『この文章の和訳をお願いします』という質問の補足
以前、ddeana様に和訳して頂いた英文の質問の補足です。
文中のいくつかの式において、記号の誤植が見つかりましたので、お詫びして訂正させていただきます。
該当質問URL↓
http://okwave.jp/qa/q8267587.html
(1)
(誤)<P(e,0)>_2B=(2/π)E(√(3/4))ρ_(2D)v, (28)
(正)<P(e,0)>_2B=(2/π)E(√(3/4))σ_(2D)v, (28)
ρ→σの誤りでした。
同様に
(誤)ρ_(2D)v
(正)σ_(2D)v
以下は既に補足済みのものです。
(2)
(誤)
<P(e,i)>_2B=(2/π)^2E(k)πr_p^2{1+(6/(r_p(e^2+i^2)) }(e^2+i^2)^(1/2)/(2i), (29)
(正)
<P(e,i)>_2B=((2/π)^2)E(k)πr_p^2{1+6/(r_p(e^2+i^2))}(e^2+i^2)^(1/2)/(2i), (29)
以下は誤りを訂正した正しい英文です。
5. Normalization of collisional rate
First, we introduce an enhancement factor defined as the ratio of the collisional rate <P(e, i)> to that in the two-body approximation <P(e, i)>_2B:
R(e, i)= <P(e, i)>/ <P(e, i)>_2B. (27)
The factor R(e, i) gives a measure of the collisional rate enhancement due to the effect of solar gravity. In the two-dimensional case, <P(e,0)> is given by Eq. (11) while <P(e, 0)>_2B is defined by
<P(e,0)>_2B=(2/π)E(√(3/4))σ_(2D)v, (28)
where E(k) is the second kind complete elliptic integral and σ_(2D)v is given by Eq. (3) with <e(2/2)> replaced by e^2 (note that the units are changed, i.e., v=(e^2+i^2)^(1/2) and Gm_p=3). The numerical coefficient 2E(k)/π(=0.77) is introduced so that the collisional rate <P(e,0)>_2B coincides with <P(e,0)> in the high energy limit, v→∞ (see Paper I and Greenzweig and Lissauer, 1989).
In the three-dimensional case, <P(e,i)> is given by Eq. (10) while <P(e, i)>_2B by Eq. (1) with <e(2/2) > and <i(2/2)> replaced, respectively, by e^2 and i^2. It should be noticed that <P(e,i)> has the dimension per unit surface number density n_s. Then, we define <P(e,i)>_2B by nσv/n_s; (n_s/n) corresponds to twice the scale height (in the z-direction) of a swarm of planetesimals. Usually, the scale height is taken to be i*a_0* (i.e., i, in the units here). As in the two-dimensional case, we require that <P(e,i)>_2B must coincide with <P(e,i)> in the high energy limit. Then, by introducing the numerical coefficient (2/π)^2E(k) (=0.49~0.64) (see Paper I), we have
<P(e,i)>_2B=((2/π)^2)E(k)πr_p^2{1+6/(r_p(e^2+i^2))}(e^2+i^2)^(1/2)/(2i), (29)
with
k^2=3e^2/4(e^2+i^2). (30)
6. The collisional rate for the two-dimensional case
In this section, we concentrate on the collisional rate for the two-dimensional case where i=0. In this case, the small degrees of freedom of relative motion allow us to investigate in detail behaviors of orbital motion: it is sufficient to find collision orbits only in the b-τ two-dimensional phase space for each e, as seen in Eq. (11).
お寄せ頂いた和訳↓
5.衝突速度の規格化
まず、衝突速度<P(e, i)>と二体近似での衝突速度<P(e, i)>_2Bとの比として、促進係数を導入する。
R(e, i)=<P(e, i)>/<P(e, i)>_2B. (27)
係数R(e, i)は、太陽重力の影響による衝突速度増大の尺度を与えてくれる。二次元において<P(e, 0)>は方程式(11)の通りだが、<P(e, 0)>_2Bは次のように定義される。
<P(e, 0)>_2B=(2/π)E(√(3/4))σ_(2D)v, (28)
ここでのE(k)(※1)は第2種完全楕円積分(※2)であり、σ_(2D)vは方程式(3)を用い、<e(2/2)>をe^2に置き換えることで与えられる(単元が変更されることに留意されたし。例えばvは(e^2+i^2)^(1/2)となりGm_pは3となる)。数値係数2E(k)/π(=0.77)が導入され、衝突速度<P(e, 0)>_2Bは高エネルギー限界(vが限りなく無限大に近づくところ)において<P(e, 0)>と一致する(第一論文と1989年グリーンバーグとリシャールによる論文を参照のこと)。
3次元の場合、<P(e, i)>は方程式(10)によって求められるが、<P(e, i)>_2Bは方程式(1)の<e(2/2)>をe^2に、<i(2/2)>をi^2にそれぞれ置き換えることで求められる。なお、<P(e, i)>が表面数密度n_s単位あたりの次元を有することに留意されたい。その後nσv/n_sによって<P(e, i)>_2Bを定義する。尚、(n_s/n)は微惑星集団のスケールハイト(※3)(z方向での)の2倍に相当する。通常スケールハイトはi*a_0*とみなされている(すなわち、ここでの単位)。二次元の場合と同様に、<P(e, i)>_2Bは高エネルギー限界で必ず<P(e, i)>と一致することが要求される。その後数値係数(2/π)^2E(k) (=0.49~0.64)(第1論文参照)を導入することにより次のような式が求められる。
<P(e, i)>_2B=((2/π)^2)E(k)πr_p^2{1+6/(r_p(e^2+i^2))}(e^2+i^2)^(1/2)/(2i), (29)
それと
k^2=3e^2/4(e^2+i^2). (30)
6.二次元の場合の衝突速度
この章では iが0である二次元の場合の衝突速度に焦点をあわせることとする。このケースでは相対運動の自由度における柔軟性により軌道運動の詳細な動きを研究することが可能となる。つまり方程式(11)に見られるように各eについて b-τ二次元位相空間の中での衝突軌道のみを見つけることで十分なのである。
※1:カッコ内のkは母数、modulusのことです。
※2:楕円積分については下記をご参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%95%E5%86%86%E7%A9%8D%E5%88%86
※3:地表面の大気圧に対して 気圧がe-1 になる高度のこと。また惑星の大気は高度とともに指数関数に従って減少しますが、どの高度でも同じ気圧を持つ仮想的な大気で惑星を脱出する大気の割合を考える場合は、この仮想大気の高度の上限のことをスケールハイトと呼びます。