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平安時代の音価と開拗音について
- 平安時代の音価と開拗音について調査しました。
- シャ行音、ジャ行音、チャ行音、ヂャ行音について特に知りたいです。
- また、カ行とキャ行、バ行とビャ行の違いやワ行の開拗音についても調査しました。
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#2です。補足です。 >>1。 5,6,7,8母音説も実はすごく興味があるんです。8母音以外の説は、だいたいは二重母音的なものがあったという感じでしょうか? 音かは「音声的」、それをいくつかに分けるかは根拠の分かれるところです。 >>2。ところで、そもそもの根本的というか、基本的な質問になってしまいますが、平安時代になってでてきた拗音の元になったものは、そもそも何なのでしょうか?? このころ中国から韻書が入ってきて、拗音介母の仮名化には、3種あり (1) 拗音形 鐘シヨウ、諸シヨ、謝シヤ (2) 割り音形 躬キウ、周シウ、沈チム (3) 捨象形 制セイ、言ゴン、明メイ このうちの(1)が平安時代になって書き残された拗音の「元」だと思います。 >>3。 その母音が二重母音的だったものが、甲類、乙類という扱いではなく、一部拗音扱いになったのでしょうか? 甲乙は大雑把に言って一時代前、すなわち上代のことで、国語史の「拗音」は、その後、すなわち平安以後の現象として扱われます。 >>4。 それとも、現代のファ行音やティ、トゥ等が、英語からの大量の借用語によって、日本語の音韻体系の中で地位を得たように、拗音が定着した時代に、大量に中国語から語彙を借用したんでしょうか?? これは位相語や、職業方言の問題で、僕はファ、ティ、トゥ なしに日本語が話せます。平安時代にも唐帰りのエリート僧侶以外は、拗音なしで日本語が話せた可能性があるのではないでしょうか。
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- SPS700
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#6です。補足です。 >> 1。 cのところにサ行を入れた、当時のサ行音が破擦音の可能性があるからでしょうか? だと思います。 2。 シャ行を日本語に加えなかったのは、仮にその時中国語からの借用語等にシャ行音があったとしても、あくまで外来語音的に、周辺的な音として扱われていたからでしょうか?? それも一つの可能性だと思います。 3。 百済式漢字音ですが、これは、元々の呉音ではなく、百済の人達によって百済なまりになった呉音でしょうか?(それがさらに日本で日本語なまりになる。)だとしたら、当時の朝鮮語か何かの音韻体系も影響してるわけですよね? と思います。しかしご存知のように百済語の音韻に関する資料は極めて限られていますので、新しい文献が発見されない限り、難しいと思います。 >これは位相語や、職業方言の問題で、僕はファ、ティ、トゥ なしに日本語が話せます。 お店で、「レモンテーとテラミス下さい。」って注文するのも、やっぱり僕はかなり抵抗あります。笑 これを片仮名でお書きになった背景に外来語、すなわち大和言葉の組織の「外」にある、という考えが見られます。僕も「レモンティー」と言いますが、外来語だと思っています。
お礼
トピズレで申し訳ないんですが、面白いテーマなので。 >これを片仮名でお書きになった背景に外来語、すなわち大和言葉の組織の「外」にある、という考えが見られます。 はい、全くその通りで、僕もこれらは、大和言葉とは違う語彙層だという認識です。 周知のとおり大和言葉で一番音韻的制約が厳しくなりますが、Ito & Mester(2006)では、外来語でfull-inevntory、漢語でsubinventory、大和言葉でsmallest subinventoryなんていう書き方をしています。 この書き方を見ると、「大和言葉だけに使われている音韻ルールが真の日本語で、外来語のみに使われている拍等は、日本語としては例外的なもの」という考えではなく、逆に「外来語音も含めたものが、日本語の音韻体系の全容で、和語ではその一部しか使われていない」という印象を受けますし、僕自身後者の考え方の方がおもしろいと思うんです。 というのも、外来語音でも、「ファ」「ティ」「チェ」等はほとんど外国語らしさを感じさせないほど定着してますが、「スィ」とか「イェ」等は、まだ怪しいです。例えば「シ」と「スィ」の対立なんて、一部の専門用語や固有名詞のようなごくごく周辺的な語彙にしかありませんし。では、なぜファ、ティ、チェ等に比べてスィ、イェ等は定着しにくいのか、なんていうのが、日本語の音韻の根本的な性質をあらわしていて、面白いなあって思うんです。スィが定着しにくいのは、ひょっとして過去のサ行音の音価が関わってるのかなあ、なんて思います。 拗音も、開拗音は定着し、合拗音はあまり定着しませんでした。これは、ワ行音や、母音ウの唇音性の弱さと関係があるなんて話も聞きます。 拗音のように、子音+わたり音 という子音連続は、日本語では豊富ですが、子音+流音 という子音連続は決して受け入れません。しかし、子音+流音と子音+わたり音は、言語全体でみれば同じくらい無標だと言います。 例えば英語は日本語と全く逆パターンで、play、cryのような子音+流音の連続は豊富ですが、逆に子音+わたり音は厳しい制約があります。例えば「京都」も/ki: jou tou/のようにkとjの間に母音を挿入して受け入れます。 なぜ日本語は、頑なに子音+流音を受け入れないのか、というのも興味深い所です。流音が昔は語頭に立たなかったり、流音子音も1つしか存在せず、流音そのものをあまり受け入れたくない性質があるのかもしれません。 */Cje/ */Cji/ (Cは子音) という音素配列は許されない制約がありますが、前者は後者に比べると緩いでしょう。例えばスペイン語のアルファベットを「エニェ」という形で受け入れられます。僕は/nje/の方が、/kje/よりも抵抗が無い気がします。 逆に英語では、cute/kju:t/等のように/kju:/はOKでも、new等は多くのアメリカの方言では/nu:/で、 */nju:/という配列は許されません。/kj/と/nj/の受け入れ度合いが英語と日本語では逆かもしれません。 このように、周辺的な語彙を見ると、日本語がどういう音を受け入れやすく、どういう音を受け入れにくいか、という日本語の根底にある性質を垣間見れるので、面白いから好きです。 トピズレですみません。。。
- SPS700
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#5です。補足です。 >>最後に、拗音の定義が、これまた色々わかれるようですが、拗音は曲がった音、つまり50音表の中に入らない音、かな2文字を使って1モーラを表す音(ただし外来語音は除く。)、が一番僕の中ではしっくりくるのですが、これでいいでしょうか? 「拗音」はもともと50音表の用語ですからご意見は正道だと思います。 ただ50音表は悉曇学に起源があり、原表には「サ」、巻舌音の「サ」、「シャ」などがあるのに、「サ」を採り、しかも k と t の間で、c が予想されているところに位置していると言う点で、「50音表の中に入らない」というのはどういうことか、という詮索も必要になります。 しかし「王仁」が実在の人か、最初に日本語を書いた人たちの言語背景は、百済式漢字音なのか、直音しかなかったから漢字音の拗音を直音化し、それが上代の日本語音として踏襲されているのではないか、といった答えのはっきりしない問題もあります。 結局、漢字(仮名も含めて)のような表意文字でなく、表音文字で日本語が表記されるのは『日葡辞書』まで待ち、やっと「シ」の子音が x で、s ではないことが分かる訳で、資料が鍵になります。
お礼
返事が大変遅くなってすみません。ありがとうございます。 たしかに、元のサンスクリット語の順番との兼ね合いも考えないといけませんね。ややこしいですね、、、cのところにサ行を入れた、当時のサ行音が破擦音の可能性があるからでしょうか?シャ行を日本語に加えなかったのは、仮にその時中国語からの借用語等にシャ行音があったとしても、あくまで外来語音的に、周辺的な音として扱われていたからでしょうか?? 百済式漢字音ですが、これは、元々の呉音ではなく、百済の人達によって百済なまりになった呉音でしょうか?(それがさらに日本で日本語なまりになる。)だとしたら、当時の朝鮮語か何かの音韻体系も影響してるわけですよね? >これは位相語や、職業方言の問題で、僕はファ、ティ、トゥ なしに日本語が話せます。 ところで、ちょっとトピズレですが、 ティ、ディは、テ、デに置き換えられるとしても、 例えば、「ファイル」「フィリピン」「チェック」「マックシェーク」「(サッカーの)トゥーリオ選手」あたりは、他に置き換えられる音もなく、又これら外来語音が含まれる単語を一切使わずに生活するわけにもいかない気がするんですが。 例えば、「ファイル」と「入る」のように、ファとハのミニマルペアもありますし。 お店で、「レモンテーとテラミス下さい。」って注文するのも、やっぱり僕はかなり抵抗あります。笑 これら外来語は、今の日本語の音韻体系にはもはや無視できない地位にあると思うんですが、どうでしょう。 まあ、「トゥ」なんかはまだ単語数がかなり少ないですが。
- SPS700
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#3です。補足です。 >>1。最後に、拗音の定義が、これまた色々わかれるようですが、拗音は曲がった音、つまり50音表の中に入らない音、かな2文字を使って1モーラを表す音(ただし外来語音は除く。)、が一番僕の中ではしっくりくるのですが、これでいいでしょうか? おっしゃる通り定義がいろいろあるので、定義無しには使わない方がいいと思います。 2。 よく、硬口蓋化(合拗音は円唇化)した音、と音声学的な分類が主流なようですが、これだと、キシチニヒミリ等イ段の音も全部拗音にしないといけないが、実際にこれらは直音。あとやっぱり僕は「シャ」が本当に/sja/で良いのかひっかかりますしw ここが「音声学」と「音韻論」の分かれるところですね。 3。それに、子音音素の設定によって、shやchの音を、1音素として扱うのか、sj、tjのような子音結合として扱うのか、等等このような面倒くさい問題をクリアしないといけないので、音声学的な分類ではなく、50音の中に入らない音、昔の外来語音、という設定が一番しっくりくる気がするのですが、どうでしょう。 五十音自体も悉曇学の枠に入れた訳で、その人の音韻論的な区別で決まると思います。
- SPS700
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#3です。追加です。 「音か」と書きましたが「音価」の間違いです。お詫びして訂正します。
- SPS700
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もう#1さんが、優れた回答を寄せておられるのでこれは寝言です。 佐藤喜代治編『国語学研究事典』(明治書院979)の「拗音」の初めに「本来、日本語の音韻体系には拗音は存在しなかったが、漢字音の伝来以後、この種の音が次第に国語音としても用いられるようになった」とあります。 1。音声 日本語最初の記録は上代の万葉仮名による資料です。これは「漢字音」によるものですから、同じ漢字音が表記の手段ですが上代には拗音が無く、平安になって「拗音」が認められる、と言うのが定説です。 上代の日本語を書いた漢字の音は、それをX要素の多い書き手と、当時の実際の中国音に近い書き手の、少なくとも2群があり、Xは朝鮮音だったり呉音だったりと諸説があります。 書き手の知識や耳は、今では憶測の範囲を出ません。 2。 音韻 橋本進吉によって、上代の母音は8つあったことに、松本克己や服部四郎によれば、5つあったことになります。後者は、5母音に、半母音を付加するもので、音韻的な拗音による解決法です。 これも理論的再構の範囲を出ません。 3。 ワ行の開拗音 ヤ行の合拗音と同じく、無いのではないでしょうかね。
お礼
興味深い回答ありがとうございます。 #1さんへのお礼にも書きましたが、「拗音の元となったもの」という質問でなければいけなかったかもしれませんね。そして、その音価は、憶測でしかないと。 5,6,7,8母音説も実はすごく興味があるんです。8母音以外の説は、だいたいは二重母音的なものがあったという感じでしょうか? ところで、そもそもの根本的というか、基本的な質問になってしまいますが、平安時代になってでてきた拗音の元になったものは、そもそも何なのでしょうか?? その母音が二重母音的だったものが、甲類、乙類という扱いではなく、一部拗音扱いになったのでしょうか? それとも、現代のファ行音やティ、トゥ等が、英語からの大量の借用語によって、日本語の音韻体系の中で地位を得たように、拗音が定着した時代に、大量に中国語から語彙を借用したんでしょうか?? 基本的な質問ですいません。
- Piedpiping
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うーん、そもそもの前提からして難しい。 開拗音が発達したのは、おそらく中世に入ってから。 もちろん、もともと漢字音が元だから、例えば僧侶がどう発音していたか、というのも問題にあるだろうが、さて。 キイヤ、等の表記からすれば、[kija] と発音していただろう。 というわけで、「上代、平安時代における開拗音の音価」と言われても、無理、と言わざるを得ないだろう。 >ワ行にも開拗音があったのでしょうか? ありません。 もしかすると、音素は別にして、[ɥi] という発音はあったかもしれない。 上代の母音がいくつあったかにもよるが。
お礼
回答ありがとうございます。実は拗音について読み始めたのがつい最近なので、とんちんかんな質問をしてしまっていたらすみません。 なるほど、上代、平安時代は、拗音そのものではなく、「拗音の元となったもの」という質問でなければいけなかったかもしれませんね。 そうですか、やはり音価を知るのは無理なんですね。 では、もう少し時代が後になって、母音の甲類乙類の違いが二重母音的だったかどうかとかの問題も気にしなくてよくなって、拗音が定着してからの、初期の頃の拗音の音価は、ある程度判明しているのでしょうか? [kija]のように、2モーラ的だったんでしょうか? 「チ」や「ツ」が破擦音化する前に、チャ行音は、[tja][tju][tjo]だったのでしょうか? あと、サ行音とシャ行音の対立は、どんなだったんでしょう?(僕はどうしても、「シャ」の音韻的な扱いが/sja/というのがちょっと気になるのですが、、、 ワ行音に関しては、実は肥爪(2003)に、平安・鎌倉時代の拗音の分布の中に、「ヰヤ、ヰヨ」が挙がっていたので、ちょっと気になったのです。 オンセットの子音連続として、同じ聞こえ度の子音が2つ連続することはあり得にくいので、やはり2モーラ的だったのか、又は[j]は母音部分に属した、[wia]のような二重母音的なものだったのかと。 そもそも、拗音の[j]の部分は、日本語での扱いは、オンセットの一部として扱われるのと、ニュークリアスに属して二重母音的な扱いと、どっちがメジャーなんでしょうか。 とりとめのない質問ですが、、、
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 最後に、拗音の定義が、これまた色々わかれるようですが、拗音は曲がった音、つまり50音表の中に入らない音、かな2文字を使って1モーラを表す音(ただし外来語音は除く。)、が一番僕の中ではしっくりくるのですが、これでいいでしょうか? よく、硬口蓋化(合拗音は円唇化)した音、と音声学的な分類が主流なようですが、これだと、キシチニヒミリ等イ段の音も全部拗音にしないといけないが、実際にこれらは直音。あとやっぱり僕は「シャ」が本当に/sja/で良いのかひっかかりますしw それに、子音音素の設定によって、shやchの音を、1音素として扱うのか、sj、tjのような子音結合として扱うのか、等等このような面倒くさい問題をクリアしないといけないので、音声学的な分類ではなく、50音の中に入らない音、昔の外来語音、という設定が一番しっくりくる気がするのですが、どうでしょう。