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誘導放射とは?

核融合の分野での誘導放射とはどういう意味でしょうか? 「粒子線照射後の誘導放射能の減スが長期間にわたる」というような記述がありましたが、これはもう少し分かりやすく言うとどういうことで、なぜ良くないのかについて教えてください。 また、同様に誘導放射の関係で銀は使用できないとのことなのですが、これはなぜでしょうか。 よろしく御願い致します。

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回答No.2

私の回答の解釈としてはその通りです。 原子炉や核融合炉など極めて強い中性子場を持つ施設や装置の材料の候補は、目的とされる化学的性質だけではなく、化学的性質とは関連を持たない核の性質によっても制限され絞り込まれます。 材料を工学的に使用する場合、半減期というのは実に曲者であり、例えば半減期が短ければ、少々保管時期をみておけば有害でないレベルに放射能は小さくなりますが、照射された直後は(半減期が短いとは即ち崩壊定数(崩壊確率)が大きいので)強い放射能を帯びており迂闊には近づけません。 逆に、半減期が長いと、長期間に渡って緩慢に放射能を出し続けることになります。 Ag-109についても、そこら辺の兼ね合いから判断されているのでしょう。

その他の回答 (1)

回答No.1

誘導放射能とは、中性子線や重粒子線などを使用した場において、周囲の物質が帯びた放射能をいいます。特に中性子は核反応を起こしやすいので誘導放射能は安全上気をつけねばなりません。 銀を使うとはどの部分での事でしょうか? これはおそらくAg-109の5.2 eV共鳴の事でしょう。一般に中性子エネルギーが数eV以上になると共鳴領域といって中性子の捕獲反応断面積がエネルギーに対して極大をもつようになってきます。この銀は同位体存在比が107と109でおよそ半々ですが、この109は5.2 eVに対して10000 barnを超える極めて大きな断面積を持っており、black resonanceとも言われます(この値がどれだけ大きいかの感覚は掴めないと思いますが、学術的にも非常に重要なものであると言う事だけ認識してください)。この中性子捕獲反応の結果生成したAg-110は半減期が250 dayであるのでそこそこ残り、またさほど長寿命でもないため放射能も強いです。この為、誘導放射能が問題になるため、銀は使えないと言っているのではないでしょうか。 アインシュタイン係数で有名な誘導放出と字面は似ていますけど全く違うので注意!

noname#12472
質問者

補足

早速のご回答ありがとうございました。 銀が使われるであろう部分は核融合炉の超伝導マグネットの線材です。 高温酸化物超伝導体の場合通常安定化材として銀を用いるのでこのような質問をさせていただいた次第です。 原子力工学に全くの素人のため、完全に理解することはできませんでしたが、ごくごく簡単いうと 「周囲の物質が放射能を帯びてしまい、一旦帯びた放射能が長時間残存するので危険であり使用できない」 というイメージでよろしいでしょうか。