男の花道
NHK 大河 『 真田丸 』 に触発されて、 信州 上田 の地を訪れたのは 数年前の GW 、非常に暑い日であったと 記憶しております。
その大手門だけを 何故か鮮明に覚えている 上田城 は、千曲川 の支流を 外堀代わりに引き込んではいるものの、さして要害の地ではなく、そこいらにある 平城という印象 ・・ は ともかく、 ここ何年かの大河で この 『 真田丸 』 は、 出色の出来栄えであったのではないでしょうか。
ところで あれはドラマの最終回 ? 、恐らく 死を覚悟していたのでしょう、大阪夏の陣の 決戦前夜 、 真田幸村 が 翌日には遺児となるであろう我が子を 伊達政宗 に託すシーンがあります、正確には その家来 片倉小十郎 に ( 伊達少将家 との家格差を考慮したのではなかろうかと、勝手に思う次第です ) ではありましたが。
当時 伊達家 と 真田家 の交流は殆ど無かったと聞きます、依って 何を以って 正宗 に縋ったのかは定かではありませんが、あの時の 幸村 の心情と 正宗 の侠気を思うと、胸にこみ上げるものがある、この人と見込んで 我が子の行く末を託す方も男なら、滅び行く武将の遺児を リスク覚悟 ・・ 無条件で引き受ける方も男ではないかと。
御承知の通り 幸村 と言えば、 真田丸 に於いて 散々東軍の血を吸い上げ、果ては 翌 決戦当日、家康をあわやというところまで追い詰める事となる 大坂方の主将の1人 ・・ 勿論 A 級戦犯 です、恐らく 小心翼々とした そこいらの凡百大名では 絶対に受けられない話であったでしょう、少なくとも 徳川 に話は通したはずです。
ところが 正宗 は快諾し、事実 その女児だけではなく 次男をも匿う事となる、故に 遥か奥州に於いて、 真田幸村 直系の血脈が 綿々と受け継がれる訳です、歴史のロマンですねぇ。
あの時の 徳川 の勢威を考えれば 大変な男気でしょう、下手をすればお家取り潰しまでありましたから。
一方に於いて 家康 亡き後の騒乱を想定し、 真田 に恩を売ったなどと、痛くもない腹を探る人がいたりもしますが、馬鹿を言っちゃいけない・・、仮に 百歩譲ったとしても 、秤に掛ける事になるのは 真田に売る恩と 徳川方にばれるリスク・・、損得だけを考えれば、これほど間尺に合わない話はありませんね。
豊臣 の天下が定まって尚、隙あらば旧領を回復しようと 蠢動・策動し、数々の悪事をさらりとやってのけて 梟雄と呼ばれたのもこの人なら、何のメリットもない 斯様な侠気を発したのも 「 馬上少年過ぐ 」・・ 伊達政宗 その人でありまして、その落差が凄い訳ですが、何の自覚も無いまま 私が 正宗 ファンになったのは、きっとこの裏話を知ったからだろうと思う次第です。
おっと ・・ 話が横道に逸れ過ぎました、 何せ 伊達政宗 が好きなもので。
さて 勝敗はさほど拘泥する点に非ず ・・ 、 家康 を追い詰めた 大阪夏の陣 は、間違いなく 真田幸村 の 男の花道 ではなかったろうかと思うのです、 遥か後世に生きる 万余の人々を感動させる訳ですから。
その他 戦に限らず、世の中には色んな花道があると思います、 皆様が考える 「 男の花道 」 ( 勿論 「 女の花道 」 でも結構 ) がありましたら、宜しくお願いします。
お礼
ありがとうございます 本でチラッと読んで気になったので質問したのですが ここまで詳細に答えてくれて助かりました