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PCRとシークエンス反応

PCRとシークエンス反応の違いが分かりません。 高校生の知識で理解できる説明で、どなたか教えて頂けないでしょうか。

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noname#160718
noname#160718
回答No.3

No.2です。No.1ではノーマルのPCRは理解しているという前提で書いていたのですが、ちょっと補足を。 通常のPCRでは、2本鎖のDNAのそれぞれの鎖にマッチするプライマーを用意します。 サイクルシークエンス反応では、プライマーは1本しか用いないので、必然的に相手にするのは片方の鎖だけになります。 もちろん、両側の鎖を読んで照合した方が精度が高くなるのですが、その場合はサイクルシークエンス反応で1つのサンプルにつき、2検体作ります。それぞれの検体にそれぞれのプライマーを入れるわけです。 なのでNo.1さんの回答はまったく正確で正しいのですが、誤解しやすいので注意してください。 まあ、そこが大事なところではないんですけどね。 大事なところは、「ddNTP(Terminator)を入れることによって、伸長をランダムに止める」ことです。 早い話、プライマーを2つとも入れてしまったとしても、サイクルシークエンス反応はまったく正常に進行します。反応自体には何も不都合なことは起きません。 ただ、それをシークエンサにかけて読もうというとき、最初の1塩基目と最後の1塩基目が同時に流れてきてしまうので「読めない」というだけの話です。 なお、ここまで説明したのはDye-Terminator法です。これはTerminator(ddNTP)に色素(Dye)で標識をつける、という方法です。 他にDye-Primer法、つまりプライマーに色素標識を付けるやり方もあるのですが、それはあまり一般的ではなくなってきましたし、Dye-terminator法を理解できないと混乱するだけなので省略します。

noname#160718
noname#160718
回答No.2

シークエンス反応で起きていることはPCR反応そのものです。増幅されているのも2本鎖のDNAです。 ただし、通常のPCRではプライマーを2つ以上用いて、そのプライマーに挟まれた領域を増幅するのに対し、シークエンス反応ではプライマーは常に1つしか使いません。 ですから「検体の2本鎖DNAのうち、1本だけを鋳型にする」という意味では「増幅するのは1本鎖」という表現になるのですが、たいへん誤解しやすいので注意してください。PCRでもサイクルシークエンス反応でも、「増幅されるのは2本鎖」つまり反応の結果の産物は2本鎖DNAです。 PCRの原理は理解しての質問というのを前提に話を進めますが、サイクルシークエンス反応では、少し特殊なdNTPを使います。 このdNTPは、「このdNTPが組み込まれたら伸長がストップする」性質を持たせています。これをddNTPと言います。サイクルシークエンス反応で持ちうる試薬のdNTPには、このddNTPが低濃度ですが含まれています。 この試薬でPCR反応を行うと、プライマーがアニールした位置からTaqが相補鎖を伸長していって2本鎖DNAを合成するのは通常のPCRと同じですが、一定の確率でddNTPが組み込まれたPCR産物はそこで伸長が止まりますから、反応が終わると最初の1塩基目で反応が止まったもの、2塩基目で反応が止まったもの、3塩基目で反応が止まったもの・・・という具合に調べたいDNAの長さが500塩基対であれば、その全ての塩基で伸長が止まった2本鎖DNAができるわけです。 この、「ddNTPを入れることによって、伸長を途中で止める」というのが、通常のPCRとサイクルシークエンス反応の違いのひとつです。 もうひとつの違いは、先に書きましたがプライマーを1つしか使わない、ということです。 このddNTPはTerminatorとも言いますが、これには色素で標識しています。それも4種類の塩基に対応した4色の色素を用いています。 つまり、サイクルシークエンス反応で得られた産物を電気泳動してやると、当然分子量が少ないものほど早く移動しますから、待ち構えて色素を読むと、最初にAが流れてきて次にCが流れてきた・・・というぐあいに、元の鋳型の塩基配列を読むことができるわけです。 なので、サイクルシークエンス反応は普通のPCRを行う機械(サーマルサイクラー)で行います。これもちょっと良いのだと100万以上する高額備品ですが、今時遺伝子関係の研究や検査をするラボではどこでも複数台は持ってるポピュラーなものです。 で、いわゆる「シークエンサ」と呼ばれる機械は数千万もする桁違いの高額備品ですが、これはざっくり言ってしまうと「超高精度な電気泳動装置」に過ぎません。基本的にはサイクルシークエンス反応で得られた産物を流すだけのことしかしませんから。 最近はシークエンスを外注に出すことが一般的になり、シークエンサを持っているところですら外注に出していたりします。機械のメンテ代より外注の経費の方が安くなってきたからですが(もちろん処理する検体数にもよるが)。 その時は検体DNAを精製して、サイクルシークエンス反応で使うプライマーと一緒に送る、というのが一般的です。 PCRの原理をきちんと理解していないとサイクルシークエンス反応も理解が難しいですが、簡単に書けばこういうところです。

回答No.1

基本的にやっていることは一緒です。 ただし、一般的なPCRはDNAの2本鎖を増幅させるのに対し、 シークエンス前のPCRでは片方の1本鎖しか増幅させません。

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