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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:横弾性係数(せん断)の実際的意味)

横弾性係数(せん断)の実際的意味

このQ&Aのポイント
  • 横弾性係数の実際的意味を調べると、軟鋼の横弾性係数は81,000~82,000N/mm^2であることがわかりました。
  • 横弾性係数はせん断係数ともいわれ、軟鋼を1mm^2あたり約8tの力で横にずらしてせん断するという意味です。
  • しかし、1mm^2の断面を持つ細い軟鋼を固定してせん断することは現実的ではなく、体重60kgの人間が1.1mm径の軟鋼線に乗ってジャンプしてもせん断されることはありません。

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noname#221368
noname#221368
回答No.1

 そうですね。せん断係数(横弾性係数)の前に、ヤング率(縦弾性係数)でスケール感をつかんでおきますか。ただし規格化されたバネ定数であるヤング率は、当然ご存知と仮定します(^^)。  鋼材のヤング率は、E=20,000kgf/mm^2(200,000N/mm^2)くらいです。断面積1mm^2かつ長さ1mmの鋼線(針金)を1mm伸ばすには、F=20tfの引張力が必要です。もっとも、長さ1mmの針金を1mmも伸ばしたら歪みεは100%ですから、当然と言えば当然の結果で、ここまで大変形だとフックの法則も成立しませんが・・・(^^;)。  そこで針金の全長を10cmとしてフックの法則を適用しても、F=20tf=0.2tf=200kgfとなり、まだまだ指でつまんで引き伸ばせるオーダーではありません。歪みもε=1/100=0.01(1%)=10,000μで、じつは引張破断してもおかしくないような伸び歪みです。  ここから言える事は、断面積1mm^2の10cm程度の針金でさえ、指でつまんで引き伸ばす事は、まず不可能という結果です。  でも断面積1mm^2の10cm程度の針金は、手で曲げられますよね?。例えば針金の一端を固定し、他端を指で針金に直角に、1kgfもない強さで押しても曲げられます。仮に押す力を1kgfとします。  針金の固定端にかかる力のモーメントは、M=1kgf×100mm=100kgf・mmです。面倒なので1mm真角(正方形)の断面だとして断面2次モーメントを計算すると、I=1/8×1mm×(1mm)^3=0.125mm^4。固定端断面の縁応力σm(曲げ引張応力)を、公式:σ=M/I×d,d=0.5mm(縁短距離)で計算すると、   σm=100/0.125×0.5=400kgf/mm^2 になります。ところが鋼材の降伏点強度は、35kgf/mm^2程度しかありません。E=20,000kgf/mm^2と比較して、以外に小さくてびっくりですよね?(^^;)。σmはその10倍以上にもなるので、曲げ塑性変形どころか曲げによる引張破断さえ起きておかしくありません。実際には塑性変形により応力の再配分が起こり、大変形の影響でM=100kgf・mmをかけ続ける事も不可能になり、適当に曲がったままの残留変形を残して、針金は曲がります。  ここから言える事は、曲げ変形の影響は非常に大きい(手でも可能)という事です。力のモーメントは、梃子の原理だからです。  「軟鋼線に乗って思いきりジャンプ」の話ですが、このケースでも曲げ変形の影響が最大です。たぶん軟鋼線は「曲げ」で曲がります。じつは純引張や純圧縮の状態をつくるのは何とかできますが、純せん断の状態を作りだすのは、技術的にもかなり困難なんです。  単純に考えれば、横に張った材料の両端を上下にずらせば良い訳ですが(直接せん断試験)、これってさっきの「曲げ試験」とほとんど変わりませんよね?(^^;)。力のモーメントの梃子効果を小さくするためには、梃子のアームである、材料の長さを小さくすれば良い訳ですが、そうすると短い針金が、どんどん変形しにくくなるのは容易にわかると思います。なのでせん断弾性係数も、以外に大きいんですよ。  それで色々な間接せん断試験の方法がありますが、直接引張(圧縮)試験やねじり試験の結果から弾性理論に基づいて、せん断弾性係数を算出するのが基本です。等方性材料の場合、せん断弾性係数Gとヤング率Eには、   G=1/2×E/(1+ν),ν:ポアソン比(鋼材は概ね0.3) の関係があります。これにE=20,000kgf/mm^2,ν=0.3を代入すると、G=8,000kgf/mm^2程度の値になります。  あくまで一般的な概ねの話ですが、鋼材では、安全に繰り返し使用可能な許容応力度σcaは、降伏点強度σyの1/1.7倍程度のσca=15kgf/mm^2,降伏点強度はσy=35kgf/mm^2,引張破断強度はσyの1.5倍のσy=50kgf/mm^2、程度と言われています。引張の破壊強度(破断強度σf)のオーダーは、ヤング率Eの1/500程度です。同じ材料であれば、せん断強度σsfとせん断弾性係数Gとの関係も、似たようなものだと想像できます。  柄の長さが10cmくらいのラジペンで針金を切断するとします。σsf=G/500=16kgf/mm^2として、ラジペンの挟みの根元に1mm真角の鋼線を挟むとすれば、梃子の原理から必要な握力は、16kgf/mm^2×1mm^2×1mm/100mm=160gfです。概ね150gの握力で鋼線は切れます。これは材料が切れちゃったので、失敗したせん断試験ですが(^^;)、握力150gfはけっこう妥当な値のような気がします。  そうするとこれの500倍、柄の長さ10cmのラジペンを80kgfの握力で握りしめた相当が、せん断弾性係数Gの体感スケールになりますが、格闘系のアスリートなら、たぶん可能ですよね?(^^)。  以上長々と書きましたが言いたかったのは、強度(引張破断強度,せん断強度)と、変形係数(ヤング率,せん断弾性係数)は別物だ、という事です。

noname#185370
質問者

お礼

せん断とは言っても曲がったりするので実際には計算によって求めているなど勉強になりました。 考えていたせん断試験の様子はラジペンで切断するのに近い気がしてどのようにして値を求めているのか疑問に思っていました。 とても詳しく解説して下さりありがとうございました。

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