「かしこまりました」は謙譲語なのでしょうか
「かしこまりました」は謙譲語なのでしょうか。
個人的には謙譲語だろうと考えていますが、手元の資料では決定打が見つかりません。
辞書やサイトで、謙譲語か否かを明記しているものがあったら教えてください。
少し前に書いた文章から引用します。
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で、謙譲語性が感じられる言葉には、2種類あるような気がする……ってのが本題。
ひとつは「ごめんなすって系」。
いろいろある。
「申し訳(が)ございませんが~」「失礼ですが~」「おそれいりますが~」「恐縮ですが~」
「申し訳(が)ございません。」「失礼(しました)。」だと謝罪の言葉だろう。これに「が~」がつくと、正体不明の前置きになる。「失礼」の語尾変化?に関してはスルーしておく。
「おそれいります。」「恐縮です。」だと感謝の言葉だろう。これも「が~」がつくと、正体不明の前置きになる。
ヌエ的なものに「済みません。」がある。単独で使うと、謝罪のニュアンスが強いが、感謝の言葉として通用しなくはない。
これらの言葉は謙譲語性をもっていると思うが「謙譲語」かと言うとNOだろう。謝罪の言葉や感謝の言葉は、「謙譲語」とは異なる系列なのかもしれない。もし「謙譲語」としている辞書類があったら教えてほしい。
で、もうひとつが「よくわからない系」。
「承知する」あたりがこれ。「承諾する」「承認する」「承服・承伏する」にどの程度の謙譲語性があるのかは言葉の神様に訊いてください。
もっと微妙なのが「かしこまりました」。
意外なことに、これを謙譲語とする根拠が見当たらない。
さまざまなところで、「了解いたしました」「承知いたしました」よりも謙譲語性が高い言葉として扱われている。個人的な感覚では、謙譲語だと思う。しかし、あれほど敬語の話を網羅している菊地本(『敬語』『敬語再入門』)がいっさいふれていない。
ちなみにWeb辞書を見ると、「謙譲語」とは言っていないが、ほぼ謙譲語って気がするが……。
http://kotobank.jp/word/%E7%95%8F%E3%81%BE%E3%82%8B?dic=daijisen&oid=03205500
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
かしこま・る 【▽畏まる】
[動ラ五(四)]
3 命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。「はい、―・りました」
================引用終了
■Web辞書『大辞林』から
================引用開始
かしこまる【畏まる】
( 動ラ五[四] )
〔形容詞「かしこし」と同源〕
(2)(目上の人の言葉を)つつしんで承る。(依頼・指示などを)承諾する。 「はい,-・りました」 「太刀を持って来い。-・った/狂言・入間川」
================引用終了
気がかりなことがが2つある。
まず、『大辞林』の記述。「(目上の人の言葉を)つつしんで承る」なら謙譲語だろう。しかし「(依頼・指示などを)承諾する」だと謙譲語とは言いきれない。
もうひとつの気がかりは、過去にいくつも例をあげたように、Web辞書の敬語に関する記述はあてにならないこと。だから菊地本を頼りにしているのだが、今回は……。
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お礼
ありがとうございます!大変参考になりました!!