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崩壊エネルギー
核図表でCS134の崩壊時の放射線の表中にEnergy [keV] とEnd point [keV]という記述がありましたが、両者の違いがわかりません。 特に後者のEnd point [keV]というのは、どういったエネルギーなのでしょうか? 何分この分野にかんしては殆ど素人ですので、わかりやすくご説明していただけましたら幸いです。 また Qβ-、SnのQとSは日本語では何を意味するのでしょうか? よろしくお願いします
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私もこの分野の素人です。 セシウム134はß崩壊してバリウム134に変わります。 ß崩壊について基礎的なことは http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-01-01-06 そして http://o3exe.regensburg.jp/?eid=13 に解説されています。セシウムの崩壊に付いては http://www.jaea.go.jp/fukushima/pdf/gijutukaisetu/kaisetu06.pdf に解説されています。 ß線は実体としては電子(あるいは陽電子)ですが、崩壊当初、運動エネルギーを持っています。 [keV] (1 keV = 1,000 eV, 1 MeV = 1,000,000 eV) は運動する電子のエネルギーの単位です (1個の電子が 1V の電位差の間を移動する際に必要なエネルギーが 1 eV)。物質との相互作用で当初持っていたエネルギーをすべて失うと電子は静止するわけです。 ß崩壊の際にはガンマ線も放出します。光の一種ですが、可視光に比べるとめちゃ高いエネルギーを持っています。同じ光であるX線よりも高いエネルギーです。ß線よりも破壊力のある放射線です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/ガンマ線 ß崩壊のエネルギー分布の最大値のことを end point energy (最大エネルギー) というようです。 Qß- や Sn は専門的な用語のようですので説明を省きます。とりあえず以上。
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- Tann3
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「壊変図式」(崩壊図式、Decay scheme)のことですか? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%8A%E5%A4%89%E5%9B%B3%E5%BC%8F 「壊変図式」は、放射性核種の壊変(崩壊)の仕方を図式化したもので、崩壊する時のエネルギー(ベータ崩壊での電子のエネルギーなど)と、崩壊後の原子核が励起状態からガンマ線を放出して最終安定状態の原子核になる状態遷移を表す図です。 ここで、最終安定状態を「End point」と呼んでいるのではないでしょうか。「End point[keV]」は、励起状態から最終安定状態になるときに放出されるガンマ線のエネルギーだと思います。 Qβ-は、ベータ崩壊する場合の質量欠損のことです。崩壊前と崩壊後の質量の差で、その差が、E=mc2で崩壊する時のエネルギー総量となります。「Q」はエネルギーを表す記号としてよく使われます。 Snは、どんなところに使われているのでしょうか。これだけではよくわかりません。
お礼
エネルギー分布と核図表の崩壊エネルギーを照らし合わせて、β崩壊は連続スペクトルであり、放射線エネルギーがまばらに分布し、そのため固定のエネルギーを持たず、エンドポイントエネルギーはその原子の崩壊時に出される放射線の最大値ということがわかりました。丁寧なご説明と貼っていただいたリンクも大変参考になるものでした。ありがとうございました。