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利器材と手打ちの包丁の差
- 包丁の切れ味は材質よりも研ぎ方と形状に依存することがわかりました。
- 家庭で使うレベルの包丁では、手打ちの差はあまり感じられないかもしれません。
- プレスや型抜きの包丁でも、一流メーカーのものであれば、手打ちとの差はそんなにないと思います。
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鋼ではなくアルミの鋳造と鍛造の組織写真ですが。 http://www.tm-square.com/popw2i.html 鋳造金属は特に組織が粗いままだと思うので、刃物用ステンレス鋼の圧延鋼板はこれほど組織が粗くないとは思います。 これは極端な比較だと思います。 しかし、鍛造すると同じように粒子が細分化し整流化されることは確かでしょう。 鍛造包丁は錆びやすい炭素鋼が多いです。 ステンレス鋼を鍛造整形しているメーカーは多くありません。 越前打ち刃物に多いです。ミソノは関ですが電話したときにちょっと聞いたら鍛造しているとおっしゃってました。 ・ローラーで圧延するのは鋼材メーカーです。刃物メーカーではありません。 http://www.youtube.com/watch?v=Wk45Z1xJl8Q ふつうの圧延鋼板はローラーで熱間圧延しているので組織の微細化効果はほとんど無いと思います。 ・刃物メーカーは圧延されて薄くなった鉄板を鋼材メーカーから購入して、ブレードの形に型抜きし、刃先を削って熱処理して刃物を造ります。 http://www.youtube.com/watch?v=1gkFVfRqkgQ ・量産包丁の製造過程で「プレスする」という場合、プレス機で型抜きする工程を指します。 この工程では組織は微細化しません。 ・粉末冶金法は粒子が粗くなることや成分の偏在を防ぐために開発された整形方法なので、いわゆる粉末鋼なら鍛造と同等の性質があるかもしれません。 鉄(Fe)の原子半径は約0.12ナノメートル、約1万分の1ミクロン程度です。 一番上の引用URLの組織写真に見られる粒子より、はるかに小さいわけです。 写真に写っているのは鉄の原子ではありません。鉄の塊はナノメートル単位の原子が規則正しく並んでできているのではありません。 写真に見られる粒子は何か。 これは、製鉄の過程で1500度以上の液相から冷えて固化するときに形成されます。原子は数ミクロン~数十ミクロンぐらいの固まりに集合して、その粒子がさらに集合して大きな鉄の塊になっています。 ひとつひとつの粒子は比較的強く結合しています。このため、引っ張ったり折り曲げたりして鉄が欠けたり割れたりするときは、粒子と粒子の境目が裂けます。粒子と粒子の境を「粒界」といいます。 粒子が微細であるということは、粒界が多いということです。外から力を加えると、その力はたくさんの粒界に広く分散されます。 反対に、粒子が大きく組織が粗いと粒界が少ないので、力が集中して破断しやすくなります。だから、同じ硬さの鉄でも粒子が粗いほど欠けやすく折れやすくなるのです。 これは「粘りが無い」「脆い」という性質です。 粘り強さは硬度が高いほど重要になります。 HRC50~55ぐらいの家庭用包丁だと、柔らかいおかげで破損しにくいので、あまり違いは感じられないかもしれません。 「柔らかい」というのは「脆い」とはまた違った意味も持ちます。ぐにゃぐにゃ曲がったり伸び縮みするような性質です。 この特性は、原子ないし粒子間の距離が伸び縮みするという性質です。 硬いということは、粒子同士の位置関係が動きにくく、また、粒子同士の結合が強いという二つの性質を兼備しているということです。 伸縮性による粘りが乏しいので、組織の微細化による粘りは重要になるはずです。 しかし、実際の製品で善し悪しを評価するためには、硬度、厚さ、刃角度、形状や重さが同一で、組織だけが違う物を比較する必要があります。 ですが、個々の製品の硬度を計測して組織を観察することは容易ではありません。残念ながら実際の製品で客観的な評価をすることは困難です。 ただ、私は仕事の関係でいろんな包丁を持っていますが、使っているのはほとんど打ち物の包丁です。 和包丁だけでなく牛刀も炭素鋼で打ち物の包丁を使っています。 手元に残している牛刀は、八寸で、メーカーの違う三本ですが、みんな炭素鋼で打ち物です。二本は貰い物なので値段はわかりませんが、1万円しないかもしれません。 簡易シャープナーなんかを使ってそこそこの切れ味で使うならあまり違いは無いかもしれませんが、仕上砥石まで使ってしっかり研いで使うと、研ぎやすさだとか刃付きの良さがわかると思います。
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- ORUKA1951
- ベストアンサー率45% (5062/11036)
No.4です。お礼に質問が書かれていました。 >和包丁だと、柄に差し込むところに幅をつけられませんから、厚くなる、ということなのですね? いいえ、柄の部分は切り取って整形しますからどのような幅も出来ます。 ポイントは、見の部分を薄く柄の部分を厚くという理想的な形状には鍛造しか出来ないということです。 ■ただ、洋包丁だと利器材でも幅がとれるから、合わせ柄で構わなければ、それはそれでいいということになるわけでしょうか? 合わせ柄は、修理が難しいですからステンレスでない場合は手入れをきちんとしなければなりません。必然的にステンレスが多くなる。 ■ちょっとした鍛冶屋は自分でハンマーで叩いて包丁を作るしかないわけでしょうか? その技術があるからプレスが要らない ■利器材のロールの展伸とハンマーで、切れ味、研ぎに差が相当出るもんでしょうか? ここは、根本的に認識が違います。 御存知のように、合金は混ぜ物が多くなるほど融点が下がります。例外もあります。 ・鉛よりもハンダのほうが要点は低い ・炭素の多い鋳鉄は融点が低くサラサラと流動します。 そのため、極端に組成の異なる鋼材は鍛造でないと展伸できないのです。青紙という鋼材と純鉄に近い軟鉄を火に入れると、軟鉄のほうは硬いのに、刃金は柔らかくなりすぎるのです。蟹クリームコロッケをつぶすイメージ・・(^^) そのため、細かい手加減が必要なのです。ロール用の素材は鍛造できますが、鍛造用の素材はロールで伸ばせないのです。よい切れ味、使いやすさ、そして重要な砥ぎのしやすさを追求し鍛造を選択して、それなりの鋼材を選択しても、ロール整形できないのですよ。 そもそも、鋼材が異なるのですから、比較は出来ません。
- dogday
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>素人が切れ味を求める、家庭用包丁というレベルでして、プロのような用途と使い方で・・・というわけではありません。包丁の出せるお金もMAX2万円というところでしょうか・・・ この悩みなら、この金額以上はアタリはあってもハズレがないって下限があると思います。 安い手打ちよりは、高い鋼材のプレスのほうが品質がいいから。 包丁なら、、、180mm三徳で1万5千円オーバー位からかな? 逆にペティナイフサイズに1万出せば、手打ちでもそこそこの本物が手に入る。日本人の家庭調理にあまり普及していないので、自分の料理スタイルを変えることになりますが、変えることで同時にレベルアップします。 包丁には切れ味の他に、刃持ちとサビの問題があるので、家庭用とプロユースで使用時間、不使用時間が違うので、求めるバランスが違うのです。 和鋼の青紙なんか安くてよく切れますけど、家庭じゃ一晩でサビサビになまってしまう。毎晩仕事終いに包丁研ぎを必要とする職人じゃないと使いこなせない。マメに研ぐから寿命も早いので、手打ちでも安く売ってる。 ネットや書籍での机上の空論ではいつまでも答えは出ません。刃物の切れ味は、切り方にも、研ぎにも、手入れにも、利用者の技術を要求される総合力だから。 砥石の比較HPなんてのが、ネット検索するとあるのですが、1ヶ月程度で砥石を数ミリまで減り切って砥石が割れたりしてて驚きます。 砥石も砥石研ぎで平滑を出すからなんですが、研いでる包丁の減りはどういうペースなんでしょうね?
- ORUKA1951
- ベストアンサー率45% (5062/11036)
最も大きな違いは、本体(身)の部分の厚さと柄の部分の厚さでしょう。 身は薄いほうが良いのですが、薄くすると柄の部分が弱くなります。 柄の部分の強度を保つために、 (1)ある程度の厚さが必要になるか、 (2)幅が必要 になります。 (1)の場合、必然的に身も厚くなり、ジャガイモなどの固い素材に対して切れ味が低下し、包丁も重いものになります。 (2)の場合は、使いやすい和包丁タイプではなく合わせ柄になります。 柄が錆びると修理不能になります。 鍛造すると、身の部分だけ薄く出来るためこれらの問題が解決されます。 なお利器材はロールでの展伸ですが、ハンマーだと鉄の結晶の粒界が破砕され細かくなりますから、顕微鏡で結晶構造を観察すると明確な差が現れます。
- dogday
- ベストアンサー率29% (2313/7949)
手打ちの職人が、こだわった鋼材で最新最高のプレス機で、こだわりの研ぎ方と包丁の形状に作ることだって、完全総監修することで可能なわけで、 その製品は、同レベルのきちんとしたメーカーより明確に切れる包丁の制作は可能でしょう。 でも、その品質管理とこだわりを反映させると、材料費と人件費と歩留まりから常識的な数打のプレス製品の値段では出せませんし、 そのエラー率を総計したら、手打ちのほうが利益が出るから、こだわり職人は大型プレスではなく、手打ちで作ることを選択するのです。 品質を均一化するために妥協する部分が、妥協しないこだわりの差であって、 きちんとした一流メーカーは、経営がきちんとしているから一流に成長したのですから、利益率より品質を求めるこだわりの手打職人には絶対に敵いません。 で、この質問の発想になるのは、本当の本物を触ったことがないからです。 一度でも触ったことがあるなら、自分に見合わないからいならないや。とか、倍出しても一生ものとして欲しい。とか、もうちょっと下のクラスでもいけるかな?という自分の解答が導き出されるから、そんな疑問に思わないのです。それもまたこだわりだから。 いくら説明したところで、触ってみないと差の答えは出ないのです。 高いから、珍しいからには理由があり、高い金を出す購入者のこだわりの満足度を満たすから、高く値付けしても売れる。 それは切れ味だけではありません。重量バランスとか、柄の太さとか材質の触り心地とか、炭素量の分布による切れ味の手触りにまで及びます。 抵抗なくスパっと切れると素材の感触がなく気持ちよくない。ザクッと気持ちよく切れる感触が手に伝わると、包丁人の思いのまま美しい切り口が素材に反映されます。 自分で砥石で研ぐ粒子感の感触の良さなんてのも大きい。これは電子顕微鏡でミクロン単位でも判別が無理。均一化と真逆の特性です。 包丁は材料を切る時、包丁も研ぎ切れているから鈍るので、包丁人の使い方によっても一流の定義は一人ひとり違いますし、 別の視点として、プレス機で包丁型を抜くのも、包丁に刃をつけるのも刃物なので、プレス機でロット製造する限り、ロットの最初と最期で同じ包丁は作れない。 それを均一化すると、こだわりの一本には絶対に勝てない。
補足
ご回答有難うございます。 利器材をロールにかけた場合とハンマーで打った場合は、鉄の結晶構造が変わり、ハンマーで打ったほうが微細化すると聞いたことがあります。 ですので、丁寧にロールをかけてもハンマーで打つのとは違うんだと思います。 ただ、知りたいのは、どのくらい違うもんなのかな???という点なんです。 素人が切れ味を求める、家庭用包丁というレベルでして、プロのような用途と使い方で・・・というわけではありません。包丁の出せるお金もMAX2万円というところでしょうか・・・
- pigunosuke
- ベストアンサー率19% (1063/5529)
更に言うなら どれ程素晴らしい技術が開発されても それを導入する資本(お金)が無ければ無理ですよね 包丁って、1度買えば、何度も買い直す必要は無い物ですし 沢山作っても、売れなきゃお金は手に入りません 今、工場で作業しているプレスの機械で、 型を抜けない程の素材を持ち込んでも、意味無いと思います やっぱり手打ちのが良いのではないでしょうか?
- pigunosuke
- ベストアンサー率19% (1063/5529)
機械で温度管理や品質管理をされた「野菜」と 人が手をかけて、愛情を込めて作った「野菜」 どちらが美味しいでしょう? 多分、誤差をランクで言えば 「A」と「A+」くらいでしょう 機械では「A+」になれない そこに価値が生まれると思います
補足
>>愛情込めて作った野菜が美味しいはず・・という答えがありきだと思うかもしれませんが、そうでもないんじゃないか、という気がします。 機械で温度管理や品質管理した場合、野菜はAランクはとれますが、人が愛情込めて作っても、人力による場合は、A+もあればBになっちゃうことも多く発生する気がします。 メーカーが一律作れば、レベルも一律。個別の鍛冶屋だったら力量がバラバラだから、うまくもあれば下手もある。鍛冶屋が手打ちしたものが一律良い品だというのは、そうでもないような気がします。大手メーカーならお客さんの声や組織としてのノウハウの蓄積や研究は相当するでしょうが、個人の鍛冶屋はあくまでも人力によりますすからレベルはバラバラでしょう。
お礼
いつもいつも、ご回答有難うございます。 そうしますと利器材だと、(1)厚くなる(2)幅がいる、ということは和包丁だと、柄に差し込むところに幅をつけられませんから、厚くなる、ということなのですね? ■ただ、洋包丁だと利器材でも幅がとれるから、合わせ柄で構わなければ、それはそれでいいということになるわけでしょうか? ■考えてみると、ロールというのは大きな機械だと思うので、ちょっとした鍛冶屋では持てないと思います。すると、ちょっとした鍛冶屋は自分でハンマーで叩いて包丁を作るしかないわけでしょうか?(あるいは、自分で作ったふりをして、実は下請けor OEMで売っている) ■利器材と比べると、ハンマーで手打すると切れ味に相当な差が出るもんでしょうか? 理屈からすると、結晶は微小化するから・・と言うのは分かるんですが、利器材のロールの展伸とハンマーで、切れ味、研ぎに差が相当出るもんでしょうか?