No.2です。No.1ではノーマルのPCRは理解しているという前提で書いていたのですが、ちょっと補足を。
通常のPCRでは、2本鎖のDNAのそれぞれの鎖にマッチするプライマーを用意します。
サイクルシークエンス反応では、プライマーは1本しか用いないので、必然的に相手にするのは片方の鎖だけになります。
もちろん、両側の鎖を読んで照合した方が精度が高くなるのですが、その場合はサイクルシークエンス反応で1つのサンプルにつき、2検体作ります。それぞれの検体にそれぞれのプライマーを入れるわけです。
なのでNo.1さんの回答はまったく正確で正しいのですが、誤解しやすいので注意してください。
まあ、そこが大事なところではないんですけどね。
大事なところは、「ddNTP(Terminator)を入れることによって、伸長をランダムに止める」ことです。
早い話、プライマーを2つとも入れてしまったとしても、サイクルシークエンス反応はまったく正常に進行します。反応自体には何も不都合なことは起きません。
ただ、それをシークエンサにかけて読もうというとき、最初の1塩基目と最後の1塩基目が同時に流れてきてしまうので「読めない」というだけの話です。
なお、ここまで説明したのはDye-Terminator法です。これはTerminator(ddNTP)に色素(Dye)で標識をつける、という方法です。
他にDye-Primer法、つまりプライマーに色素標識を付けるやり方もあるのですが、それはあまり一般的ではなくなってきましたし、Dye-terminator法を理解できないと混乱するだけなので省略します。