- ベストアンサー
四次構造のタンパク質が合成されるイメージについて。
一本のタンパク質が修飾されて行くのは、そんなものだろうと思えるのですが、たとえばヘモグロビンは四量体ですが、別々に翻訳されたユニットが、どんな感じで合体できるのでしょうか。四つのユニットが一単位のように翻訳されるからでしょうか。そういう調整の仕方があるのですか。開始コドン終始コドン4つごとに翻訳がなされるのでしょうか。赤血球は事情が特殊ですので、他の四次構造を持つタンパク質(膜タンパクなど)でも成り立つような説明でお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
タンパク質は4次構造を形成するために、3次構造に穴と出っ張りのような立体構造を持ちます。ヘモグロビンの場合、穴と出っ張りで結合部位が閉じたような形をしております。添付画像の(a)のような形です。さらに(a)をさらにもう一つ上に重ねたような形で4量体を形成しております(この時も穴と出っ張りの様な関係でくっつく)。(b)の例は、鎌形赤血球になる病気の一種です。これは結合が閉じていないので永遠に3次構造の赤血球が連なり、鎌形のようになります。 赤血球の例はむしろ一般的な例で、タンパク質の多くの場合、機能を発揮するためには4次構造をとる必要があります。16量体で働く酵素もあれば、60以上もの多量体で形成されるものもあります。 あくまで予想ですが、膜タンパクの場合は膜貫通部位、およびそれに結合するいくつかのサブユニットが同じような関係にあるのではないかと思います。 画像URL: http://www.els.net/WileyCDA/ElsArticle/refId-a0003120.html
その他の回答 (3)
- LSnyaa
- ベストアンサー率30% (10/33)
画像URLを載せましたが、画像添付がPCスペック上うまくいかなくて添付にはなかったと思いますが、説明ではfigure.2を指しています。なお、論文検索はPubmedのほうで検索するのが一般的ですので、たまたまよい画像があったので載せました。 タンパク質が会合し、4次構造を作るということですが、それは決して確率的に低いことではありません。mRNAから翻訳されるとき、その翻訳の起点となる物質が存在するはずです。つまり伝達物質が存在する場所でなければ翻訳は起きず、細胞で局所的にタンパク質が発現します。すると、タンパク同士の接触率もかなり上がりますから、仲介物質が存在しなくても自動的に4次構造を形成します。 そして、会合・結合するタンパク同士は、遺伝子マップ上近傍にありますので、同じようなことが言えます。
お礼
ご親切に誠意あるご回答下さりありがとうございました。 今後とも宜しくお願いします。
補足
お手数おかけしました。 Pubmedですか、ネットだけで本文など閲覧できるものの方がいいのですが、なかなかですよね。 たまたま画像を見つけられたのはグーグルの画像検索ですか。 転写時期の同期が主力ということですか。それは核内の状況ですよね。一番簡単な設定としては、各ユニットの転写の起点となる物質が共通しているという感じでしょうか。 核外で、接触確率を上げる仕組みも有り得ませんか。小胞体が想像以上に局所的な会合の場を提供している方が感覚的に安心できるのですが。手取り足取りのような介在物質やそのための細胞内器官があってくれた方がなお安心できます。 鎌状赤血球は意外に多用できる教材なのだと思いました。 鎌状に、つまり、会合が連鎖してしまうのは小胞体外、細胞質中の出来事なのでしょうね。 ヘモグロビンに関して、会合するユニットは、マップ上、近傍なのでしょうか。
- f7d84xh
- ベストアンサー率50% (7/14)
例外はあるかも知れませんが、多くの四次構造は「たまたまくっついたらなかなか離れなかった」というものです。 つまり各々のサブユニットは独立に翻訳され、細胞の中でたまたま接触したときに結合するといった感じです。 サブユニットが細胞内の特定の部位に蓄積されて接触しやすくなっていることもありそうですが。 実験的に別々に合成したタンパク質を試験官の中で混ぜ合わせると複合体を作った、というのはごく普通の現象です。 膜タンパクについても同様で、膜のなかを流動している膜タンパク同士がたまたま接触することで結合するようです。 サブユニット同士は疎水相互作用や水素結合などの比較的弱い力で結びついており、割りと簡単に乖離することが多いです。 生き物は逆にこの結合の曖昧さを利用して、状況に応じて四次構造を改変し、より複雑なタンパク質の運用を行なっているようです。 場合によってはこのあと更にジスルフィド結合と呼ばれる強い結合で補強されたり、金属錯体を形成することで安定化したりするようですが、とにかく翻訳の過程で四次構造が形成されるということは、あったとしてもかなり特殊な例だと思われます。
お礼
「膜」という平面が三次元の中で接触機会を増やす場になるのでしょうね。 平面状の偶然性を補完するものをご存知でしたらまたご教示下さい。 4次構造というのは、1、2、3、4、の4という概念ではありませんね。当時から違和感を覚えていましたが、教育上配慮が必要ですね。 4次構造こそ、生命現象の理解のツボだったようですね。1~3ではなく4が、機械論的近代生物学が教育上一番伝えるべきセンスを含んでいます。1~3は化学ですからね。 「基本的な興味」ほど素晴らしい話もありません。とりあず以下のページを見つけました。 「基本的な興味 - 生体エネルギーの効率的利用による細胞膜分子の動的組織化の機構」(京大・再生医科学研究所・楠見研究室) http://www.nanobio.frontier.kyoto-u.ac.jp/thesis/material/1998/04/--.html 生物が「精緻な構造と仕組み」を持っているというのならばその実現が「たまたま」論だけでは心もとないですよね。 別の質問で「タンパク質の消化・吸収」を考えていたのですが、生物(細胞)というものは、教科書が伝え、専門家が美化するようなアイドルとは全く違う、コンニャク以下の宙ぶらりん野郎なのかもしれませんね。流動的というか流動そのものですね。生命の定義の第一義は「膜」かもしれません。「核膜」も伊達の膜じゃないんでしょうね。 今後とも宜しくお願いします。
免疫グロブリンなどでも同じだろうと想像します。また核酸の二重構造などでも類似のことが起こっているのではないでしょうか。分子間の相互作用とともに合成される時間的空間的な間隔が短いことも大切な条件ではないかと想像します。私も質問したいくらいです。分子進化関係の参考書なども役に立つのではないでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。参考になります。 kaitara1さんも質問されて下さい。できればご質問の履歴をオープンにしていただけると助かります。kaitara1さんはいつも興味深い質問されて、今回のように私と関心事も近いので。 >『私も質問したいくらいです。』 重複にもマルチにもなりませんので是非されて下さい。 実体を追うべき科学が、セントラルドグマの安心感にスポイルされて終わらないように。
補足
ご回答ありがとうございます。 画像URLのサイトは普段ご利用されているサイトなのでしょうか。 ヘモグロビンのサブユニットだけが上手く会合して4次構造を作るのが不思議に感じたので質問しました。 ★タンパク質がごちゃまぜになっていて、くっついた物同士をサブニットと呼んでいるだけでしょうか。 (目的論的ですが)くっついて欲しい物が、くっつくようにお膳立てはされていないのかという質問です。せっかくDNAという記録媒体があるのにお膳立ての情報は無しなんでしょうかね。