut [nʌt] ただし、固有の単語について言えば、いわゆるローマ字読みとは違うものの発音と綴りには一定の対応があり、これは他言語と同じです。方言形が標準になったため例外的になったもの(例えば bury は基になった方言が綴りと発音で違うためきわめて例外的な発音をしています)もありますが、ノルマンコンクエスト以降大量に入り込んできたフランス系の単語が、固有の単語とは違う綴りをしているためそれがルールを乱すことにもなりました。さらにフランス系の単語がもはや外来語として感じられないほど語彙の中に入り込み、英語流つまりゲルマン的にに発音をこなしてしまったことがさらに乖離を起こしました。 ドイツ語にも相当数のラテン・フランス系の単語が入っていますが、Spiegel, Straße, Abenteuer のような古いもの(発音がゲルマン流に変化)以外はいかにも外来語然とした発音で、綴りが例外的なのも致し方ない感じがします。例えば Nation は後ろにアクセントがありますがこれはゲルマン的ではありません。英語も中期英語の頃は「ナーシオーン」のように発音されていましたが現代語の発音 [néiʃən] は語頭にアクセントを置き弱音節はあいまい化するゲルマン流になっています。これを綴りもゲルマン流に、たとえば nashen のようにするのは語源との関連が薄れてしまうので無理があり、従来の綴りが定着したからには変更するのは現実的ではありません。もう一つ加えるなら、綴りを改めようとする動きが全く起きなかったことも原因でしょう。英語にはスペインの王立アカデミーのような統制機関はありません。英国式に比べてやや合理的なアメリカ式綴りもどこかの機関が決めたのではなく、辞書のウェブスターが採用したためです。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%AF%8D%E9%9F%B3%E6%8E%A8%E7%A7%BB
noname#194289
質問者

お礼

思いがけず学生に戻ったような気持ちになりました。言葉も生き物であるということが実感できました。改めて感謝申し上げます。

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